このニュースを見て思った事を簡単に書き留めておく。
書いてみると、乗客にとってやや辛口かも。
(1)川下りの映像
京都旅はなかなか縁遠いし、保津川下りの経験もない。でも、秩父の長瀞下りの舟は何度か乗った事がある。それと同じくらいかやや急流の川だと思った。
船頭さんが亡くなったのは痛ましい事。それはそうだけど、乗客に被害が出なかったのは不幸中の幸い。それは川底まで70cmくらいで十分に足が付くエリアだった事、切り立った渓谷ではなく陸に上がれるような板敷エリアがあった事がベースにあったと思う。
類似の写真がスマホにないので、参考までにネパール・チトワン国立公園で乗った丸太をくり抜いたような舟の写真を添付。タテ1列で7人くらい乗った記憶あり。
<ネパール・チトワンのボート> ※2011年
(2)組合の会見
正直なところ、エンジンが付いていない、全て人による操船で、あれだけ波があるのだから稀に川下りの舟が転覆するのはあり得る事でしょ。
会見に立った組合の責任者の方のコメントを聞いていると、あそこまで組合の方が謝らなければならないものかと疑問に思った。マスコミはさも組合側に過失があるかのように質問してくる。無線を積んでいなったとか、何年か訓練をしていなかったとかあるようだけど、そこまで逃げ場のないように追い詰める必要があるんだろうか。
余計な追及ばかり続けていると、誰もこうした観光業に関わる人がいなくなってしまう。昔は筏師って職もあったようだけど、常に120%の安心安全を担保していたらノーリスクだけど乾いてしまう。
ライフジャケットの事を聞いていなかったとか言い出す客にもビックリ。あれは完璧にワガママだな。転覆の可能性は僅かであっても考えておくべき。ライフジャケットを座布団かわりに尻に敷いておくのでは咄嗟に使えないって、昨年の知床遊覧船の事故で十分に分かっていたんじゃないのかな。
水に浮かんでいればスマホやデジカメが濡れるリスクがあるのも当然。心配ならあらかじめ陸に置いていくべき。どうしても携帯したいなら、カヤックだとウォーター・プルーフ・バックに入れておくとか。私も旅の荷物をどーしても全部カヤックに積まざるを得なかった時には、パスポートや日記帳が濡れないか心配だったな。
もう1つ私の水難事故を挙げておく。もう10年くらい前、長野県の某雪山で凍っていると信じていた湖面がヤケに湿っぽくてズボッと落ちた。這い上がって2~3歩してもう一度ズボッ。ズボンのポケットに入れておいた会社支給の携帯電話は動かなくなってしまったし、ペンションのマスターには「凍っていないって言ったじゃないですか!」と叱られたけど、前年の成功体験しか記憶になかった。
(3)個人的な体験から得た教訓
水深2mの川で2人乗りカナディアン・カヌーが転覆して30~40分も流された経験を、以前にもブログに書いた。詳細はリンクに譲るとして、エッセンスのみ以下に抜粋した。
【基本編】
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観光船で海や川に転落したらどう対処すると良いのか。観光業者の責務はその通りだけど、観光客も個々人で考えておく事はある。一般的に言われているのは2点だ。
・海: 仰向けに浮かんで、なるべく無駄に体力を使わない
・川: 障害物にぶつかる可能性があるので、前向きに流されていく
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【応用編】
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【a】まずライフジャケットの紐をキツク締め直そう!
【b】靴がもげないようにしっかり履いておこう!
【c】溺れないように!
【d】生きのびる意思を捨てない!
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【ショック後に腎機能を確認】
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腎クリアランスはeGFR(糸球体濾過量)で確認できるけど、これまでずっと60~80で安定しており気に留めた事もなかった。それが、なんと37にダウンしていた。クレアチニンも1.58と初めて異常値になってしまった。焦る。……(中略)……カヌー転覆から既に2年半ほど経過した。でも、eGFRの値が元通りには戻らないのだ。何度か血液検査を受けた後で、医師から「すぐに戻る、ゆっくり戻っていく、戻らない、そのいずれかだ」と言われた。
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<eGFR推移> ※最新の2023.2検査結果を追加。
※出典:ニュージーランドでカヌー転覆した拙文。旅行記とあとがきの2本。
【2023.12.14修正】一部文章を更新しました。