久々にラグビー日本代表の試合をTV観戦した。
国立競技場にはコロナ禍なのに、なんと65,000人満員の観客がぎっしり詰め込まれている。日テレの中継では「過去の対戦成績は0勝6敗。今日こそは勝って欲しい」と無茶ブリしている。
相手は世界No.1のオールブラックス(ニュージーランド、以下NZ)なのでもう対戦してもらえる、迫力あるオークライ(ハカ)を見られるだけでありがたいじゃないか。だって、かつてW杯で145-17の大敗を喫している。
1995年のW杯で、メンバー選定に問題があった訳じゃない。HO薫田、FL井沢、No.8ラトゥ、SH村田、SO広瀬、WTB吉田、WB元木、FB松田と錚々たる布陣だった。勿論、SH堀越とSO平尾も代表選手だった。それでも大敗した。国内で勝てる事と海外勢いと競うのでは大きな壁があった。スキル以前に体格差は如何ともしがたい、そんな論調をどこかで読んだように記憶している。
あれからもう27年経っていると言うのに、NZ戦を語る時には悲しいかなどうしてもこの枕詞が付いてしまう。
<SHアーロン・スミスなど> ※いずれもTV映像より
さて、気分を切り替えよう。
SOリッチー・モウガンは先発出場、SHアーロン・スミスは後半20分頃から出場、2019年W杯で目立ったボーデン・バレットは給水タイムにサービスカット扱いで登場した。彼はサントリーで1年くらいプレイしていた。対する日本で見慣れた顔は、リーチマイケル、稲垣、姫野、中村亮、山中、流、斎藤など。
<ボーデン・バレットも発見>
試合前半はNZ陣地での戦いが長かった。日本の攻め、ダブルタックルが効果的だったのだろう。前半22分にNZがゴールラインを割ったものの、WTB松島がボールをグラウディングさせないように必死のカバーに入る。ホントに阻止した。前半24分にも相手ボールのスクラムの後でNZのSOを捕まえて動きを封じた。相手方ゴールラインに迫っていたのでそのまま攻め込んでいたらと、惜しいチャンスだった。
前半29分のSO山沢(山沢拓也)のキックはちょっと長すぎた。もっとマイルドに蹴らないとフォローできない。でも、その6分後、SO山沢がキックでボールを転がして自らトライに持ち込んだ。これでさっきのミスキックをしっかり挽回!
NZ選手で目立ったのはセグ・リース。NZボールのラインアウトの場面でFWメンバーが並んでいる。なのにHOはラインの先に投げて、BKのセグ・リースがキャッチして、そのままゴールまで一直線で走り切った。華麗なランニング。HOのああいうスローイングを見た事なかったので、一瞬ボールを見失ってしまった。
<後半のスクラム>
後半25分、FB山中のキックが宙を切った。空振りは痛いなあ。後半26分、NZの長身LO選手が密集でターン・オーバーを狙っていた姫野へのアタックでレッド・カード退場。NZが1人少ない状態であと14分くらいあるので、チャンスと言えばチャンス。でも、残された14人が必死で守るので、ラグビーって数的優位があったから必ずしもスキができるものでもない。
最終ホーンが鳴って、NZがPGを決めて38-31で試合終了。僅か7点差は十二分な結果だと思う。っでも、インタビューで姫野は「(NZに)勝てる試合だった」と冷静に語っている。もしかして今の日本代表ってホントに強くなったんだろうか。FWは半分が外国人選手になっているし、体格差が気にならなくなるともしかしてって期待が正夢になるかも。嬉しい一言だった。
※参考:2019年ラグビーW杯の頃に書いたラグビー記事。