(つつましく かげでむれさく シャガのあさ)
青蓮院の慈鎮(慈円)(天台座主)が、鎌倉時代初期に
安養寺を築き、鎮守として弁財天を勧請したのが起こりです。
開扉に多宝・釈迦如来が彫られています。
父は摂政、関白の藤原忠通、兄は九条兼実で、
天台座主でありながら、法然や親鸞に理解を示しました。
法然に与えた青蓮院内の一坊跡に、門弟の源智により
勢至堂が建立され、知恩院の元になります。
裏堂に、弁財天の神使いの宇賀神将尊が祀られています。
宝珠を戴いた白蛇です。
宇賀神将尊が、稲荷神に仕える時は、白狐の姿になります。
祇園花街から技芸上達を願う参拝があり、
他に商売繁昌、子孫繁栄、除災招福などの御利益があります。
吉水(きっすい)の井は、法然上人が使った閼伽の水です。
弁財天は、妙音天とも呼ばれます。
この辺りは、「愚管抄」を著した慈鎮和尚、浄土宗開祖の法然上人、
浄土真宗開祖の親鸞上人と、鎌倉時代の歴史が詰まった所です。
見過ごされがちな吉水弁財天ですが、是非お立ち寄り下さい。