今日と明日は20年前、40年前の名作ドラマの感想を書いてみる。まずは2003年の作品。
TVerで見つけて旧作「Drコトー診療所」を見ている。第1シリーズと2004年のスペシャルを見た。泣きたい日を選んで映画館に行きたいな。
<ネット画像より>
第1話で、時任三郎の漁船の上で闇夜にライトの明かりを頼り、Drコトー(吉岡秀隆)がタケヒロのオペを始めた。あのシーンって久々に見たけど、感動した。気が付くとボロボロ泣いていた。
第2話の千石規子と国村隼のストーリ-も泣けた。これ以降も産婆さんである千石規子はチョコチョコと登場する。
第3話のメインは桜井幸子と大森南朋。この作品って太多亮Pや杉尾敦弘P、演出の中江功などフジ黄金期のドラマ製作陣が21世紀になっても参画していたドラマだったのか。そう思うと、フジ「この世の果て」で妹役を演じていた桜井幸子が端役で出演しているのも納得。ここまで3つは泣けた。
第4,5話はシマの人間じゃない父娘がストーリーの中心に入ってきたので、ちょっとトーンダウン。
第6話は大塚寧々と神木隆之介の離れ離れで暮らしてきた家族の再会物語。大塚寧々の声っていいな。神木隆之介はTBS「QUIZ」で大人をホトホト困らせていた頃なのか。この回では柴咲コウ(彩佳さん)の想いも周囲に知られてしまう。こっちはあんまり切なくならないように、島民のからかいでソフトに扱う。
第7話は泉谷しげる父娘の物語。ラストではみんなに別れも告げないで神木隆之介と共にシマを去る。埠頭の陰で見送っていた泉谷しげるが「どうして俺たちはいつも誰かを見送るのか」って科白をポツリ。いつも荒くれた言葉を吐く男だけに切なかった。
第8話は石田ゆり子の出番。筧利夫は診療所勤務だったけど総じて目立つ場面は少なかった。本人としてはすごく抑えた演技だったんだろうけど、この回で露出が多かった。
第9話で津田寛治の嫌がらせが始まり、第10話で事情を抱えた主人公がシマを去る。これは連続ドラマでは最終回の手前でのお約束。それでも泣けるんだから構わない。
最終回では時任三郎親子の迎えを得て、コトーは島に戻って大円団を迎える。主人公はフニャフニャでいつまでも船酔いする。逞しい海の男・時任三郎はコトーに対する感情を表立って示さないけど、いつも肝心な所で助けてくれた。彼がいたからこそ大円団を迎える事ができたんだな。
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この20年前のドラマを久々に見ればみるほど、最近の連続ドラマって一体何が足らないんだろう、とどうしても考えてしまうから不思議だ。
圧倒的にパワーが違う。作り手の違いがあるのか。主人公がフニャフニャしたキャラでも脇を固める俳優陣を重層的に配置すれば、いくらでも感動する物語を作り出す事はできる。このドラマにハマると、中島みゆきの主題歌「銀の竜の背に乗って」もずっとリフレインしてしまう。
あと、柴咲コウと小林薫ってこのドラマでは親子役だった。後年の大河ドラマ「おんな城主直虎」では井伊直虎とそのよき相談相手の南渓和尚だったなあ。