(1)TBS「不適切にもほどがある!」

【第6話】

第5話で阿部サダヲが自分とじゅんこの運命を知ってしまったため、80年代のテンション100%だったキャラがややトーンダウンした回だった。

それでも破天荒なストーリーは健在で、「マイナスに考えるよりこうして孫に会えたのが幸せなんだヨ」と切替えて、じゅんこを連れてまたまた2024年に戻ってくる。古田新太(将来のダンナ)や仲里依紗(将来の娘)とご対面するシーンも完璧に崩れていて面白い。じゅんこの未来を知っている仲里依紗がじゅんこに「服を買いに行こう」って誘うシーンも、あまりに破天荒な親孝行な申し出だった。TV収録中にじゅんこが臭い汚いオヤジのために啖呵を切るシーンも良かった。

今回は池田成志や松村雄基、それと「金妻」の映像を引っ張り出して、80年代のTBSコンテンツで昔話を盛り上げて、往時のモードを高めてきた。確かに昔話に熱くなるのって戻りたいけど戻れない、遠い憧憬なんだよな。仲里依紗の役名=渚も「渚のハイカラ人形」にあやかったものだったのか。クドカンでNHK「あまちゃん」と同様にキョンキョン好きをアピールしてくるな。

ここまで来ると山下慎司や三原じゅん子本人もゲスト出演してくる予感あり。

 

<TBSサイトより> ※再掲

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【第7話】

今週も江面賢太郎(池田成志)をストーリーに絡めてきた。彼は誰のオマージュなんだか分からない。たた、テレビ局EBSはエロBSじゃないくてエモBSだったのかも。

シナリオの伏線回収は視聴者が勝手に製作サイドを上から批評しているものであって、脚本家が過度に気にしなくて構わないもの。民放の連ドラは年4クール・10回連続放送でワンパターン化している。そんな周囲に縛られなくても「ギリギリ手前までとっちらかっていて良い。いつまで続くか分からないから面白い」ってはみ出したい想いは分かる。TBS「俺の家の話」は主人公(長瀬智也)不在の極端な最終回だったし、クドカン自身の主張だったのだろう。

ここ2週ほど将来を知ってしまった阿部サダヲの周辺はテンションがややダウン。来週はムッチ先輩が21世紀を盛り上げてくれると期待。「金妻」っぽい予告場面が映ったけど、もしかしてルッキズムよりドラゴンズの板東英二がゲスト出演するのか。

 

(2)連ドラあれこれ

●TBS「さよならマエストロ」

(感想省略)

 

●NHK「舟を編む」

【第3話】

人の性格はなかなか自分では変えられないものだけど、確かに偉人の業績は生きている間に広がっていく。それでは辞書に規定しづらいので「変わる」のは厄介だな。

水木しげるにまつわる回で、NHK「ゲゲゲの女房」で本人役を演じていた向井理を引っ張ってきたのは良かった。スマホ時代に時代遅れの感はあるけど「辞書は(興味ある言葉への)入口」って科白も本質を捉えていた。ミムラも落ち着いた笑顔もいい。

余談ながら、サラリーマン時代に通勤電車で日経新聞を読んでいた頃、最終面の「私の履歴書」をちょこちょこ読んでいた。秀逸なのは水木しげるとニトリの創業者の2人だった。戦争体験を語る人は少なくなかったが、中でも水木しげるの回はドキドキしながら読んで記憶に残っている。片腕を失った話、ラバウル島だったかニューギニア諸島で部隊殲滅の危機を潜り抜けて土着民に惜しまれつつ帰国した話は衝撃的だった。

 

【第4話】

図版検討会議をマジメさんがマジメに開いているのに笑えた。

悪い意味での「拘り」がないフラットな姿勢はもちろん大事。でも誰だって無味乾燥な生き方を続けているわけじゃない。その人の成果物には必ずその人の個性とかオリジナリティが含まれているもの。亡くなった図版作者の思いを赤ちゃんの図柄から偲ぶことができた。NHKらしくて良かった。

 

●NHK「光る君へ」

スローな展開はちょっと辛い。

独学固陋って初めて知った。和歌と漢詩の往復書簡、こんなに婉曲なやり取りで気持ちが通じ合うんだろうか。

 

●NHK「ブギウギ」

(感想省略)

 

●NHK「正直不動産2」

「(営業成績が)2位に落ちたら妻と子供が出てこない」と嘆く神木(Dフジオカ)の過去エピソードを知ると、あの不気味だったタップダンスに肯首するしかないな。

「一生幸せでいたいなら正直であれ」ってNHKらしくていい。不動産の豆知識もドラマ形式だとスンナリ入ってきた。

 

(3)単発ドラマ

●日テレ「テレビ報道記者」

女性記者4代記。芳根京子が「数字の中にある声を届けたい」とガンバって自分の企画をやれたのは良かった。けど、あっけらかん世代なのもホント。彼女に「星屑を集めてストーリー作って」とアドバイスして、自身としても辛酸なめて苦労してきたのはその上(江口のり子)やもっと上(木村佳乃)の世代。そちらに焦点を合わせた方が良かったかも。


(4)最終回まで見たけど……

●日テレ「となりのナースエイド」

日テレって前クールで原作者とのトラブルがあったみたいだけど、この作品も大丈夫なのか。1冊読んだ限りでは知念実希人ってかなりまっとうな医師だと感じたけど、ドラマは崩壊している。この作品で自分の名誉を優先した医師、主人公に黙って接してきた天才外科医とかおよそその心情を理解できなかった。

最終回も収拾がついていない。麻酔医も看護師も不在であり得ない手術をおっ始めたり、後味が悪いラストシーンを見せたり意図不明。

 

●TV10「グレイトギフト」

惰性で見たけど総じて不愉快。どういうつもりで医療関係者による連続殺人ドラマを作ったのか理解不能。