★「梅毒」の口腔内症状

(質問)
32歳の男性です。
最近、口の中にできものが出来て、よく見ると表面がただれています。

友人の話では、口にも梅毒の症状が出ると聞いたのですが、詳しく教えてください。



A.
はい。
確かに、口腔内にも症状が出ることがよくあります。
(口腔内は、梅毒の臨床的症状の現れる好発部位と言えます)

「梅毒」は、「梅毒トレポネーマ」と呼ばれる細菌による感染症です。

通常は、性行為によって人から人へ感染します。

一般的には、(第1期)感染後3週間頃、トレポネーマ菌の侵入部位に、「初期硬結」が生じ、やがて中央が潰瘍化し、「硬性下疳」を形成します。

後ほど下の写真をご覧ください。

異常性交はもちろんのこと、接吻だけでも容易に感染し、口唇や口腔内にも生じます。

歯肉や舌も例外ではありません。

(舌にできた乳白色の梅毒性粘膜疹)

トレポネーマ菌は、皮膚や粘膜の微細な傷口から感染し、まず感染局所に限局して特有な病変をつくり、やがて血行性に拡散して全身の臓器を侵すようになります。

この菌の特徴は、温度変化にたいへん弱く、39℃で5時間、4℃で24時間以内に死滅します。
また、湿度の変化、殺菌剤などでも簡単に死滅することが知られています。


梅毒血清反応(血液検査)は、感染後6週間頃より、陽性化します。
(もし血液検査しても、6週間以前では、感染しているかどうか判定できません)

もし、感染していることがわかった場合は、性病科等での治療が必須です。

自然治癒はありません。
「放置していて自然に治ることがない」というのが性病の特徴であり、この梅毒も例外ではありません。

梅毒は放置すると、10~15年ほどかけてゆっくりと進行し、最後は死に至る可能性のある病気です。

治療は、専門の科で、ペニシリン系抗生物質の内服、あるいはベンジルペニシリンの筋注を行います。

心当たりのある方は、放置せずに専門の病院を受診することをお勧めします。

なお、必要な場合は、提携先の病院をご紹介させていただきます。

口腔内検診をご希望の方は、どうぞご来院ください。



イシズミ歯科医院
http://www.ishizumishika.jp/

JR山科駅近くですから、京都市内、大津市、草津市、栗東市、守山市、野洲市、近江八幡市、彦根市、米原市、長浜市、敦賀市、宇治市、向日市、亀岡市、南丹市、長岡京市、八幡市、城陽市、木津川市、奈良市、枚方市、大阪市、吹田市、尼崎市、芦屋市、高槻市、茨木市、寝屋川市、神戸市方面からの通院が便利です。
 




初期硬結





第2期梅毒(感染後12週頃)
手のひらに出来た「扁平丘疹」と呼ばれる症状