好きなものは色々あれど、やはりこの方を挙げな
ければなりますまい、ベタですが、この方です。
澁澤龍彦。
まあ、今更わたくしごときが語らなくても良い
様な方ですが、そこはひとつおつき合い下さい。
意外に意識した澁澤との出会いは遅かったので
すが、高校生の頃、世紀末美術にハマりまして、
と言うと有名なところではアルフォンソ・ミュシャ
とかエミール・ガレとかウィリアム・モリスだとか
ジョン・エヴァレット・ミレイだとかサー・エドワ
ード・バーン・ジョーンズやらギュスターヴ・モロ
ー等色々おられます。とにかく19世紀末美術全般が
好きで、色々と本を読みあさりました。
と、その中に頻繁に出て来る1冊の本があり、そ
れがJ.K.ユイスマンスの「さかしま」でした。
「これは読んでみなければ!」と勇んで買ったも
のの、当時の私にはちょっと難しかった。
以来、数年に渡り放置していたのですが、これが
今見ると澁澤の訳だったんですな、この頃はまだ澁
澤を知らなかった。


その後も順調に世紀末美術街道を突き進み、同じ
ユイスマンスでもオランダのスヒーダムに実在した
と言われる聖女の物語「腐乱の華」、ジル・ド・レ
エについて書かれた「彼方」、そしてボルヘス、サ
ド、マンディアルグetcと来て、どこからか澁澤に辿
り着いた。
と、言うかこれだけ出て辿り着くのが遅いくらい
です。この辺り、私の情報収集能力の偏りが顕著に
出てるのですが(フィギュアブログをご存知の方は
おわかりですよねw)まあ、それはいいとして。
その本の中には私の好きなものが沢山書かれてい
て、私が子供の頃観て、とぎれとぎれのシーンだけ
を覚えていた映画の事まで書いてあり(しかも3本
共)この時、初めてそれがルイス・ブニュエルとロ
ジェ・バディムの映画であった事がわかったのです
が、何故幼い子供一人でこんな映画を観ていたのか
(と、言うか親が一緒だったら多分観せないw)そ
の辺りはもう私自身にもわかりかねますが(それで
こんな大人になった訳ですね)
それ以来、澁澤の本を買いあさり、しかし亡くな
ってからは「全集」「特集」的なものが次から次か
ら出版され、追いつかなくなったヽ(;´Д`)ノ
中でも好きな、これは「フローラ逍遥」。何やら
このハードカバー版は絶版だそうですが、美しい装
丁もあり、今でも人気が高い。
そうなんです、基本装丁の美しい本には物凄く弱い。
(だから電子書籍は嫌いです)
そして、氏の絶筆である「高島親王航海記」。


澁澤の文章は、明快であっけらかんとして、硬質でカ
ラリとしている。ご本人も品が良く、裏表が無く、無
邪気な天使の様です。四谷シモン氏も、確かそんな事
をおっしゃっていた。

と、ここで氏の絵でも描いてみれば良いのですが、ここ
は氏のお好きだったカトリーヌ・ドヌーヴでお茶を濁すw

あんまり似てねえorz
高丘親王航海記 (文春文庫)/澁澤 龍彦

¥500
Amazon.co.jp
少女コレクション序説 (中公文庫)/澁澤 龍彦

¥660
Amazon.co.jp
フローラ逍遙 (平凡社ライブラリー)/澁澤 龍彦

¥1,529
Amazon.co.jp
世界悪女物語 (河出文庫 121B)/澁澤 龍彦

¥504
Amazon.co.jp