最近、非常に気持ちが沈む出来事があり、しばらく資産運用へのモチベーションが湧かない日々が続いていた。
2008年頃、私がまだ20代、資産運用に対して非常に貪欲で個人投資家のコミュニティに参加し、同じ志を持つ人々と交流していた。
その中でも、私の投資戦略に大きな影響を与えてくれた先輩投資家が、現在がんを患い、余命が短いことを知った。
その方は50歳前後ながら、保有資産は50億円以上。
自身の投資手法についてまとめた著書を出版されたので、購入し、がんに関する記述を読んだ。
氏は直腸がんを患っていたそうだ。
統計的には、大腸がんの罹患率は40代から顕著に上昇する。
医師である氏は血便などの症状はあったものの、内視鏡検査に心理的な抵抗を抱えていたのと、自身の豊富な手術経験から「40代の患者は1人もいなかった」という認識があり、血便の原因を99%痔だと判断してしまい、結果として早期発見の機会を逃したようである。
私自身は、KAPPAさんという医師兼投資家のブログ記事で「40代になったら大腸内視鏡検査を受けるべき」との主張に影響を受け、明確な症状こそなかったものの、40代で自発的に検査を受けた。それだけに、今回の出来事にはやり場のない残念な気持ちと、深い悲しみを覚えている。
このブログは「富と健康」をテーマとしていたが、最近は非常に魅力的な投資対象であるジモティー株に夢中になってしまい、関連する記事ばかりを投稿していた。今後は少し方向性を見直すかもしれない。
なお、KAPPAさんのブログは、資産運用の世界観と医療の話を組み合わせ、個人投資家にも理解しやすく解説している点が非常に興味深く感じられるが少し難しく感じられる面もあるので、生成AIを活用して、わかりやすく要約した内容を掲載してみたい。
オリジナルの記事も下記にリンクを貼っておく。
健康とリスク:誤解を解き、賢く対策する
株式投資における「リスク」が数値化された「標準偏差」を指す一方、個人の健康における「リスク」は、より身近な「確率」である。この健康リスクについて、私たちはもっと深い関心を持つべきであると考える。
喫煙:最大の健康リスク
健康を考える上で、喫煙が最大のリスクであることは論を俟たない。喫煙が健康に及ぼす悪影響は計り知れない。
生活習慣病:過大評価されたリスクと遺伝の影響
しかし、喫煙以外の生活習慣病のリスクは、往々にして過大評価されているきらいがある。たとえ検査データに問題がなくとも、脳卒中や心筋梗塞はかなりの頻度で発生するのである。また、生活習慣病の約半分は遺伝的要因によるものであり、いくら生活習慣を改善しても限界があることを理解しておくべきだろう。
そのため、過度に我慢することなく、好きなものを食し、飲むことも人生を享受する上で大切であると考える。人生は短いのだから。ただし、高血圧症や脂質異常症を抱える者は、医師の指示に従い、きちんと服薬することが肝要である。
癌:早期発見と適切な検診で回避できるリスク
一方で、癌、特に消化管の癌は、適切な検診によって早期発見し、死亡リスクを大幅に低減させることが可能である。 生活習慣病による死亡がある程度避けられないのに対し、癌による死亡はかなりの程度、回避しうるのである。
胃癌:ABC検診とピロリ菌対策が鍵
胃癌については、ペプシノゲンとピロリ菌抗体を組み合わせたABC検診が非常に有効である。
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A群(ピロリ菌がいない者): 胃癌発生率は極めて低く、検診の必要はほとんどない。
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B群(ピロリ菌がいてペプシノゲン陰性の者): 年間0.1%の胃癌発生率があるため、数年に1回の内視鏡検査が推奨される(除菌後も含む)。
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C群(ピロリ菌がいてペプシノゲン陽性の者): 年間0.25%の胃癌発生率があるため、数年に1回の内視鏡検査が必要である(除菌後も含む)。
かつて国民のピロリ菌感染率が高かった時代に、全国民を対象とした胃癌検診としてX線検査が実施されていたが、これはもはや時代錯誤である。現在、胃癌検診対象者のピロリ菌感染率は20%以下に減少し、特に若年層では5%以下に激減している。これにより、近い将来、胃癌の罹患率は現在の10分の1以下になることは確実である。
大腸癌:40歳を過ぎたら内視鏡検査を
大腸癌は近年増加傾向にあるものの、明確なリスクファクターは少ないのが現状である。赤身肉の摂取や肥満との関連、あるいは果物の摂取量との関連も指摘されているが、その影響は限定的である。
そのため、40歳を過ぎた者は、すべて下部消化管内視鏡検査を受けることを強く推奨する。 異常がなければ、その後の検査は5年ごとで十分である。
食道癌:遺伝と生活習慣のリスクを認識する
食道癌は胃癌や大腸癌に比べて罹患率は低いが、リスクファクターが非常に明確である。 これには遺伝的要因と生活習慣(飲酒と喫煙)が深く関与している。
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遺伝的リスク:
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ALDH2(アルデヒド脱水素酵素)低活性型: 飲酒するとすぐに顔が赤くなる者で、日本人の約40%が該当する。
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ADH1B(アルコール脱水素酵素)低活性型: 通常の飲酒量でも翌日まで酒臭さが残る者で、日本人の約10%が該当する。
遺伝子分析を受けずとも、これらの特徴から自身の遺伝的リスクがある程度判別可能である。
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遺伝的リスクと生活習慣リスクの組み合わせ:
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遺伝的リスクのいずれかを持ち、かつ飲酒と喫煙の両方を行う者は、リスクがない者に比べて食道癌の発生リスクが60倍以上に跳ね上がる。
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遺伝的リスクを2つ持ち、さらに飲酒と喫煙の両方を行う者は、食道癌のリスクが100倍以上になることもありうる。
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ご自身の健康を守るために、これらの情報を参考に、適切な行動を検討していただきたい。
大腸内視鏡検査と早期発見の重要性
本日、筆者は大腸内視鏡検査を受けた。便潜血検査は死亡率低下のエビデンスがあり公衆衛生上有効である一方、大腸内視鏡検査は費用面から住民・社員を対象とした実施は困難である。しかし、個人レベルでは死亡率低下のエビデンスがあるならば受けたいと考える者も多いであろう。
がん検診における「全死」と「癌死」
多くのがん検診は、対象となるがんによる死亡率を低下させるエビデンスはあっても、全ての原因による死亡率(全死)を減少させるエビデンスはほとんどない。しかし、筆者は早期発見が可能な胃がんや大腸がんで後悔して死にたくないという個人的な思いがあり、全死が減少しなくとも早期発見の意義を重視している。
大腸内視鏡検査における医師の技量と課題
大腸内視鏡検査には医師の技量による格差が非常に大きいという問題がある。検査時間が短いほど腕が良いという誤解があるが、実際には観察時間と病変(腺腫)発見率には正の相関があり、腺腫発見率と検査後の大腸がん死亡率には負の相関があることがエビデンスとして示されている。そのため、検査時間が極端に短い医師の検査は望ましくない。
また、ポリープ切除術に関しては、日本では医療費抑制の観点から「5mm以下のポリープは切除せず経過観察」という見解が一般的であるが、米国では「全てのポリープを切除する」という考え方が主流であるという日米間の違いも指摘されている。