第15回1級キャリアコンサルティング技能検定実技面接試験を

今週受検される方も多いようです。

2月13日(金)、14日(土)、15日(日)の3日間、

東京と大阪の2つの会場で、同時に実施されますね。

 

受検前におけるこの試験へのご自身の向き合い方を、

少しでも整えていくためにも、事例指導の面接について、

より柔軟な考えをもってみる、そんなきっかけになればと思い記事を書きます。

 

キャリアコンサルタント同士が互いに学び合う場、

また、事例相談者自身が適切に振り返ることができる場、

つまり事例指導の面接実践において、よく感じることがあります。

 

昨日の記事でも関連していることを書いているのですが、

それは、事例相談者が語る相談者への主観的な事実等に対して、

事例指導者がそれを斜めから捉え、客観性という物差しで正そうとすればするほど、

両者の関係性が崩れていくという現象です。

 

事例相談者は、日々の面接相談支援の現場で相談者と向き合い、

その場の空気や感情の揺れ動きを肌で感じています。

その中で形成された相談者に対する見方や捉え方は事例相談者の主観に基づいたものです。

ただし、これは単なる思い込みや偏見ではなく、

その場にいた人間にしか分からない、手触りのある実感に基づいた事実でもあります。

 

一方、事例指導者という立場になると、

一歩引いたところから冷静に分析しなければならないという意識が働きます。

そのために、たとえば、事例相談者が熱を持って語る主観的な事実を、

事例指導者としては客観性に欠けるものとして捉えてしまいがちです。

そして、その認識のズレや思い込み等を修正することが事例指導であると考え、

冷静な事実確認や論理的な指摘を繰り返していることがあります。

 

こうなると、事例相談者は自分の感じたことを否定されたような気持ちになりそうです。

 

事例相談者自身が、現場で懸命に受け止めてきた相談者の痛みや迷い、

そして自分がそこで感じた葛藤までもが、客観的ではない…

という理由で軽く扱われてしまうように感じる。

 

興味深いのは、この事例指導者と事例相談者の間で起きているやり取りや空気感が、

実は事例相談者と相談者の関係性にも影響しているということです。

 

自分の主観的な感覚を受け入れてもらえなかった事例相談者は、

ある意味自信を失い、相談者に対しても同じように、

相手の主観的な語りを素直に聴けなくなってしまうことがあるのです。

 

本当の意味での客観性とは、

事例相談者の主観を排除することではないと考えます。

むしろ、なぜ事例相談者がそのように感じたのか、

なぜそのようにみえたのかという主観的な事実にこそ、

事例相談者や事例相談者が認識している相談者を理解するための重要なヒントが含まれています。

 

事例指導者がなすべきことは、

事例相談者の認識を改めさせることではないのではないかと考えます。

 

事例相談者がもつその主観的な世界を一旦共有し、

共にその風景を眺めてみることではないでしょうか。

そうすることで初めて、事例相談者は安心して自分の実践を適切に振り返ることができ、

結果として、事例相談者がより客観的で多角的な視点を自ら獲得していくのだと思います。

 

事例指導者が考える正しさで判断するのではなく、

事例相談者というその人が感じた事実を大切にする。

これは現場での相談者支援でも、

また、キャリアコンサルタント同士の学びの場でも変わらない、

対人支援の根底にある態度と姿勢なのかもしれません。