ひとむかし

 

 

 

 

 

「ギガ」という単位がHDDの容量を表していた時代

イーサネットの速度が10や100Mbpsだった時代

 

 

無線LANがまだ影も形もなかったので

さぞ家の中をLANケーブルがウネウネしていたのだろうと思われるかもしれないが

実際にはのたくってなかった。

 

それはなぜか?

簡単である

 

イーサネット機器はPCぐらいしかないから

 

携帯電話は電話しかできず

テレビはテレビ放送しか観れず

電子レンジも電磁波しか出していない

2.4GHz帯がまだ静穏だった時代

 

そもそもルーターは必要なく

L2SW(LANのHUB)も必要なかった時代がそこにある

 

 

やがて宅内には複数台のPCが設置されるようになる

そうなるとルーターが登場して複数のネット機器が接続されるようになると

 

いよいよLANケーブルがのたくり始める

 

 

平成後期には戸建て集合住宅に関わらず電気配線と共に

各部屋にLANケーブルの差込口が設置されるのは当然になっているが

当時はそんな設備はなく後付けで設置するしかなく必然的に

 

各部屋の床やら壁にLANケーブルがのたくり始める

 

 

プロに頼めばある程度綺麗に設置もしてもらえるが

たいていは素人仕事で多少知識がある若人がやっつけでやることが多く

 

青いケーブルが床やら壁にのたくる結果に

 

 

そんな状況を打破する機器が登場したのが、いわゆるミレニアムの頃

2000年前後である

 

無線LANの登場である

 

当時はアナログ回線やISDNに代わって登場してきた

ADSLが話題となり比較的高速なインターネットアクセスが期待できることで

瞬く間に普及していった時代である

それと同時に家庭に1台だったPCが個人に1台が標準となり

LANケーブルの煩わしさを忌避したいユーザーが無線LANを導入し始める

 

だがしかし

当時の無線LANの転送速度は2Mbps~11Mbps(理論値)で

実効速度はその30%程度と

のけぞる遅さだった

 

であったのだが幸いなことに

 (1) インターネット接続速度もそこまで速くなかったこと

 (2) やっぱりLANケーブルはクソ鬱陶しい

という環境的なメリットが勝利したことで浸透し続けることに

 

がやはり無線LANの速度はLANケーブルと比較すると圧倒的に遅い状況は続く

 

 

 

 

 

 

 

時は流れ平成後期

有線LANは1Gbpsという以前では考えれない速度が当たり前になる

一方の無線LANは11ac規格により1Gbpsに迫る勢いになる

 

 

 

そして令和の現在

有線LANは10Gbpsが登場するもコストと環境要因で普及にブレーキがかかる中

平成では有線LANの後塵に拝していた

無線LANがチギり始める

 

11axの登場により、2Gbps近い転送速度が可能となる

さらに無線LANは上位規格の機材でも導入コストが低いというメリットも兼ね備える

 

 

そうなると当然ながら

のたくってるLANケーブルの淘汰が始まる

 


安定した転送速度を期待するネット機材は有線LANが望ましいが

ゲーム機やテレビ、レコーダーなどは100Mbpsも出れば事足りるので

漏れなく無線LANに移行

 

 

淘汰されると同時に発生するのが余るLANケーブル

こんなに使っていたのね...と呆れるぐらいに出てくると同時に

こんなに嵩張るのね...とガッカリ

 

 

 

こんなにストックしててもきっと活躍する場はなさそうなので

同じ長さが何本もあるのは捨てることにしよう

 

 

長々と書いたけどLANケーブルが余って処分に困ったという話である