地獄めぐりを終えた後はバスで泥風呂に向かいました。

 

 

泥風呂があるのは紺屋地獄という地獄で、施設名称は「別府温泉保養ランド」です。

 

 

 

「紺屋地獄」バス停を降りてすぐの場所にあります。

推定で昭和40年代ごろの竣工でしょうか。

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玄関でサンダルに履き替え入館します。

 

 

フロントもレトロです。

呼ぶと奥からスタッフが出てきてくれて1500円を現金で支払いました。

クレジットカード、QRコード決済などは使えず、現金のみです。

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渡り廊下を奥へ進みます。

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ここが浴場のある建物です。

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サンダルを脱いで入館。

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畳敷きのレトロなスタイルの休憩所です。

ここには自分以外の客はいませんでした。

売店では飲み物などを販売しています。

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コインロッカーはいまどき珍しいコインが戻らないシステム。

100円を入れて荷物一式を預けます。

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ドライヤー、マッサージも有料のコイン式。

床に座っての化粧台は温浴施設で初めて見た気がします。

歌舞伎の楽屋か!

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木枠窓に模様ガラス。

昭和40年代に模様ガラスは流行していましたが、もうアルミサッシが主流だったと思います。

自分の実家もそうでした。

木枠である理由は、地獄付近は温泉の湯気による腐食のため金属枠が使えないのだと思います。

建物玄関付近の窓枠は地獄から離れているためサッシでした。

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ここから先は撮影不可のため、公式サイトの画像を拝借しながらの記述になります。

 

 

脱衣場には脱衣を置く棚があるだけで、扉や鍵はありません。

先ほど荷物をコインロッカーに預けておいてよかったです。 

 

 

脱衣場の扉を開けると「コロイド湯」という浴場があります。

地獄めぐりでも見た青白い温泉です。

 

 

洗い場に蛇口はありますが、シャワーはありません。

また、この保養ランドは石けんやシャンプーを使うことは禁止です。

この施設は体を綺麗にする浴場の意味合いは薄く、湯治に特化した施設のようです。

 

 

体を洗って次の部屋に進むと、泥風呂がありました。

実際はこの棒の向きが右側の石通路と平行に設置されていました。

 

 

このように棒につかまって10~15分浸かるのを1日3回を上限として行うのが本来の入浴法とのことです。

成分が強いので、入りすぎると湯あたりの恐れがあるらしいです。

 

 

屋内の泥風呂はスルーして先に露天風呂に向かいました。

後で気づいたのですが、露天風呂は混浴でした。

 

 

この手すりのようなものが男女の区切りで、手前が男湯、手すりの奥が女湯です。

最初混浴と気づかずに入っていたら、手すりの向こうにシャワーキャップを付けた人が数人来て混浴と気づきました。

湯の高さは腰程度までなので、体をかがめて移動すればお互いに首から下は見えません。

 

 

画像右から来て左に行くほど源泉に近くなり、熱くなります。

真の源泉付近は手すりがあって近くまではいけませんが、そこに行くまでに我慢できないくらい熱くなるので近寄ることもできません。

源泉近くは泥が湧くので質の良いきめ細かい泥がありますが、皆同じことを考えるので泥が使い果たされて薄い気がしました。

大量に泥がある源泉から遠い場所は古くから堆積したの泥のため、量は多いですが小石、砂、木や枯葉が腐ったものや人毛などの不純物が多く混じっています。

清掃もできない環境なのでこれはしかたありません。

 

 

屋内の泥湯にも噴出孔があり、そちらのほうが泥の質が良かったです。

きめ細かい上質の泥だとこんな感じです。

 

公式にも画像がありませんが、蒸し風呂と露天打たせ湯がありました。

蒸し風呂は離れたところに小屋があるのですが、腐食するため電気が引けないので照明がありません。

上部に少しだけ明り取りの小窓がありますが、視界が確保できないほど暗く、蒸気で視界がありません。

ベンチがどこにあるかすらわからず手探りで座りました。

しかしこの蒸し風呂が心地よく、いわば天然のサウナなのですが、硫黄の匂いの蒸気の奥にハッカのような天然成分が感じられ、鼻が通る感じがありました。

 

 

泥風呂が1回10~15分というのは自然にそうなりますが、結局回数は蒸し風呂と交互に数えきれないほど入りました。

屋内でも泥湯の底は小石がたくさんあり、少し足の裏を切りました。

 

(以下、公式サイトより抜粋)

 

適応性:

リュウマチ・水虫・一般的な皮膚病・神経痛・糖尿病・アトピー・慢性婦人疾患・貧血症・自律神経失調症・不妊症・喘息・甲状腺・慢性胃腸病 等

 

 

紺屋鉱泥は、最上の泥が必要とする適度な噴気と腐植粘土層と地下水との三拍子そろう恵まれた条件のもとに産出されています。

 第一に、適量の腐植粘土【humus:mold】に残留する物質であるフミン【humin】は入浴中に体の表面から出るミネラルイオン、毒性物質等と結び付いて、無害にするなどの作用があります。
 第二に、紺屋地獄の噴気は硫黄が主成分であり適度な硫黄化水素ガス【H2S】を含む硫黄化水素型の硫黄泉です。硫黄化水素ガスは末梢神経を拡張する作用が強いので、血管の動きをコントロールしている【自律神経:交感神経と副交感神経】の副交感神経の方の働きを高める効果があるので血管を弛緩させます。
 第一、第二から『放射線障害』『甲状腺機能亢進症:バセドウ病』等『放射線障害』『高血圧』『動脈硬化症』そして血行不良により出来る血栓【心筋梗塞・脳梗塞等の原因】に効果があります。他に重金属解毒作用【水俣病等】や催眠作用もあります。
硫黄水素泉は他にもありますが、紺屋地獄の硫黄水素ガスと腐植土に残留する物質【フミン】を含む紺屋鉱泥等とあいまって世界に類を見ない効果を生み出します。
さらに紺屋泥浴は、血管を拡張し血圧を下げ血糖を抑えるので、生命維持に重要なホルモンである【副腎皮質ホルモン】を賦活します。『副腎皮質ホルモン剤:ステロイド系』の薬剤は、よく効くけれど副作用があり止めるのも中々難しいものですが、泥浴をしながら漸減していくと上手くいきます。
そのことにより医療費削減のメリットもあります。

 

 

結局浴場には3時間弱ほどいましたが、バスの時間があるので17時前に上がりました。

着衣していると若いグループが「ここは温泉の価値観が変わる。」と言っていましたが、同感です。

 

浴場内の説明に記載がありましたが、ここは「地獄に直接入ることができる非常に珍しい場所」です。

言われてみると、他の温泉は源泉かけ流しと言っても湯を源泉から浴槽まで引いていますが、泥湯は噴出孔近くに直接入るしかありません。

初めての体験で、来て良かったです。

 

肌に泥を刷り込むことを繰り返し、カサカサかすべすべかわからない状態になりました。

着衣後、休憩場に戻り畳の上を歩くと、足の裏がすべすべになったのが実感できました。

 

 

再びフロント前に戻ってきました。

入館時に気になっていた瓶コーラの自販機。

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瓶が見えないので使われていないのかと窓を覗いていたら、スタッフさんが「商品はコインを入れると出てくる」と教えてくれました。

なるほど、説明が大きく張り出してあるとおりです。

昔の瓶自販機はこの状態で窓から商品が見えており、コインを入れて1本引き抜くスタイルでした。

昔の基準ならこの見た目は「品切れ」を意味します。

この自販機を現役時代に使用していた人ならではの勘違いが多いのでこの貼り紙が必要なのでしょう。

 

 

スプライトやファンタはなく、コカ・コーラとカナダドライのみのラインナップで、価格は150円。

PETや勘に比べて割高に感じますが、瓶回収やリサイクルコストを考えると妥当だと思います。

小学生の頃は60円で、一番古い記憶では中身50円の時代の記憶があります。

中身というのは60円で買って瓶を返却すると10円が戻ってくるシステムでした。

 

 

今、瓶自販機を置いているわずかな施設は、こういった瓶の飲用をエンタメとして楽しんでくれる施設だと思います。

最後に見かけた記憶ではボーリング場でした。

 

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瓶を栓抜きに突っ込んで”こじる”。

このアクションも久しぶりです。

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久しぶりに飲む瓶コーラは美味しかったです。

バスの時間が迫っていたので、急いで一気飲みして退出しました。

 

 

玄関に紹介文が掲示してありましたが、読む時間がなく撮影のみ。

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雨が降っていましたが、バス停まですぐなので移動は楽でした。

 

 

別府駅まで戻る途中、土産物の下見をしたかったので北浜バスセンター前で途中下車し、徒歩10分の「ゆめタウン」に向かいました。

 

 

 

当初9000円だった旅得クーポンですが、食事代に使うことがほぼないため、翌日買う土産代を考慮しても消費がすすんでいません。

昨年の北海道旅行の時もそうでしたが、冬用衣料を買う事にしました。

ヒートインナーが欲しかったので長袖シャツとアウターのパンツを買いました。

冬物セールをやっており、レジ袋代込みで3261円とお得に買えました。

アプリ式のクーポンは1円単位で使えるので便利です。

 

今考えると、北海道の冬用インナー売り場はとても充実していました。

スポーツ店に行かないと売っていないような本格的なものが、イオンの平場で売られていた記憶があります。

 

 

 

ホテルに帰った後はすぐに食事へ。

先ほど温泉に入ったのでホテルの入浴は不要です。

 

 

3日目ともなると、とんかつ、サーモンなど郷土色は薄目。

地獄蒸しは豚肉でした。

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ホテルに帰り、翌日の計画を練りつつ寝落ちしました。