ジモティーに現れた「近所のチラシ」の謎
ジモティーアプリに、にわかに見過ごせない変化が起きている。
事前のPRや告知は一切ないまま、アプリ内に「近所のチラシ」という新しいカテゴリがひっそりと追加されている。
そして、そのカテゴリのコンテンツは、現在、くふうカンパニーが運営する「トクバイ」事業の投稿で独占的に構成されている。
ジモティーアプリ上で、近隣のドラッグストアやスーパーの特売チラシが閲覧できるようになっているのだ。
しかし、この唐突な連携は一体何を物語っているのだろうか?
不可解なことに、くふうカンパニー側のウェブサイトや投資家向けIR資料をくまなく調査しても、「トクバイ」の情報をジモティーに提供しているという類の情報は、現時点では一切見当たらない・・・
「くふうカンパニー」と稀代の経営者・穐田誉輝氏
ここで、くふうカンパニーについて簡単に触れておこう。
同社の代表取締役は、穐田誉輝(あきたよしてる)氏。
女優の菊川怜さんの夫としても知られる氏だが、ビジネス界では、「食べログ」や「クックパッド」の成長を牽引した経営者として極めて有名である。
特に、チラシ事業(現在のトクバイの前身)をクックパッドに導入し、同社の時価総額を一時4倍にまで押し上げた手腕は語り草になっている。
しかし、その積極的な経営方針が創業者の意向と対立し、お家騒動の末にクックパッドを去ることになった。
結果として、この核となるチラシ事業を失ったクックパッドの株価は大きく下落したのだ。
その後、穐田氏は独立させたこのチラシ事業を上場させ、それが現在のくふうカンパニーとなったという経緯がある。
決算発表で見えた両社の思惑
現在のくふうカンパニーは、業績面で苦戦しており、株価も厳しい推移を強いられている。
2025年11月14日。
この日、ジモティーは第3四半期決算、くふうカンパニーは本決算の発表を迎えた。
個人的にはこのタイミングで両社から業務提携の正式発表があるのではないか?と思っていた。
しかし、結局、提携の発表はなかった。
不思議なのは、ジモティーアプリに専用の新カテゴリまで設けているにもかかわらず、両社の決算説明資料のどこにも、このチラシ連携について一切触れられていなかったことである。
今後の展開と市場の注目度
一方、くふうカンパニーが発表した今期業績予想は、市場からはかなりポジティブな見通しと受け取られているようである。
同社のヤフー掲示板の中には、「本当に達成できるのか?」と半信半疑の書き込みも見られる。
(もちろん、彼らがジモティーアプリの小さな変化に気づいている様子もないわけだが。)
水面下、というよりも、もはや水面ギリギリで動き始めているジモティーとくふうカンパニーのチラシ事業連携は、今後どのような展開を見せるのだろうか?
日本の経済界でその名を轟かせる穐田氏が関わる提携となれば、その動向は大きな注目を集めるかもしれない。
そして、それはもちろん、両社の株価に影響を与える可能性も秘めていると言えるのではないだろうか?



