今夜9時、綾瀬はるかの連ドラが始まる。タイトルは原作ミステリーのタイトルと同じ「元彼の遺言状」。こうした原作を読んだ後でドラマを見ると、ピュアな気持ちでドラマを愉しめなくなる。つい比較してしまい「原作の方が良かったのに……」とnegativeになってしまうので、スルーしておくのが常だ。
ただ、この10年ほど綾瀬はるかって存在にはどうしても弱い。しかも文庫本のカバーの上へ二重に綾瀬はるかの颯爽とした姿が載っていたので、ついなりゆきで買ってしまった。
<表紙>
一気に読んだ。ただ、これから連ドラが始まるじきなのでネタバレのような感想は書けない。なので、コンパクトに書いていく。
(1)寸評
面白かった。ガツガツしたキャラ全開の主人公がいいリズムを作り出してくれる。そして、そのキャラが何かに突き動かされる事でエンディングに向けて一気に走り出していく感覚が良かった。
(2)ポトラッチ
競争的贈与のヨコに「ポトラッチ」とルビが振られている。この言葉は内田樹だったか石川善樹の本に出てきたけど、とっくに忘れていたものだ。
プリミティブな世界で慣習的に行われていた行為だ。表面上は相手を持ち上げておいて落とすって意味合いでは「ほめ殺し」と似ているかも。ただ、ポトラッチは相手をジリジリと追い込んでいくだけに、時間を掛けてゆっくりと相手に恐怖心を植え付けていくだろう。
(3)ドラマ化すると誰が似合うんだろうか
綾瀬はるかはどんな役柄でもしっかりなりきる事ができる。TBS「天国と地獄」のキツイ役柄、TBS「Mr.Brain」のトンチンカンなボケ役、日テレ「奥様は取り扱い注意」でアクションをやらせてもなんら違和感がない。それは橘咲と干物女など正反対の役であっても一生懸命に演じている点で何ら変わらない。なので、この主人公にも適任だろう。それは間違いない。
ただ、時期的にこれ以上の感想を書くのは時期的に憚られるので、ドラマの感想代わりに自分だったらどんなキャストが似合うのだろう、と考えてみた。
剣持麗子: これはストレートに考えて北川景子でしょ。冒頭で美女が今カレに対して「私に釣り合うような指輪を買うカネがないなら内臓を売ってこい!」とスゴむのなら、この人選がベスト。ただハマリ過ぎなのが怖いのと、ドラマの展開を考えると綾瀬はるかの演技力が不可欠。
元彼: 妻夫木聡。甘ったるいボンボンの雰囲気を出せるんじゃないか。
篠田: 大野智。やや太っていて寛容な雰囲気のお坊ちゃんキャラ。
元彼の兄: 向井理(*)。理知的で欲がない。
麗子の兄: 石井正則。賢そうな官僚だけど、ケンカが弱くて妹に助けてもらった。
紗英: 堀内敬子(*)とか伊藤沙莉(#)。麗子に対してキツイ事を喋れるキャラが必須
朝陽: 佐久間由衣(#)。登場人物の中では最も若い設定。
雪乃: 木村多江(*)。か弱くてミステリアスな雰囲気。
津々井弁護士: 伊武雅刀とか高橋克実
村山弁護士: 光石研(#)
なんとなく日テレ「ホタルノヒカリ(*)」とNHK「ひよっこ(#)」のキャストから複数人を選ぶ事になってしまった。プロデューサーってどんな気分で出演者を決めているんだろうか。気分的に藤木直人をどこかに嵌め込みたいけど、それでは「ぶちょお」のイメージが崩れてしまうので止めた。
主人公が元カレの会社の役員たちと接している場面ではどうしても弁護士として作戦をガツガツ遂行していくイメージが強い。それに対して、紗英、朝陽、雪乃との会話では探り合いになるけど、でも女性どうしの信頼感が根底にあっての会話になっていると感じた。
それにしても、大泉洋って何の役で出演するんだろう。大河ドラマ「龍馬伝」や「真田丸」の演技は好きだったけど、今年の源頼朝は軽すぎるのでNHKに集中していて欲しいんだけどな。