建物の法定耐用年数 | 趣味でやる投資 (株式/不動産/etc.)

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今回は建物の法定耐用年数についての雑感です。



法定耐用年数は建て替えまでの年数データ等を参考にして何十年かに一度は見直しが行われており、最近だと平成10年に改定されています。下の表がその推移ですが、戦後間もない頃までの耐用年数はどの構造体でもかなり長くそこから徐々に短縮されてきているのが分かります。





関東大震災の前はRC造と鉄骨造の耐用年数が100年だったというから驚きで、戦後間もない頃も80年もありました。その後昭和41年、そして平成10年の改定で一気に短くなった感があります。


ちなみに米国だと全く制度が異なり、築年数・構造に関わらず購入時から27.5年で(商用は39年)しかもこの年数は所有者が変わるとリセットされて再度27.5年からスタートします。


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建物の法定耐用年数が短くなっていくこの推移とは逆に、建物自体のの耐久性・クオリティは時代が進むほど向上しており、耐震性をはじめ断熱性遮音性設備などの住宅性能については今は昔とは比較にならないレベルになっています。


前々回の改定時である昭和40年代前半築の物件が比較的築浅(築15年くらい)の頃に住んだことがありましたが、その時既に外壁が傷んでいて、外に点火しに行く風呂など設備も古く、隙間風もあり正直かなりボロく感じた記憶があります(周りの同じような年数の建物も同様でした)。


今は前回改定時付近の平成2桁初期の物件も耐用年数超えに突入してきており、そのあたりの築年の物件も持っていたり色々見たりしていますが、ある程度の内装リフォームが必要にはなってきているとはいえ決して建て替えを検討するレベルではなく十分快適に居住できます


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建物の耐用年数が短くなる事でメリットとデメリットがあります。

 

 

メリットとして大きいのは税務上減価償却が大きく取れる(減税できる)ことで、特に築22年以上の(居住用)木造建物は4年という短期間で減価償却できてしまいます。



デメリットは融資上の問題が生じる点で、特にメガバンク・地銀を中心に法定耐用年数の範囲内の年数までしか融資しない姿勢が強いため、融資期間が短くなったり法定耐用年数を超えている物件だとそもそも融資が出なかったりします。

 


元々性能の良い建物であったり大規模修繕してある物件であっても、実質的な耐久性よりも法定上の根拠を理由に画一的な対応しかできないのが残念なところで、このあたりは税務上の法定耐用年数に縛られず、建物の調査・鑑定システムの普及と、それに基づく融資姿勢の変化が待たれるところです。