渡辺淳一か誰だったかハッキリ覚えていないが、医療系の短編小説にロボトミー? とか言う言葉が出てきた。ショック療法とでも言うのだろうか。うろ覚えだけど、脳の病気の人にその病気の原因ではない所に傷を作るとどういう因果関係かメカニズムは判らないけど元の病気が快方に向かうとか、そんなstoryだった。当時、それはないでしょ、とスルーしてしまった。
でも、10年前の開腹オペで私にも不思議な体験があった。
花粉症なのか、時々くしゃみ鼻水に悩まされる事がある。その前年の2008年とかオペの前にも困った時はあった。同様に、2010年以降も偶に困った存在だった。
でも、2009年に限っては鼻がグズグズして困る事は全くなかったのだ。最初は開腹と鼻の炎症なんて何の関係もないと考えていたのだけど、おそらくここで鼻炎を起こしちゃいけない、って脳が無意識に判断してくれていたんじゃないか。傷口が痛い時には、大きくくしゃみすれば上体が揺れるので腹部に響く。鼻をかんでも腹に響く。術後4~5日で、ちょうど咳きこんだ瞬間に腹部がピリピリ痛くなって、その日一日咳を止めるのに大変だった。
だから、きっと体内全体のリスク制御機能がどこかに備わっていて、鼻炎を一時休戦状態に鎮まらせてくれたんじゃないか。人間の脳って凄い、と我ながら自分の鼻炎の調子の良さに驚いた。勿論ちょっと動くだけで傷口が痛い時にそんな事を思い付いた訳ではない。翌2010年になって再び鼻炎で困ってから、あれ何故去年は鼻がスースーしていたんだろう、と気づいたのだった。
10年前の事をあれこれ想い出して書いてみたが、この項はこれで終わりです。
また旅の話題を中心に戻していきます。