これは親族の物件の話になりますが、20年以上前に土地活用&相続税対策の営業に来た大○建託(以下、D社)で更地(駐車場)に建物を建て、同社とサブリース契約をして商業テナントに転貸している物件があります。
サブリース契約なので所有者とD社、D社とテナントという契約になっていて賃料の15%程度はそのままD社に抜かれています。比較的広い土地にプレハブっぽい鉄骨の平屋が建っているだけなので、土地評価の割に賃料は低めで有効活用できているとも言い難い状況です。
たまの連絡が来る時は殆どが修繕の依頼で、例えば「前回塗装してからもう10年経ってます。雨漏りでもあって中の物が濡れたら責任重大ですよ~」のように系列業者で1年分の賃料が吹き飛ぶような額の外壁・屋根塗装工事を勧めてきたりしていたようです(それに対して何も考えずそのままお願いしてしまうオーナーもどうかとは思いますが)。
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こんな感じの放漫経営?で長年経過してましたが、風向きが変わるきっかけがありました。
テナント(D社)との賃貸借契約書上では建物と駐車場のみが対象になっており、土地自体は言及されていません。土地には駐車場・それ以外で使用されていない部分もあり、その土地部分(ごく狭い一角で全くテナントに支障はない位置です)をオーナー側が使用したい旨を借主のD社に申し出たところ、「当社の規定でそれはできない」との返答で、契約のどの部分に問題があるかの説明もありませんでした。
土地を利用するには解約するしかなさそうでこの時点で私に相談があり、契約書を拝見すると「双方が解約を希望する場合○ヵ月に申し出る」ような旨が記載してあったため、とりあえず解約を申し出てみる方向で勧めました。
業者であるD社とはいえ管理を任せているわけではなく名目上の賃借人で借地借家法で守られる立場なので、オーナー側の都合の場合正当事由(要は一定金額の支払い)がないと解約は難航するんじゃないかと思ってましたが、そのような要求はなく2~3か月後に解約できる運びとなりました。
これであとは転借人のテナントとの直接交渉になります(こちらも契約上、拒否できる理由がないように思ってますが)。
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同じ業界でも界壁問題で物議を醸しているレ○パレスなどはサブリース解約が非常に困難と聞きますので、可能性と対応策を見極める必要があります。
サブリース物件に投資する観点で考えると、元々建築費が割高ですがその分クオリティは安普請の建物よりは良いと聞きますし、業者の指示したとおり修繕等が行われていれば維持管理状況も良好なので、こういうサブリースのかかった中古物件を安く取得して解約すれば投資妙味があると思います。