前置き

 

クルマでは出力(=パワー)とはトルク×回転数です。自転車ならペダルの踏み込み力×ケイデンス。ケイデンス50rpmで全力でペダルを踏み込むのであればケイデンスを100rpmに上げれば踏み込みの力は半分で同じパワーが出せます。クランクがへし折れんばかりの力をかけても1ミリも回ってなければパワーはゼロです。

 

 

 

以下本文。

 

私は一応属性としてはクライマーです。

 

体格が小柄・痩せ型・超軽量なので、どうしても平坦よりは上りにアドバンテージがあります。踏み方はトルク型ではなくケイデンス型、筋力よりも回転数で出力を出す方です。90〜100rpmが個人的な出力回転数。

 

戦うならヒルクライムなので時々近所の山でストラバのランキングを目標に上りのトレーニングをしているのですが、斜度が8%を超えた辺りからどうしても高いケイデンスが保てなくなってしまいます。そして80rpmを下回るともうパワーをキープできない…。

 

クルマも同じですが、同じ車種・同じエンジンで同じコースを走ってもトランスミッションのギヤ比が異なればタイムは変わります。そのコース内でいかに出力回転数を維持できるかでタイムは早くなります。

 

御託はいいので結論を言うと、要はもう一枚小さなギヤが欲しいってことですw いま使っているギヤはアルテグラの11-28T 世間一般では30T以上を乙女ギヤと称するそうです…。九州男児たる私にとってなんたる屈辱w

 

11-25Tとかつけて「28丁?使わないから25まであれば十分かな」なんてスカして言ってみたかったw

 

いやいやいや、28Tでも登れないことはないんですよ、28Tでも単発の斜度18%くらいまではなんとかできます。あくまでタイムを削るために…あー、もぅ誰や乙女ギヤとか言い出したやつw

 

 

 

 

 

と、言うことで30Tを検討していたんですがシマノの11-30Tにするとワイドレシオ化するためどうしても1速1速の間が大きくなってしまいます。

 

11-28Tと11-30Tを比べてみると、

 

11-12-13-14-15-17-19-21-23-25-28T

11-12-13-14-15-17-19-21-24-27-30T

 

21から24-27-30。小さなギヤ間が3丁飛び。つまりこの辺りで変速するとケイデンスが大きく変わることになります。これが気に入らない…。

 

 

 

そんなときたまたま見つけたのがMICHE(ミケと読むっぽい)と言うブランドから出ているシマノ11s互換のカセットスプロケット。イタリアのコンポーネント屋さんだそうです。

 

シマノだとアルテグラグレードで数種類しかありませんが、MICHEではトップが11T,12T,13T,14T,15T(?),16T(!?),18T(!!?トップですよw)ローが23から34Tと星の数ほど様々な歯数の組み合わせのスプロケットが準備されています。

 

 

 

その中でもビビッときたのが12-30T これまで使っていたシマノの11-28Tと歯数構成を比べると、

 

11-12-13-14-15-17-19-21-23-25-28T(シマノ)

   12-13-14-15-17-19-21-23-25-27-30T(MICHE)

 

ちょうどこれまでのシマノから11Tを無くして30Tを追加したような感じ。

 

 

上は洗車後2〜300キロ走ったスプロケですが11Tはほとんど汚れていません。11T

を平坦で踏める脚など無く、よほど広くて長くできれいな下りでないと使用の機会がありません。それなら11Tを捨てて30Tを追加した方が断然使い道があります。

 

ちょうど12-30TがPBKにあったので即導入!

 

 

LIGHT PRIMATOというセカンドグレードで実売で7000円くらいでした。

 

色が違うローギヤはアルミ製です。

 

 

丁数の違うギヤなので単純比較はできませんがそれでもアルテグラに比べてちょっと重めです。

 

 

重さで不利になる要因はシマノカセットと違ってMICHEのLIGHT PRIMATOは全てのギヤがバラバラになります。代わりに上記の様々なギヤの組み合わせを低コストで提供できるということなんでしょう。

 

ちなみにMICHEのカセットにはSUPERTYPEという超軽量な最上位グレードもあります。こちらは2万円を超えます。こっちは手が出ねぇ。

 

 

 

カセットスプロケットの組み換えは端折ります。ギヤが大きくなるのでチェーンのコマを追加します。

 

 

コネクトピンとクイックリンクと金屑入れからチェーン交換の際に捨てた余りのコマを準備w

 

一コマ足しで、

 

アウターロー

 

インナートップ

 

若干アウトな気もしますがRD-6800のショートケージで一応引けてます…?

 

ちなみにフロントギヤは52-36ではなく52-34へ魔改造されていますので、フロント52-34、リヤ12-30、必要キャパシティは36。RD-6800のトータルキャパシティは33なので諸元上はアウトです。自己責任です。

 

まあ私はインナーでトップ2枚は使いませんが。

 

 

 

ディレイラー調整をしましたがカセット全体が若干ホイール側へ寄りました。調整してしまえば変速に問題はありません。シマノよりわずかに変速が渋いかな?というくらいです。

 

問題はKUOTAでローラーに乗るんですが、ダイレクトマウントのTacx NEOには12-28の105カセットをつけています。カセットの基本位置が変わったことでローラーに取り付けた際に思うように変速しなくなりました。レースなんかやってるとこれがちょっとストレス…。

 

 

 

とはいえ実走行の使用感は思った通り。11Tがなくなりましたが特に最高速に不満はありません。元々そんなに出番なかったしw そして上りは斜度10%くらいまではなんとかケイデンスを保てるようになりました。これまでとの変速時の回転数変化の違和感もなくかなり使いやすいです。これはいい!

 

ちょっと気になるのは既にアルミ製のローギヤに結構傷が入っていること。スチール製の他のギヤに比べると顕著です。今後アルミの耐摩耗性がどうなのかが少々気になります。せっかくギヤがバラなので補修部品として1枚づつ購入できるとより使いやすいんですけどね。