映画『マルホランド・ドライブ』はカルトの中でも、特別な作品。 | 演技を楽しむ つれづれなるまま 平田 慎司のブログ

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劇団営業二課を主宰し、演出と脚本を担当。また、トレーナーとして、演技レッスンも行っています。マンツーマンを基本に、生徒は10歳から70代までいます。映画脚本も手がけています。

今回、ご紹介するのは、海外映画「マルホランド・ドライブ」です。

この映画「マルホランド・ドライブ」はあの鬼才デビッド・リンチ監督作品ですから、ご存知の方も多いと思います。

デビッド・リンチ。

1946年モンタナ州生まれ。

映画

1976年「イレイザーヘッド」で長編デビュー。

1980年「エレファントマン」でアカデミー賞8部門にノミネート。

1986年「ブルーベルベット」で全米批評家協会賞受賞。

1990年「ワイルド・アット・ハート」でカンヌ国際映画祭パルム・ドール賞受賞。

そして、次に監督した作品が、この映画「マルホランド・・ドライブ」

 

あえて、有名カルト映画「マルホランド・ドライブ」を紹介するのは、海外カルト映画の最高作品のひとつだからです。

 

では、知ってる人も知らない方も、どうぞ。

 

海外カルト映画「マルホランド・ドライブ」は2001年のアメリカ・フランスの合作映画です。

日本では、2002年2月16日に劇場公開されました。

上映時間は145分。

 

先にも述べましたが、デビッド・リンチはこの映画「マルホランド・ドライブ」の脚本も書いています。

 

主演はこの作品が女優としてのターニング・ポイントになったナオミ・ワッツ。

(全米映画批評家協会賞の主演女優賞を受賞)

もう一人の主演はローラ・ハリング。

(主な代表作は見当たらず)

海外カルト映画「マルホランド・ドライブ」は第54回カンヌ映画祭で監督を受賞しました。

 

さて、カルト映画「マルホランド・ドライブ」のあらすじを導入部分だけ、ご紹介します。

 

 

カルト映画「マルホランド・ドライブ」あらすじ

 

 

真夜中、マルホランド・ドライブで車の衝突事故が起きる。
助かった黒髪の女は、記憶も曖昧で、ハリウッドのある留守宅へ忍び込む。
そこはルースという有名女優の家だった。だが、直後にその家に女優になろうと、上京してきたルースの姪ベティに見つかってしまう。 
女は部屋のリタ・ヘイワースのポスターを見てとっさにリタと名乗る。
ベティは、最初はリタを叔母の友人だと信じるが、すぐにルースからの電話で、見知らぬ他人であることをがわかる。

ベティに、何も思い出せないと打ち明けるリタ。
彼女のバックを調べると、見に覚えのない大金と謎の青い鍵が入っていた。
ベティは好奇心と同情から、リタの記憶を取り戻そうと協力する…。

 

 

 

 

デビッド・リンチはこの海外カルト映画「マルホランド・ドライブ」をより理解するため、観客の為に10個のヒントを提示しました。

 

 

 

カルト映画「マルホランド・ドライブ」10個のヒント

 

 

 

映画の冒頭に、特に注意を払うように。少なくとも2つの手がかりが、クレジットの前に現れている。
赤いランプに注目せよ。
アダム・ケシャーがオーディションを行っている映画のタイトルは? そのタイトルは再度誰かが言及するか?
事故はひどいものだった。その事故が起きた場所に注目せよ。
誰が鍵をくれたのか? なぜ?
バスローブ、灰皿、コーヒーカップに注目せよ。
クラブ・シレンシオで、彼女たちが感じたこと、気づいたこと、下した結論は?
カミーラは才能のみで成功を勝ち取ったのか?

⑨Winkiesの裏にいる男の周囲で起きていることに注目せよ
ルース叔母さんはどこにいる?

 

さて、筆者なりに考えみました。

わかったのもあれば、わからないものもあります。

(当たっているかどうかもわからない)

 

①女優が寝ている、ダンスをする人々(大会)

②車のテールランプ

③不明

④マルホランド・ドライブ

⑤記憶喪失の女優のバックから出てきた

⑥バスローブの違い・Winkiesのカップ・灰皿の煙草を吸ったのは?

⑦歌の歌詞と二人の女性の表情

⑧マフィアのゴリ押しのシーン

⑨夢の中に出てきた人物を見た反応

⑩カナダではない。もういない。

 

さて、あらすじを導入部分しか書いていない以上、これだけにしておきます。

(見て、ご判断ください)

 

海外カルト映画「マルホランド・ドライブ」はどこが凄い?

 

デビッド・リンチは画面の明暗の作り方が素晴らしい。

(絵になる)

 

赤を基調にした美術も印象的。

(デビッド・リンチは”運命の赤い糸”をイメージしているんだろうか?)

 

女優さんをキレイに撮る。

(静と動のカメラワーク)

筆者が思う、最大の”ここがカルト”は、

画面からにじみ出る緊張感のある演出です。

(出演者の次の台詞、行動が読めない故の緊張)

 

では、

カルト海外映画「マルホランド・ドライブ」のワン・シーンを例に挙げてみましょう。

 

座が緊張をしている瞬間、マフィアの男が最高級のエスプレッソを飲む時前に、ウェイターにナプキンを要求する。

”えっ?どういうこと?”

出演者が固唾をのんで、マフィアの男の次の行動を見守ります。

(観客もそれに倣う)

 

その後の展開は御覧下さい。

 

海外カルト映画「マルホランド・ドライブ」でも、こういうシーンが多々見られる

デビッド・リンチは天才だな。

脚本を書く時、演出をする時の参考にしたい。

(筆者も末席を汚すものでありますので…)

デビッド・リンチはジョージ・ルーカスからの「スターウォーズ ジェダイの復讐」の監督のオファーを断った事は有名。

 

でも、見てみたかった。

デビッド・リンチは199年に作ったカルト「ツイン・ピークス」で全世界の人々を熱狂させた。

難解ではあるけれど、この映画「マルホランド・ドライブ」も素晴らしい。