なにかとIT障害を起こすみずほ銀行で、2月末にキャッシュカードがATMに吸い込まれたってtroubleが生じた。まあ、翌日以降にキチンと顧客の元に返却してくれただろうから、まあそこは安心だ。ちょっと日が経ってしまったけど、この件にまつわる体験談も含めて感想を書いておく。

 

<3/5頃の日経新聞>

 

(1)稼働前の事前テスト

かつてIT企業で働いていたSEとしては、「この発注条件で網羅的に見切れないよ~」と泣き言を言いたいだろうシステム屋さんの気持ちも判らないではない。けど、顧客としては困ったものだ。

 

夜間バッチで大量データを処理し切れなかったのが原因だとして、その日にschedulingしたのは当然ながら顧客との調整を図った上での事だと思う。それに各種の稼働確認テストとか負荷テストもされていると思うけど、全てのテストを実施するには顧客の同意とコスト負担を伴うものだから、ホントに十分なテストができていたんだろうか、と思わなくもない。

 

テストするのも業務だけど、テストの意義を説明してテスト工程のコスト負担に合意してもらう事もまた大変なのだ。冗長性とかバッファって言葉は、超合理的に考えたらムダを意味する。「何故こんなテストをするのか?」、「ムダなテストを重ねて余計なコストを膨らませているんじゃないか?」そんな穿った見方をされるケースもあるのだ。

 

(2)海外ATMでカードを喰われたら

これは大変だ。言葉が通じなければ話にならない。それに、もしかしてその日の内にその街を離れるから緊急を要する場合だってある。

 

事実、私もこうしたトラブルに遭遇した事がある。場所は中国の内陸部。桂林から川下りして筏を降りた町だった。中国旅行で日本人が最もお世話になるのはBOC(中国銀行)だろう。国際cash-cardを持っていれば、BOCのATMで人民元を引き出せる。でも、その街にはBOCの店舗が見当たらなかった。同じ四大銀行でもICBC(中国工商銀行)やCCB(中国建設銀行)の店舗は中国語だらけで英語しか話せない旅行者には敷居が高い。

 

で、たまたま見つけた高そうなホテルのロビーにATMを見つけたので、カードを挿入。そうしたら、ATMがfreezeしてしまった! キャッシュカードは戻ってこない! 焦る、焦る。これから桂林に戻ると言う時に足止めを喰らってしまった。ホテルの受付スタッフに話して、「何とかして!」と頼む。

 

「まあまあ」と宥められて待つこと2時間くらい。幸い、業者さんが来てATMをこじ開けてキャッシュカードを回収できた。もし「メイヨウ、明日まで待て」とか冷酷に言われたらどうなっていたんだろう。キャッシュカードを紛失したと思って諦めるのか、でも悪用されたらと考えるとその街に1泊するべきなのか。

 

まあ明日(中国語で明天ミョンティン)ならまだいい。かつて西安の咸陽空港で「この路線は后天(ホウティェン)まで飛ばないヨ」と言われて焦った事を思い出した。その場ですぐに后天の意味が分からなかったけど、あの「ホウティェン」って発音はしっかり耳に貼り付いた。日本語で明後日のこと。

 

海外だと空港などでもむき出しの状態でATMが置かれていて、あまりに無防備な時がある。そんな所で利用するのはなるべく避けて、いざって時に助けてもらえる場所で使うのが望ましいかも。