(1)ウェールズvsアルゼンチン戦

夜中のTV中継を見るのは辛い。目が覚めたら後半66分だった。すぐにアルゼンチンがモールからトライ(+CG)して17-19と逆転。76分にもニコラス・サンチェスが相手のパスを読んでボールを獲得してゴールラインまで走り込んで17-26と差を広げる。

それまでの66分は接戦だっただろうけど、アルゼンチンの雄姿だけが寝ぼけ眼に焼き付いた。

 

(2)アイルランドvsニュージーランド戦

世界ランキング1位のアイルランドに対してニュージーランド(以下NZ)は直近で分が悪い。もしかして彼らの雄姿を見られるのはこれで最後かも知れないと思い、深夜3:45から真剣にTV観戦。

 

<SHアーロン・スミス、オールブラックス>

 

 

ラグビーの試合はキックで陣取り合戦するシーンが目立つが、キックだとその後もマイボールを継続できる保証はない。相手ボールになる可能性が高い。ネチッコイ攻撃を繰り返すとそのうちどちらかがミスしてスクラムになる。

 

ただ、この試合ではお互いがキックも反則もしないでジリジリと前身して攻撃を続ける展開が良かった。前半5~6分にかけてNZがフェーズ26までじっくりボールを継続して前進した。アイルランドも後半78~82分にかけてフェーズ37まで粘った。24-28と僅か4点差なので、1トライ挙げれば劇的な逆転に繋がる。だから意地でも切りたくなかったのだろう。

 

互いにそのそれらの場面ではトライに結びつかなかった。でもキックに頼らず少しずつ前進するラグビーが地味に良かった。どちらにも突破するチャンスはあった筈で互いにそれを許さないギリギリのディフェンスを続けていた。

 

NZの初トライは前半18分。Bバレットがキックして自身で走って掴む。そこで生まれた守備の乱れに応じて左スミにトライ。対するアイルランドも26分に巨漢NZ人のCTBアキが突破した。

 

<SOモウンガがSHの代役>

 

NZは前半後半それぞれにシンビンで10分退場。特に前半36分にはインターセプトを試みたのかアーロン・スミスの手がデリバレイティッド・ノッコンと判定されて退場。あれでシンビンは重いのでは? SHをSOリッチー・モウンガが務めた。

 

後半52分にはSOリッチー・モウンガが突破してWTBウィル・ジョーダンにパスして右スミにトライ。逆に63分には、NZ選手の反則でペナルティ・トライ献上とシンビンで手痛いダメージ。

 

<SOモウンガからWTBウィル・ジョーダンに繋ぐ、トライ直後>

 

 

終わってみると、アイルランドの方がグラウンドを広く使っており、タテの突進力もなんだか印象に残っている。NZの守備時間が長かったのか。NZは試合開始早々アーロン・スミスの球出しパスがワンバウンドになったり、タッチキックでミスがあったり不安定な滑り出しだったためかも知れない。

 

それでもNZが終盤のフェーズ37まで続く波状攻撃を凌いで準決勝にコマを進めた。そう、またNZの試合が見られるのだ。

 

(3)イングランドvsフィジー戦

2晩続きの生中継は流石に無理だった。NHKプラスで全80分を視聴した。

 

この試合も接戦だった。両チームとも力が入っていたのは、タックルシーンに表れていた。前半30分にフィジー選手が2人掛かりで相手選手を持ち上げた。そこまでは偶にあるシーンだけど、更に数歩前進して押し倒す。イングランドCTB選手の最初のトライも、タックルされてすぐにゴールラインを割れず。すかさず体勢を入れ替えて手を伸ばしてトライ。あの動きも素早かった。

 

珍しいシーンもあった。前半18分、イングランド選手がノーバインドタックルでペナルティを取られた。キチンと相手を固定していない危険なタックルで反則。でもこれってあまり意識した事がない。後半80分過ぎにファレルがデリバレイティッド(deliberated)ノッコンで反則を取られた。今大会、この聞き慣れない反則を目撃したのはこれで3回目。これってインターセプトと紙一重なのか。だとすると危険。

 

後半、フィジー選手が股下からパスしたシーンもトリッキーでいい。ただ、2~3人飛ばして大外のWTBにパスしても守備が固いので突破できなかった。思い切ったヨコ展開の成否は守備の陣形次第だ。

 

後半60分頃に両チームが密集でエキサイト。そこでスイッチが入ったのか24-10からフィジーが2トライ2ゴールを獲って、24-24の同点に追いついた。

 

逆転できるかとアンチ英国のフランス人観客の熱気も高まったけど、SOファレルがDGを決めて27-24。こういうタイミングのDGは効果があり、フィジーは80分過ぎてもパスを繋いでいったけど防御を突破できなかった。

 

この試合もアイルランドvsニュージーランドの試合も大会直前の対戦結果と逆になった。実力が拮抗しているからこそ見ていて面白かった。