●NHK「歩く人」

30分番組を見終わったけど、シナリオらしきモノが無さそうでこれがドラマだとは判らなかった。新手の紀行番組なのかと思った程度。猿島みたいなレンガで作られた戦争遺構や川べりの散策路など、絵になるスポットを写していくもので、ラスト5分くらいでロケ地の説明があった。やっぱり猿島だった。でも、他のロケ地は知らない場所ばかり。

 

<NHKサイトより>

 

ただ、井浦新の名前に釣られてみた番組だった。井浦新と不審者みたいなヒゲ男がずっと歩いている。トンネルの中では背後から迫る男の足音が怖い。科白は殆どない。靴音だけがずっと聞こえてくる。

 

ネット検索したら原作は谷口ジローのマンガだとか。たまたま今年の年賀状である人が「最近は谷口ジローにハマっている」と手書きで書かれており、誰なんだろうと疑問に思っていた所だった。

 

なんと「神々の峰々」って登山マンガの作画をされているのも谷口ジローだと知る。この「神々の峰々」全5巻は山小屋に置いてあるので何度か通って読了した。主人公が捜し歩いていた謎の登山家がなかなかストイックな男で小屋時間を楽しく過ごせたのを思い出した。

 

●NHK「鎌倉殿の13人」

それにしても男らしくない頼朝だ。これが史実に基づいた設定なのか三谷脚本の由なのか判っていない。まだまだ序盤だけど、主人公・義時の魅力も近藤勇や真田幸村ほどに伝わってこない。

 

●TBS「DCU」

日曜劇場としては軽いけど好き。阿部寛キャラが職場の上司だったらやりにくそう。あと、中村アンはこのTBS日9枠によく登場するな。


第2話で、外国人労働者が無罪なのに警察にその事を訴えない。「どうせ誰も信じてくれないので(自分は無罪なんだと)言わなかった」というのはリアルな科白なんだろうか。昨年末にちょうど他局の某ドラマの監修をされた方の話を伺う機会があり、そんな疑問を持った。誰かを庇う訳でもないのに無抵抗なままで犯罪のぬれ衣を被る心境は理解できなかった。外国で住んでいるからこそもっと必死な姿で生きていると思った。

 

まあ第3話で彼が国外逃亡を企てたので、前回の科白のリアリティにあまり拘らなくてもいいんだと思い直した。

 

●フジ「ミステリと言う勿れ」

これも好きだ。とりわけ、第一話を見終わった所で今期ベストと期待していた。それ以降はややトーンダウンしたけど、十分に面白い。バスジャックに巻き込まれても冷静に人を鋭く観察して容疑者を割り出していく鋭い推理力を、古畑任三郎の年代でなくて菅田将暉に体現させるのが新鮮。モジャモジャ頭の屁理屈坊やについて、その背景も描かれるのだろうか。

 

第3話に関して、小ネタで2点ほど。

・泥棒の手を切り落とすのって、イエメンに旅行する前に「地球の歩き方」のコラムで読んだような気がする。あまりに残酷なアラブの風習を月9の映像で見るとは何ともだな。

・漂流郵便局って思わずネット検索してみたら四国に実在している。なかなかロマンがあるので、いつかヤマ登りのついでに訪ねてみたい!

 

第4話は登場人物どうしの絡みが殆どなくて、初回のように演劇っぽく作られていた。科白で攻めているからこうした製作になるのか?

 

●フジ「ゴシップ」

もうちょっと明るい雰囲気が好きだけど、毎週、編集部の誰かを軸にしてストーリーを展開していくのはいい。初回を見逃していたので安藤政信と黒木華の関係が分からないけど、後半に会社の謎が明かされるのか?

 

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今クールは正直なところ、ここまでかな。パート1で感想を書いた、NHK「しもべえ」、TBS「ファイトソング」、日テレ「ムチャブリ」は脱落。

 

TBS「妻、小学生になる」はファンタジー要素が入っていて理解できない。連ドラよりも単発ものでありそうな企画。キリン一番搾りCMの2人をペアでキャストにするのはたまたまなのか、それともスポンサーへの忖度なのか。

 

フジ「ドクターホワイト」も崩壊。主人公のimpactが弱い。医師かどうか分からない人物を主役に据えて「誤診です」と言わせるのは私が好きな医療系ドラマの範疇ではなく、軽い印象を与える。謎の人物を主人公に仕立てているので、ミステリー作品として深くなっていく事を期待するか。あと、前髪クネ男(朝ドラ「あまちゃん」で付けられていた渾名)の勝地涼は、どうしてもあの印象から抜け出せないな。