画家の映画観るとレベルは違えど身につまされる事がちょいちょいあって胸が痛いんですけどw 特に好きな画家で無くても何かやっぱり面白いんで観てしまいますな。画家のセザンヌと作家のゾラの友情を描いた作品。原題が「Cézanne et moi(セザンヌと私)」と言う事はゾラから見たセザンヌを描いた映画かな。
格調高い映画である、センスが良い、全てのカットが美しくて目が離せない。イタリア移民で虐められるゾラを助け、それ以来友情を育む様になるセザンヌ。銀行家の父親を持ち裕福だったセザンヌに対し移民で貧しかったゾラ。しかし、後年立場は逆転する。成功を収め裕福に暮らすゾラ、セザンヌは気性が荒くトラブルメーカーで絵も認められず(落選展にも落選する)父親からの援助も打ち切られ貧しい生活を強いられる。しかしお互いの才能を認め合いながら、セザンヌはゾラの社会的立場に嫉妬し、ゾラはセザンヌの自由奔放に嫉妬する、言いたい事を言い合い、喧嘩もし、疎遠になりながらも友情は続く。
ゾラの母親はセザンヌの才能を認めていて、その2人のやり取りは短いが非常に印象的。また、セザンヌが妻でありモデルであるオルタンスから「絵の女しか見ていない!絵の女が毎日私を苦しめる!生きてる私を見て!」と詰め寄られるシーンは凄まじい。家族を持つセザンヌ、しかし周りの人間から言われる言葉「彼は誰も愛していない」。
その後、画商の尽力によりセザンヌもようやく認められる様になる。最後に家族と共に南仏に帰り、名士に囲まれるゾラをこっそり群衆の後ろから見つめるセザンヌ、一時友人の帰還を喜ぶがゾラはセザンヌに気がつかず、セザンヌについて発した言葉はあまりにも残酷な言葉だった。
南仏の風景が非常に美しくてそれだけでも十分観る価値がある、何回でも観たいマストムービー。
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ダニエル・トンプソン監督作品
エミール・ゾラ:ギヨーム・カネ
ポール・セザンヌ:ギヨーム・ガリエンヌ
アレクサンドリーヌ・ゾラ:アリス・ポル
オルタンス・セザンヌ:デボラ・フランソワ
アンヌ=エリザベート・セザンヌ:サビーヌ・アゼマ
ルイ=オーギュスト・セザンヌ:ジェラール・メラン
エミリー・ゾラ:イザベル・カンドリエ
ジャンヌ:フレイア・メイヴァー
アンブロワーズ・ヴォラール:ロラン・ストケル
ギ・ド・モーパッサン:フェリシアン・ジュトナー
カミーユ・ピサロ:ロマン・コタール
オーギュスト・ルノワール:アレクサンドル・クシュネル
エドゥアール・マネ:ニコラ・ゴブ
タンギー爺さん:クリスティアン・エック
†††2016年 フランス
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