※数日前に食べた分
今回は元同僚がテレビで面白そうな店が紹介されていたからそこに行こうと誘ってくれたので、
普段なら行かないエリアに新規開拓という意味合いも込めて桜新町駅から十数分歩いた先にある
「タナカロボ」まで足を伸ばしました。開店直前に店の前に到着したのですが、
店の前には行列が出来ていて、一巡目に入ること叶わず。開店後もだいぶ待ってやっと入店。
カウンター席で改めてメニューを確認して看板メニューであろう。鯛煮干の塩そば(750円)と
鴨ロース丼(400円)を注文し、現金で先払いして待ちました。

出て来たのは鯛煮干で水出しし、そこに塩ダレではなく塩を加えて味を調えたというスープに
中細ストレート麺が入り、豚肉のいわゆるソーキとネギのみが乗った一杯と鴨ロース丼でした。

スープは非常に鮮烈にしてクリアな味わいで、鯛の煮干がガツンではなくしっかりきいています。
見た目通りにあっさりしてはいるのですが、その味わいは非常に骨太であると言えます。
事前に情報を仕入れて食べに行ったにも関わらず、こちらの予想の更に斜め上行っている印象です。
麺は加水率低めでややモチモチした食感なのですが、スープの持ち上げも非常に良好です。

で、一見するとスープの味を“侵食”してしまいそうなソーキは予想通りに甘めの味付けで、
スープの味を徐々に変化させて行くところまでは予想通りなのですが、まさかスープの味を
引き立たせる方向に作用するとは思ってもみませんでした。豚肉の脂と甘めの味付けによって
食べ進めるほどに鯛煮干の味わいがより鮮明になって行くことに驚きを禁じ得ません。
ネギは最小限の薬味と彩りといったところでしょうか。でもこれ、九条ネギですよね・・・。

更に卓上には味変用に自家製コーレーグスが用意してありました。後半に少しずつ
入れるようにという注意書きがあったので、それに従って終盤に少量入れてみると、
確かに劇的に味が変化し、ちょっと辛くなるもスープの鯛煮干が更に引き立てられ、
更なる衝撃を受けました。サイドメニューの鴨ロース丼も肉厚でしっとりした食感の
鴨肉が気前良く乗っていて食べ応え十分でした。

全体的には驚きと衝撃に満ち溢れた、超マニアックな一杯だと思いました。