「北の国から」
いいドラマだった。
純や蛍の成長とともに人生の感動を与えてくれたドラマだった。
今でも時々酒を飲みながらDVDを見る。
ドラマを盛り上げる音楽は“さだ まさし”が担当していて
その音色はドラマに魂を与え、盛り上げた。
このドラマに出てくる人々は、決して人生の成功者でもなく、
普通のどこにでもいる家族の物語で、ドラマの一人ひとりの生き様が、
自分に、そして、友達に、家族にダブって郷愁を誘った。
オイラはこのドラマのサウンド・トラックをiphoneに入れていて、時々聴く。
居酒屋で酒を飲みなが聴くと、一人ひとりの酒飲みおやじ達が、ドラマの主人公“黒板五郎”のように哀愁を帯びて見えてくる。
一人ひとりの抱えた家族、苦悩、喜び、希望、絶望、そんなもろもろを肩に背負って、酒を飲む姿がいとおしくなってくる。
酒に酔って出るオヤジ達の言葉が、倉本聡の名台詞のように酒場に漂う。
今では、五郎もすっかりじいさんになっちまって、五郎の親友・中畑和夫役の地井武男も今年6月に、草太兄ちゃんのおやじ役の大滝秀治も先日亡くなった。
その他、亡くなってしまった出演者は、笠智衆、伊丹十三、レオナルド熊、古尾谷雅人、室田日出男、杉浦直樹…など数多い。
純の吉岡秀隆や蛍の中嶋朋子も、もう中年になり、いい役者になったが、この偉大なるドラマの純と蛍というあまりにも強烈な輝きの前に、他の役ではいまひとつ殻を破れない。
純役の吉岡は最後のドラマで恋人役を演じた内田由紀と、ドラマが縁で結婚したが、三年後早くも離婚した。
それも、「北の国から」の人生の悲哀のひとコマなんだろうか…。
偉大なる映画のシリーズ、「男はつらいよ」で寅さんの甥っ子役も長く務めた吉岡。
ふたつの大きな役を終えたその後、それらから脱却して、どういう役者として生きていくんだろう。
ちなみに、吉岡が今は亡き歌手・尾崎豊のマブダチだったことを知る人は少ない。
みなさん、自分の生活の一場面に、この「北の国から」の音楽をBGMに流してみてください。
なんだか、ありふれた、ありきたりの毎日の生活が、きっと、哀愁の有るドラマに生まれ変わり、素晴らしい名台詞が生まれてくるかも…。