今夜、この番組のスペシャルで古館伊知郎が高学歴ニート数名と議論していた。以前、林修も彼らにlectureしていたようで今夜が第二弾だったみたい。

 

高学歴ニートって言葉を初めて聞いたので、うん? と思いながら観ていた。

 

「好きな事だけしているのって、自由だけどそればっかりしていても本当に好きなもの、自分に似合うものが判らなくなる」って古館さんは訴える。私には、どちらかと言うというと彼の「嫌いなものも偶に食べるから好きなものを食べた時に美味しいと実感できる」、「好きな色と似合う色は別かも知れない。必ずしも同じかどうか判らない(だから働いてみれば)」って発言の方がしっくり来たかも知れない。

 

一視聴者としては古館さんの言い分に賛成なのだが、彼らにはあまり伝わっていなかった。大半のニート達は古館さんと対決姿勢を示していた。「食いつないで行けている」とか「今が良ければいいでしょ、何が悪いの」、「親のスネをかじるのにもテクニックが要る」って露骨なメンバもいた。

 

中には予備校の講師になりたいと考えていて、各予備校が作成した大学入試の模範回答を自分なりに分析(だったか批評だったか)してブログに掲載したニートがいた。でも、「(そのブログを見たどこかの予備校から就職の)話が来るかと思っていたが来ないのが不思議」と真顔で言い出す若者もいた。自分は優秀って信じているのかも知れないけど、上から目線というのか、これって完全に勘違いなんじゃないの、と笑ってしまう場面もあった。

 

他のニートから「所得税が累進課税だから(正しくないor間違っている)」発言もあったが、彼はもう既にそんなに稼げていて税金で多く搾り取られて不公平感に苛まれているのだろうか。20代で累進課税を恨んでいるような人は、おそらく高額年俸で契約できたプロ野球選手くらいじゃないか。正確な表現になっているか自信はないが「好きな事だけやっていればいい」と言うホリエモンがこの言葉を発するなら構わないけど、ニートに発言されても、どうにも現実感が無かった。

 

でも、見ていて拍子抜けしたのは、古館さんのトークに勢いがなかった事だ。3年くらい前に有働さんのNHK「アサイチ」に出演した時とか、他の番組での彼のトークは視聴者をもっと惹き込むもので、今夜もそれを期待していたのに違った。マシンガントークで「若者よ働けよ~」と攻め込んでも良いと思ったのに、かなり穏やかだった。はなから話が噛み合わないと悟っていた為なのか、追い込むようなムードでなかった。勿論、彼らが自分で自覚しない限りは変わらないけどね。

 

ワーキングプアって言葉はもう古いか。つい最近でも、中高年の引きこもりが若者の引きこもりより多いと、報道していた。これらとはまた別に新種の闇が日本に広がっていたのかとビックリだった。