先日、面白そうな番組はないかと新聞のTV欄を漫然と眺めていたら、5/2_NHK教育テレビ「スイッチインタビュー」に数学者・山下真由子の名前を見つけた。
(1)以前のZoom講義
2023年の某Zoom講義でこの人の話を聞く機会に恵まれたのだが、何を喋っているんだかさっぱり分からなかった。ただ、黒板の前で落ち着きなく左右に動き回っていた個性的な姿が印象に残っている。
Zoom越しに見た姿はどうみても20~30代だったが、京都大学・数理解析研究所の特任準教授って肩書のアンバランスさに驚かされた。桁違いの実力者なのだろう。
<2023年の某Zoom画像> ※捜索中
代数トポロジーって言葉からして初めてだった。代数は代数、トポロジーは幾何じゃないのか。不変量はオイラー数くらいなら分かっても、ホモロジーやコホモロジーと云われると頭が勝手にフリーズしてしまうし、Bott周期性ってノートを見返しても全くチンプンカンプンで異次元トークだった。
(2)パウリのスピン行列
パウリ行列の存在を初めて知ったのはこの講義だった。シンプルな3組の2×2複素行列ながら、物理嫌いの私にはピンとこない。2024年もあるテキストにおいてスピン行列が登場してきた。頭の中で動きを可視化できないためモヤモヤしているが、面白そうな存在だ。テキストに書かれていた性質がホントなのか確かめてみたので、その時のメモをサクッと載せておこう。あくまで備忘メモ扱い。
・行列σi、σj、σkはいずれもトレース(Tr)=0のエルミート行列
・(σx)はいずれも二乗すると単位行列Iになる
・σi×σj=i×σk
・乗法について非可換で、σi×σj―σj×σi=(2i)×σk
※添字のiと複素数のiが紛らわしいので注意。x=i,j,k。行列要素の紹介はここでは割愛するが、この3行列で群を形成しているものではない。
(3)NHK「スイッチインタビュー」
数学者・山下真由子がどんなキャラなのか気になって、テレビを見てみた。
<教育テレビより>
中学生の頃に「脳細胞がどんどん減っていくから今のうちに勉強しなきゃ」と思って高校数学をマスターしたとか。凡人ではとても語れない言葉だ。大学時代にも同級生の顔と名前が殆ど一致してなかったと、周囲への関心のなさを露わにしていた。
東大3年から飛び級で大学院に進学するとか博士課程の途中で京大に招かれたとか天才なのだと知る。23才で京大助教になれるって異次元のスピードで、こういう人がフィールズ賞を取るんだろうか。TV画面で自分が研究していることを分かりやすく話すのは原理的に無理と言い出す。それが真理なのは分かるけど、あからさまに尖った発言を早口で繰り出していた。対談番組なのにほぼ相手の顔を見ないで話し続けるのも個性だな。