(1)TBSのドラマ宣伝番組
阿部寛はこれまでに「新参者」、「下町ロケット」、「VIVANT」などTBSドラマに多数出演している。で、2~3時間枠の番宣番組で「阿部ならべ」なるゲームに笑ってしまった。
<笑ってしまった「阿部ならべ」>
(2)ドラマの感想
●TBS「キャスター」
その阿部寛が主演。イイ感じだけど、第1,2話はかなりワガママな主人公でストーリー展開が速すぎた。こんなスクープを毎週狙っていたら報道番組を続けられないな。
第3話はストーリーがシュッとしていて素直に見られた。かつてスタップ細胞騒動があったけど、あの内幕もこんな所だったのかも。番組スタッフの中に阿部寛サイドに付く人物が出てきたのでワガママな印象が薄らいできた。ゲスト出演した「じぇじぇじぇ」の能年玲奈は2013年の朝ドラ当時の印象のまま。あれが演技なのか素なのか分からないけど好印象。
●TBS「対岸の家事」
今クールは視聴者層を上げてくれたので、火曜10時枠を久々に見られる。
初回は多部未華子と江口のり子の2人でドラマの明るい雰囲気を上手く作り出していた。多部未華子はフジ「鹿男あおによし」で「シカに乗って登校してきた」と無表情で喋っていた印象でずっと固まっていた。TBS「マイファミリー」でもその印象を引きずって見ていたので犯人なのかと疑ってしまった。だからこそ、このドラマで柔らかい表情なのがいい。江口のり子は疲れた役そのまんま。Dフジオカもかなり極端な役どころ。
登場人物が少なくて低予算な印象だけど、いいドラマ。肩代わり制度じゃなくて「肩を貸す」や海の上に振る雨など言葉も柔らかいのがいい。
江口のり子が抱える現在形のトラブルは夫婦ゲンカできているし、いずれは解決されるだろうトラブル。それに対して、主人公とDフジオカが子供の頃から背負ってきた闇は重くのしかかってくる。しかも主人公のそれは忘れようとしてきた澱だったのに、Dフジオカによって搔きまわされている形だ。現在の姿は多かれ少なかれ過去の集積でできている。それは逃れようもなく、肯定するしかない。単なるコメディ路線と思っていたら、4/29放送から深くなってきた。
<TBSサイトより>
●TBS「イグナイト」
エゲツナイけど分かりやすい設定。金10枠としては軽い。
●NHK「あんぱん」
前作は最初からパスしたけど、今期は明るい今田美桜が主役でキャストもかなり豪華。阿部サダヲなどTBS「不適切」の親子が登場するのでちゃんと見ている。
「はちきん」、「~やき」、「~ちゅうき」、「~ゆう」、「ほいたら」等々かつてNHK「龍馬伝」で耳慣れた土佐弁が戻ってきたようで懐かしい。
朝ドラらしく女学校に入ってからヤケに厳しい。「ボウフラより弱い」って立派なパワハラ。
●NHK「べらぼう」
蔦重に対する感想は思いつかないので、周辺人物について。
啖呵を切る切ない瀬川(小芝風花)は良かった。彼女のラストはTBS「JIN―仁―」で野風(中谷美紀)が去る場面と同じだった。辛くてもああして去るしかないんだろう。2作品の脚本を書いた森下佳子も他に選択肢はなかっただろうな。
座頭金とか弱きめしいを保護するって江戸時代の暮らし向きを知らなかったので、田沼の高利貸し検校に対するストーリーは意表を突いたものでありあざとい。ただ、NHK「どうする家康」で築山殿が従来像と違って描かれていたのに対して、平賀源内の死に当たっても田沼はやっぱり悪役に見えてしまうな。
江戸の自由人、源内はヒゲ面をした粋な山師だった。その源内の死とほぼ同じタイミングで山口崇が亡くなった。TBS「大岡越前」に出演していたさわやかな印象の俳優。この人の源内を見た記憶はないけどその役を演じていたことは知っていたので、運命の綾を感じた。
●日テレ「なんで私が神説教」
テンポが悪い。主人公にモノローグやらせるのはどうなんだか。パス。
●フジ「Drアシュラ」
医療系は好き。渡部篤郎や荒川良々などクセのある役者がどう動くのか様子見。それにしても救急医療の現場でオペするにしては照明が暗いのは何故だろう?
ドラマの雰囲気と合わないけど「(電話がかかって)くる!」って科白がNHK「ちゅらさん」のお決まりのシーンを想い出して懐かしい。
●フジ「波うららかに、めおと日和」
これって少女コミックが原作なのか。ピュア過ぎるので、2時間ドラマで完結させてイイ感じ。連ドラとして引っ張るにはキツイかも。
(3)ドラマのフジテレビ
フジテレビの第三者委員会の調査結果は救いようがないものだった。これでは名プロデューサー大多亮も関西テレビ社長を辞めるしかない。同局のトーク番組でのコメント(番組名も発言者も忘れた)も悲しいものだった。フジの社風を表しているものなんだろうか。
「フジはタレントがなんとかしてくれる番組が多い。日テレと違います」
とにかくいいドラマを作って欲しい! 90年代のフジの名作を挙げてみると……
恋愛もの「ロンバケ」「素顔のままで」
友情もの「29才のクリスマス」「君といた夏」
家族もの「ひとつ屋根の下」
お仕事もの「ナースのお仕事」「踊る大捜査線」「きらきらひかる」「カバチタレ」
コメディ「お金がない」
分類不能「ギフト」
こう挙げていくと特定の俳優、特定のプロデューサー(山口雅俊P、亀山千広P)の作品に偏っているかも。

