今日の福岡市内は午後から少し天気が崩れています。

まだ雨が降る前に、

昨日と同じ公園を少し息抜き程度に散歩してきました。

 

するとまた桜がちょこちょこと咲き始めていましたよ。

今日の雨が恵みの雨になるといいのですが…。

 

さて、第15回1級キャリアコンサルティング技能検定実技試験結果ですが、

まだお手元に通知書は届いていないかと思います。


すでにWebでの発表をご覧になり、

ご自身と向き合われている方もいらっしゃいます。

 

1級受検者は、基本10年以上の実務経験を持つ、

いわば現場のプロフェッショナル。

※受検資格自体は上記条件だけではありませんが、

実務経験10年以上に相当する人ということになります。


私なりに10年間の受検サポートを通し、一つの共通点を感じることがあります。

それは、その人の経験や知識が足りないから壁にぶつかるのではなく、

むしろこれまで培ってきたその人固有の豊かな人生経験や成功体験が、

時に阻害要因となっているのでは…

ということです。

 

長い年月をかけ実務を重ねていれば、

誰しも無意識のうちに自分なりのうまくいく型や実践の羅針盤みたいなものを身につけます。

これは当然でもあり、

ひとつの成長された姿でもあります。


またこの感覚や知識、技術等が、

現場で効果を発揮することも多々あるでしょう。

これまで多くの実践感を経て、またご自身を支えてきたかけがえのない財産。

だからこそ1級で求められる指導者という立場にあるとき、

この自分の正解なりが大なり小なり思わず邪魔をしてしまうことがあるように思います。

 

よかれと思って自分の経験というレンズやフィルターを通していることで、

目の前の相手(事例相談者)のありのままの姿や、

相手自身の特徴、その人の繊細な気づきのプロセスがみえにくくなってしまうことがあるかもしれません。

 

鍵となるのが、

これまで自分自身が握りしめてきた自分の型や成功体験を一度わきに置いてみる、

というプロセスなのかもしれないのです。


これは過去や今の自己を否定することではありません。


学びほぐしといわれるもので、

それは何年なにをやればいいとか、

毎回新たな刺激や情報を通して得られるものでもないのです。


例えば同じ学習環境に置かれていても、

自らが自身の行動の中で省察を繰り返していく作業でもあり、

これまで背負ってきた経験などから得た価値観という大切な資源をわきに置き、

両手を全く空にして、まっさら状態で、

目の前の人に向き合ってみる。


自ら答えを示すのではなく、

目の前の相手が自ら気にしていることに気づく。

そのための大きな器になってみるということが重要なのかもしれません。


この作業…

到底ひとりでできることではないと感じます。


そして何か環境を変えたらいいわけでもなく、

自らが変容していく過程のもがきそのものでもあるのかもしれません。

 

例えば、同じ環境下において、

自身のこれまでのやり方等をわきに置くことは勇気と覚悟がいりますし、

不安定さと不安を伴うかもしれません。


この手放すような体験プロセスを本当に経たとき、

過去と今ある豊かな経験知は、

固まった正解的なもの、合理的なものから、

不確実で柔軟な、

ダイナミックな発想へと変化していき、

事例指導者として、事例相談者の内的な次元へ進むための資源となり得るのではないかと思うのです。


これは1級に合格された人もそうでない人も、

これからも持続的に取り組んでほしいとことでもあります。

 

そして試験に焦点を当てると、

1級実技試験の合格率8.54%という数字は、

単なる厳しい門前払いではないはず。


これまでのご自身の大切な独自のキャリアを、

改めて未来のために振り返りながら、

喜びや辛さ、苦しさなど、抱えているものを整理しながら、

事例指導者として、また変容していくための豊かな手がかりにもなるのだと思います。

 

今回、1級合格を得られた方は、

この手放すプロセスという痛みと不安を乗り越えようと、

ご自身の器を広げられた方、

もしくはその意識を最後までもって臨んだ方なのかもしれません。

その体験を振り返ることもこれからの資源になるはずです。

 

また、試験がどのような結果であれ、

個々の経験知や積み重ねてきていることをいかに豊かに自己内に意味づけられるかが、

今後のご自身の諸活動を支える確かな力になる。

これをどれだけ信じられるのかが重要なのではないかと思います。