これから何回かに分けてテーマを決めて、サラリーマン卒業後の日常を振り返ってみたく。最初のテーマは「感じる」事です。会社を辞めた事で、もしかして少し気持ちが潤ってきたかも知れない。
(1)季節は連続していた!
退職日は2年前の2月末だった。程なくして桜が咲く。それは4月であり、その後はパシッと区切りがあって5月=新緑だと信じ込んでいた。でも、季節のうつろいってそんなに強引で暦通りなものじゃない。よくよく見ると、4月にはハナミズキとかユキヤナギとかいろいろな種類の花が重なり合うように連続して咲いていくのだと知った。アホだと言われるかも知れないけど、驚いた。通勤中に一体どこを見ていたのか。それを知人に喋ったら笑われるし、恥かしかった。
特にシャガの花が都内でもついそこら辺りに咲いているのにビックリした。シャガって私にとっては5月に御岳山(奥多摩)で初めて見つけた花だったので、それがわざわざ出かけなくても4月の都内に咲いている。まさか2018年から突然咲き出した訳でもあるまいに、サラリーマン時代はそんな事すら目に入らなかったのだ。
同様に、5~6月になるとドクダミの白い花も都内何処にでも咲いていた。しかも、直ぐ枯れるのではなく花の盛りはかなり長い。
<ドクダミ> ※2019.5都内
実家のつりしのぶにセッコクって花が咲くのもサラリーマンを辞めてから知った。夏場に南アルプス・仙丈ケ岳に登った時に見つけたツワブキ(もしかしたら別種かも)も都内や八丈島辺りだと11~12月に当たり前に咲いているものだと知った。
あと、連続ドラマを見ていてもサラリーマン時代は聞き流している感じだった。でも最近はちょっとした科白が響いてきたり、ブログに感想を書いていたらジワッと来る事もある。そう、感性って眠っていただけでしっかり生きていたのか。
(2)帰属場所が欲しい
辞めてすぐ働く気はなかったので、身分がない。ヒトはやっぱりどこかに帰属して安心感を得たいもののそれがない。定年退職したオジサンがかつての会社の名刺を配っているなんてのは笑えるし、マネはできない。幸い、放送大学で話を聞いてみると面白そうだったので申し込んだ。学ぶ機会それ自体もありがたいけど、帰属先が出来た事が最初に嬉しかった。
(3)世の中には高齢者多し
サラリーマンの頃は平日が主で土日はオマケだった。なので、土日の都内の記憶ってのはあまりない。そこには平日サラリーマンしていた人もいっぱい混じって賑やかだった訳で、違和感は無かった。でも、いざサラリーマンを卒業して平日に都内を歩いてみると、やけに高齢者が多い。中には杖とか押し車に頼って歩いている人もいる。この光景も実は知らなかった。高齢化社会とか人口減少っていくらTVや新聞で喧伝していても実感した事がなかった。浦島太郎状態というべきか、ショッキングだった。
(4)データプールとかDXとか
IT業界にいて7年くらい前だったか「これからはデータを握った会社が勝つ!」ってtalkを聞いた。その時のプレゼン資料で紹介されていた米国の何社かの動向は確かに尤もで、当時はそこに無かったGAFAのG社やF社の隆盛は今や誰もが知る所だ。
5年くらい前にもデータプール構想なんて漠としたお題を頂戴して、提案書を作って顧客にプレゼンした事もあった。DX(デジタルトランスフォーメーション)に至っては想像するにも端から壁があった。でも、今になってみればこうした用語が新聞にも氾濫してきたし、あの当時そうした領域にもっともっと踏み込めなかったものかと悔しい気もする。まあ、今更そんな気はサラサラないけど。