汚れなき情事 | 毎日がメメント・モリ

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 誰っすかー、この邦題付けたの!何だか内容違う映画みたいじゃないですかー、おまけに「エイジ オブ イノセンスー汚れなき情事」と言うタイトルの映画あって紛らわしい!!止めて下さいよ、こー言うの。原題は「CRACKS」裂け目とか亀裂とか言う意味ですが、こっちの方が内容には合ってます。

 

時代は1934年、イギリスの自然豊かな田舎にある全寮制の女子校、聖マチルダ学園。そこにミス・Gと言うカリスマ的な女教師がいました。彼女はもちろん生徒の憧れの的、Gの指導するダイビングチームは特に彼女を信奉する生徒が集まっていました。中でもリーダーのダイはGに夢中で、Gもまたダイを特別に贔屓している仲でした。

 

 

と言うともう何かの拍子に嫉妬渦巻くドロドロ劇になりそうな要素が揃い過ぎですわ、その拍子になっちゃったのがスペインからの転校生フィアマでした。

 

 

如何にもスペイン!!て感じです。フィアマは相当な資産家の娘らしく何もかもがズバ抜けてトップクラスでした。容姿も家柄も頭脳もスポーツも。ダイは自分がチームでNo.1だったダイビングの地位もフィアマに奪われGの視線が彼女に向かうのを見て当然嫉妬のかられ、虐めが始まります。しかし、喘息持ちのフィアマをダイビング・チームに入れるとかどうなん?と思いますが、今でもアレルギー何やに全く理解の無い人ってわりかしいるので、当時はもっといなかったんだろうなと想像してみる。

 

 

Gは何とかフィアマを自分の信奉者にしようとしますが、賢いフィアマはGの欺瞞を見抜いていました。

途中にGが街まで買い物に行くシーンがあるんですけど、これが驚き、学校内ではあれだけ自信に満ち、華やかなファッションに身を包み堂々と振る舞い生徒を魅了している彼女が学校から一歩外に出ると、所謂「キョドりまくり」と言う言葉がピッタリの様子。

その極端さや、一種のコミュ障なのか?フィアマは校内でのGの姿が虚飾まみれなのを感づいていたんですね。ファアマが自分の懐に入らないと知るや、Gはダイの自分への気持ちを利用してフィアマに対する復讐を企てます。

 

 

それがまあ大変な事件に発展して残酷な結末を迎えてしまう、てのが顛末ですが、Gは自業自得、一番の被害者はフィアマである事にも違いない、一番複雑な気持ちを恐らく一生抱えて行かないといけないのはダイビング・チームの生徒、中でもやはりダイでしょう、自分が事件の片棒を担いでないとは言えない立場、幼く世間知らずだったと言えばそうですが、余りにも大き過ぎる代償、彼女はこれから先どんな人生を送るのか。

 

 

因みにGを演じたエヴァ・グリーン、私は余り注目した事の無い女優さんでしたが、小粒なシャーロット・ランプリングて雰囲気で美しかったです。

 

 

†††ジョーダン・スコット監督作品
ミス・G:エヴァ・グリーン
ダイ:ジュノー・テンプル
フィアマ:マリア・バルベルデ

ポピー:イモージェン・プーツ

ファジー:クレミー・デール

 

†††2009年 イギリス/アイルランド/スペイン/フランス/スイス
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