今期は医療系3ドラマ(木曜~土曜)が好きだった。以前、2~4話くらい迄見た所で感想を書いたので、ここでは気になった科白などについて触れるのみ。
どのドラマも明るい結末ばかりでなく、乾いた現実を見つめながら進んできたのでスカッとした爽快感はないけど、考えさせる医療ドラマがいくつも見られてよかった。
●「アライブ」
抗がん剤治療に難色を示す娘の父親。父親と腫瘍内科医が言い争いになるので、それを止めるために娘が「病気になってごめんなさい」と父に謝る。あの科白はズキンときた。ああ言われてしまったら、もう何も言い返せないだろう。言い争いになった原因は、やっぱり抗がん剤が効かないっていうここ数十年続いてきたnegativeな歴史にある。
私もかつて同じ病室だった人がだんだんと弱っていく姿を見た事あるけど、やっぱり抗がん剤注射を打つと如実にその人の体にdamageを与えていくのが判り、やり場のない感情が澱のように積み重なっていった。たから、「いくら抗がん剤は進化」したって科白が出てきても信じがたい。毒を薬として投与する発想が拭えないと、外野席にいても「戦う」とか「頑張る」って感覚にはなれない。
●「病室で念仏を唱えないで下さい」
両忘って言葉が滲みた。善悪とか正義とかに囚われてしまう事はあるけど、確かにそういう概念を超越して前に進まなきゃいけない時ってあるだろう。
伊藤英明と泉谷しげるが釣り堀で隣り合って糸を垂らしながら「釣りなんて誘わなければ良かった」、「釣りなんて教えなければ良かった」と、二人がそれぞれに同じ場面を回想しながら言い交わして泣くシーンが良かった。
ムロツヨシの科白で「医は命の奴隷。金の奴隷でも法の奴隷でも正義でもない」って科白もあった。自分の夢に向けた仕掛けは着々と重ねていくのも、子供の頃の悔しさと良心を持ち合わせている故だった。マンガが原作らしいけど、悪役が登場しないドラマはホント安心して見ていられる。日テレ「ホタルノヒカリ」と一緒だ。
●「トップナイフ」
ドラマ前半で気になっていた三浦友和の含みは自分の家族の事だったのか。大きなstory展開に絡むかと思っていたけど、最後まで淡々と脳の病気との闘いが続いた。脳の病気の症状はドラマで表現するにはちょっと難しかったかも。
●その他に
「絶対零度」も時々見たけど、なんせ暗すぎた。
佐藤健は、朝ドラ「半分、青い」の律とかTBS火曜日なら麦田のパン屋が好きだった。なので、今クルールの火曜10時はパス。