先週のNHK「ブラタモリ」が面白かった。テーマは木曽三川。
私はコロナ禍のここ3年で御在所岳や倶留尊岳など三重や奈良のヤマを登るのに名古屋~桑名間を何度か往復した。その度に濃尾平野の大河の連続に驚いて、今年2月に七里の渡しの宿場町である桑名に行ってみた。
<桑名宿から見た揖斐川> ※再掲
※参考:桑名のブログ
名古屋から桑名にかけて、名古屋>木曽川>長良川>揖斐川と微妙な標高差があったのだ。度重なる洪水で苦しめられて、治水に駆り出された薩摩藩士の墓があったのはまさに桑名の街中と同じだった。明暦の治水だったかな。
その西側に養老山地があって、その濃尾傾動運動によって河川エリアが沈下したのだとか。なかなかダイナミックな地球の変動だった。
実は養老山地って名前をつい先日、あるサイトで長沼伸一郎の関ヶ原に関わる文章を読んで知ったばかりだった。物理学者が語る西軍にとっての関ヶ原考察。これはなかなか面白かった。ちょっとだけ引用しておく。その中にこんな文章があったのだ。
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敦賀湾と、琵琶湖と、南の伊勢湾と、……(中略)……よく見ると、ここ(南側の地峡部)は鈴鹿山脈と養老山地があって、大軍が通れる道路は海岸沿いの両方しかないんですよ。
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※出典
http://pathfind.motion.ne.jp/sekigahara.htm
確かに、若狭湾と伊勢湾を結ぶラインは本州で最も狭いルートだ。その間にある伊吹山(2022年登頂)は若狭湾からの距離を考えたら雪国の山と言えなくもないし、積雪最高記録を誇っているのもそれなりに納得できるものなのだ。
引用文に戻ると、鈴鹿山地は有名だけど養老山地の存在は知らなかったな。ネット検索すると養老山や三方山など標高1000m前後の山塊になっており登山ルートも整備されているようだ。あの辺りだと滋賀県の綿向山も気になっているけど、また行きたいヤマが1つ増えてしまったな。
実はこの日のNHK「ブラタモリ」で、他にも気になった存在がある。1つが輪中だ。タモリがそこに出掛けているではないか。そこで排水のための河川、門樋、堀田など輪中で米作りをしながら暮らしていくための知恵に触れたり、千代保稲荷をお参りしたり。タモリってホントに羨ましい仕事をしているな。
それと、輪中の川沿いに珍しい河畔砂丘が形成される映像も出てきた。そもそも河畔砂丘なる言葉を初めて知った。そうか、海津市に行けばいいのか。
関東でも利根川沿いの埼玉県に志多見砂丘があるとか。海がないのに埼玉県に砂丘があるとは驚きだ。これは砂丘・砂漠好きとしては見逃せない。
※参考:砂丘ブログ
日本三大砂丘を凌ぐ青森の猿ヶ森砂丘にも行きたいのだけど、如何せん下北半島の突端なのであまりにも遠く、交通の便も悪い。とりあえず埼玉県の方がラクそうだな。下界の旅は暑いので、輪中も埼玉の志多見砂丘も涼しくなったら出掛けてみよう。
※2年経って、冒頭の写真について補足
川に沿ってポコポコと丸いモノが尖端についている物体が何だか分かった。先日、中日新聞を見ていて、ようやくそれが長良川河口堰だと知った。しかも可動堰。どうやら農業関係者としては塩害対策として堰は必要、漁業関係者としては汽水湖であることを保つと漁場として豊かになるのだとか。川はたおやかな存在ながら、流域住民が利活用するとなるとなかなかに難しい。
<中日新聞より>
Google Mapで位置を確かめておこう。
<桑名市から順に揖斐川、長良川、木曽川>
<拡大すると中洲の東側だけ細く長良川河口堰が描かれている>
【20205.7.10追記】長良川河口堰について文末に加筆しました。





