昨年暮れにゼータ関数の話を聞く機会があった。ちょうどNZから帰国して足の内出血が足首に溜まってきて歩くのも大変で、体調がグタグタな時期だったけど面白かったので這ってでも行きたいと思って教室に通った。

で、留数定理とか言葉は知っていたけど、正直キチンと勉強した事はなかった。それに、複素数の世界に拡張すると解析接続して実数の世界よりも素数の振る舞いがよく見えるようになるって話があった。そんな訳で、コロナ禍で自粛しているこの時期にこの本を読んでみたいと思ったのだ。 


この本は講談社のブルーバックス。専門書を読むskillはないので、ブルーバックスでimageを掴むのが精一杯だ。線形代数とか意味を理解するにはありがたい存在なのだ。


尚、最後の7章「複素関数論の応用」は物理の話題だったので、キッパリと捨てた。頭の整理も兼ねて、感想を書いておこう。 

コーシーの積分定理によると、複素平面上の閉曲線に沿って1周して積分するとゼロになる、と云う。証明は殆ど理解できていないけど、この1文があることでかなりシンプルな世界を定義できている。 

微分でも積分でも実数の世界で確認できた公式は殆ど、複素数の世界でも定義できた。唯一、1/zを積分した時の振る舞いだ。実数の世界で積分するとlog xになるけど、複素数の世界だと2πiになる。


ここを何度読んでもimageできないのが悲しい。最後には、複素平面は実軸との角度と原点からの距離で座標を認識するので、半径1の円を一周するから2πかと納得させるしかなかった。


複素平面上に定義された正則なエリアってどんなimageなのか。領域内で最大値と最小値がない(境界上に最大最小がある)ので、山の斜面などゆるやかな斜面を想像した。


<スイス・Kleine Scheidegg周辺(2018.7)>


もしかして小高い丘とか緩い谷はあっても許されるみたい。領域内に山頂(最大値)や海抜に満たない地割れが無ければ構わないようだ。正則な複素関数で表現されるのはかなり緩い場所なのだろう。


クレバスとか池、それにパックリ口を開けた噴火口があってもそこだけ切り取ってしまい、正則なエリアをドーナッツ状に定義できるとか。なんならブラックホールも特異点として外してしまえばいい。池塘は池の中だから、特異点なのか。更に言えば、琵琶湖に浮かぶ竹生島とか不連続地帯はその中で考えれば正則って事か……。素人にはその程度の想像しかできない。 


<月山・姥沢から登ると(2015.4)>


<月山・弥陀ヶ原(2017.8)>
 


解析接続を自分の言葉で上手く書き下す事はできない。ただ、複素平面で考えると数の振る舞いがよりクリアに見えるなら、それを使わない手はない。


まあ、「f(z)=sin z÷z」の分子をテイラー展開する事で、f(0)で定義されない不連続な関数をf(0)でも連続な関数に変換できるってのは、新鮮で嬉しかった。