CVV的おすすめ本:『裸でも生きる-25歳女性起業家の号泣戦記』 | CVVのブログ

CVV的おすすめ本:『裸でも生きる-25歳女性起業家の号泣戦記』

この本の著者である山口絵理子さんを初めて知ったのは、テレビを見ない私が唯一継続して見ている番組「情熱大陸」だった。録画してある「情熱大陸」のビデオをいつものとおりなんとなく見始めたら、「すごいなぁ、この人。」と、目が離せなくなり涙が滲んできた。


「情熱大陸」は、よい仕事をしている人たちを見せてもらうことで月曜日のブルーを乗り切るのだが、山口さんの回は、なんだか目がさめたというか、とにかくすごく勇気付けられたのだ。後日、そんな思いをしたのは私だけかと思っていたら、友人たちも普段より格別の元気をもらったようだった。

簡単に著者を紹介しよう。山口絵理子さんはバッグデザイナー。バングラデシュというアジア最貧国で、「マザーハウス(
http://www.mother-house.jp/index.php) 」という途上国発のブランドを作ろうとしている。慶応大学在学中から、国際NGOにインターンに行くのだが、現場に行かずに施策を考え、提案するやり方に違和感を感じ、「アジア最貧国だから」という理由でバングラデシュへ。
先が見えない、国も不安定なバングラデシュで、原産のジュートに目をつけ、バッグ作りを思い立つ。最初4人だけが働いていた工場が、情熱大陸放映時(08年3月16日)は32人。そして、現在は自社工場を実現した。


バングラデシュで働く人の場所をつくり、その人達のくじける気持ちに付き合い、裏切られても、信じ、期待することをやめない。番組では、「なぜそこまでして、バングラデシュに居続けるのか?」というインタビュアーの言葉に、「『この人たち(バングラデシュの人たち)も、できる』ってあきらめたくなかった」と話した言葉が印象的だった。

今回のおすすめ本は、山口さんのマザーハウスを立ち上げるまでの自伝だ。これを読んで「会社を立ち上げるまでの人生が並大抵でない努力だから、これだけのことを実現できるのだ」とある意味納得した。決して手放しでハッピーな子ども時代をすごした人ではない。いじめ、非行…。彼女自身の子ども時代の体験が、今のマザーハウスの理念にこめられているのだと思う。バングラデシュで、ファッションビジネスという方法でもって本当の意味で途上国を勇気付けている人だと思った。

支援が、助けが必要な人たちに、本当の意味で必要な支援とは何か?
私は、見かけは援助に見えてもその人たちを弱らせ、その人たちの支援が必要な状況を継続する枠組みを補強、あるいは加担していることがあると思っている。それは、もちろん途上国と先進国という話だけではない。私は、彼女のように枠にとらわれず広い視野でもって、面白い方法で楽しみながらやっているんだろうか。そんなふうに考えさせられた。

今年の5月に山口さんがバングラデシュのサイクロンを受けて作ったバッグシリーズである「連鎖」というタイトルのバッグを購入した。持っているだけで勇気をもらう。同じバッグをそれぞれの現場でチャレンジをする友人たちが偶然購入し、なんだかそのことも連帯感を感じている。先日、代表の中村さんもバッグを購入。(写真は、マザーハウス代官山店。)広がるマザーハウスの輪。マザーハウスは、バングラデシュのストリートで生きる子どもたちにおうちを、という意味もこめられている。27歳の彼女とその仲間たちのチャレンジを見守りながら、応援しながら、私も私の現場でチャレンジしていたいと思う。


(ぴぴこ、CVVニュースレター第8号 2008年10月より)

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