これまで利用していたヤフーのテレビ番組表が3月末で廃止になったので、4月1日からはGガイド番組表を見るようになりました。

一度に表示される局の数が多いため、慣れればこちらの方が見やすい感じがします。

 
 
番組表を見ていたら平日15時に「俺たちの旅」の再放送を見つけました。
タイトルと中村雅俊主演ということだけは知っています。
調べたところ1975~1976年にかけて1年間放送されたようです。
 
 
普段、映画やドラマはほとんど見ませんが、この日のサブタイトルに惹かれて録画することにしました。
 
 

 
【あらすじ】
 
中村雅俊と田中健は親友同士で同じ下宿で生活している。
中村と田中はかつて同じ大学を卒業し同じ不動産会社に入社したが、軍隊式の社風に疑問を感じた中村は既に退職しており、今は明治乳業の牛乳工場でアルバイトをしている。
 
 
田中は不動産会社での大声出しや百軒セールス回りなどの軍隊式社風と日々悪戦苦闘しながら勤務を続けているが、人の良さと要領の悪さでなかなか契約が取れず、会社のお荷物扱いになっている。
 
そんな田中を見かねた上司が、自分が温めてきた契約に結び付きそうな顧客を田中に紹介し、戸建て販売の契約を取らそうとするが、これまで行ってきたセールストークの「もうすぐ家の近くに駅やデパートができる」という「もうすぐ」が6、7年先であることを知り、良心の呵責に苛まれるようになったため、その顧客の担当から外されてしまう。
 
 
気楽な性格の中村は、牛乳工場でそれなりに楽しく働いているが、ある日ささいなことで上司と衝突してしまい、突発的に「やめます」と言ってしまう。
 
 
中村はなかなか契約を取れないことに悩む田中に「お前にはあの会社は向いていない」と言いながらも励ますが、「仕事を簡単にやめてしまうお前にはわからない」と反論され衝突する。
 
 
そんなある日、牛乳工場の守衛のおじいさんが買う家を探していると言う話を耳にした中村は、上司に頭を下げ「あの守衛の連絡先を教えて欲しい」と頼むが、「やめるお前には関係のないことだ」とあしらわれ「何でもするので会社に残らせて欲しい」と上司に謝罪する。
 
田中は中村から紹介してもらった守衛の家を訪ねる途中で、車にひかれそうになる男の子を目撃する。
「親の教育が悪い」と言って謝らない車のドライバーと口論になるが、そこに現れた男の子のおばあさんに止められる。
おばあさんは、守衛の奥さんであった。
 
「子、孫と三世代で住む家を探していたがようやく頭金が貯まった。ローン返済にまだまだこれからも働く。」という守衛夫婦に対し、田中は感情を捨てて「駅がもうすぐできます」とセールストークを行い、戸建て販売の契約を取り付ける。
不動産会社ではよくやったと上司や同僚から賛辞を受けるが、老夫婦を騙して契約をとった田中の心は晴れない。
 
田中は意を決して老夫婦のもとに向かい、「もうすぐ駅ができると言ったが、まだまだ先の話です」と白状する。
しかし老夫婦はその土地について十分な調査を既に行っており、そのことについては承知のうえで「あなたのような人から買いたい」と住宅を契約をしてくれていた。
 
 
 
そして最後にこの画面が出ます。

 

 

ハッピーエンドで良かったではなく、辞めるきっかけを失った田中は今後この会社でうまくやっていけるのだろうか、今やめて自分に合う仕事を見つけた方がいいのでは、という疑問は残ります。

 

しかしそれを差し引いても、途中から田中健に感情移入して心が締め付けられました。

半世紀前の作品のためドラマの作りとしては古さを感じますが、今日でも共感する普遍的なテーマを扱った寓話的なドラマでした。

続けて見ようとは思いませんでしたが、良い作品でした。

また、老夫婦は加藤嘉と赤木春江、下宿の大家は名古屋章で、懐かしい俳優を見ることができました。

 

 

そういえば明治乳業は現在明治ホールディングスになってますが、ずっと塩漬けで一単位持っていることに気づきました。

年一回の菓子詰め合わせをもらいながら、これからも長い付き合いになりそうです。