今年の8月はずっと雨が降り続いている。お陰でムチャクチャな猛暑や酷暑から逃れられているけど、夏らしくないのがどーしようもない。お陰で、お盆の夏山登山(北アルプス)を中止せざる得なくなった。昨年、白馬岳と唐松岳に登ったので今年は爺ケ岳へ、そしてもし体力が残っていれば鹿島槍ケ岳に登ろうと思っていたのだ。

 

TVで見ていると、熱海の土石流災害の前にも大阪で崖地の上にあった家が取り壊されていた。直近でも佐賀県や広島県、島根県、長野県、東京都など各地で被害が生じている。堤防の決壊、内水氾濫、土石流などいろいろなパターンがあって、一体どこに住んでいれば安心安全なのか、考えてしまう。

 

<TVニュースより>

 

先日の雨で長野県岡谷市に土石流が襲い掛かったが、私は今年5月に岡谷から天竜川を南下した天竜峡(飯田市)を歩いている。天竜峡は伊那谷の南端に位置している。


その時に天竜峡の水面から50mほど高い位置にポットホール(甌穴)があったのに驚いた。ポットホールとは河原の大きな岩を石が穿ちながら長い年月を掛けて削っていったものだ。ちょうど人の拳が1つ埋まるくらいの大きさだった。

 

それにしてもこの高低差はホントなのか、もしかして地殻変動で隆起でもあったのか。逆に天竜川が気の遠くなるような年月をかけて岩を削っていったのでこうした渓谷ができたのか。


そらさんぽ(=天竜峡大橋、高さ80m)から見下ろすと大凡こんな高低差になる。この渓谷が溢れた水で埋まってしまった様は想像を絶する。

 

<天竜峡のポットホール、そらさんぽの眺望>

 

 

川下りを終えて船着き場に戻って来た時に、「昨日は晴れていたのに休業だったんですね」と水を向けると、船頭さんは「船着き場から一昨日の大雨で上の方まで泥に埋まってしまったので泥除けで一日がかりだったんだ」と教えてくれた。泥はどっしり重たいし撤去はとてつもなく大変な作業だったのだろう。況してや、熱海や岡谷の作業は生存者救出も使命なのでタテにスコップを入れる訳にもいかず大変だっただろう。

 

<天竜峡川下りの船着き場に溜まった泥>

 

さて、度重なる水害の映像が目に焼き付いてしまいハザードマップが気になる。これまで実際のブツを見た事がなかったので、先日市役所に行ってそれを貰って来た。ついでに役所の方に話を伺ってみると

 

・現実にはどこで氾濫するか判らないので、ハザードマップ上で安心だから大丈夫ってものでもない

・大きな河川には河川敷があって、その上の堤防には道路があって既に舗装されている。舗装道路をトラックなど大型車両が頻繁に走る事で堤防が固く踏み固められていく。

・それに対して小さな河川はなかなか舗装化が進んでいない。こうした所が大雨で弱くなる。

・ハザードマップに各地の標高が書いてあるので、高い方に逃げる事。逃げ遅れたら2階へ上がる事。

・昔からの地名に注意する事。「xx瀬」とか「xx谷」、「xx沼」、「xx洲」と言った地名は歴史的に見て低地や湿地帯であった事を示している。

・単純に標高が高い方が良いかと言えば必ずしもそうでないとか。「xxx原」とか「xxx台地」とか周囲より高い場所であれば水害は来ない。でも、排水設備が整っていないため土砂災害の危険性はある。

 

確かに、歩いてみると住宅地の中にスッポリ抜けた空間があり、がらんどうになっている箇所がある。そこがコンクリートで固められた貯水池の役割を果たしているのだと知った。こうしたスポットが身近にあれば排水をしっかり受け止めてくれて内水氾濫を防止してくれるのだろう。まあ、今回のような半年分の雨が一気に1週間で集中的に降り続いた場合には、オーバーフローしてしまうかも知らないな。

 

<貯水池> ※失礼、写真は捜索中

 

いつだったか東京都でも善福寺用水の流域に巨大な地下空間を作ったなんてニュースを見た事が、大都市は被災しないんだろうか。それと、地下鉄とか主要ターミナル駅の地下街も水没しないんだろうか。

 

あと、宇都宮の大谷石採石場も気になった。あそこは巨大な地下空間でかつて太田省吾の劇団が芝居を打っていたし、神秘的な雰囲気に包まれた天井の高い空間だ。あそこはコンクリートで固めているわけでもないし、何年か前に地下が空洞になっている民家で陥没事故が起きていたな。