今日、日本キャリア・カウンセリング研究会(JCC)から季刊誌120号が届きました。
封筒を開けると…なんと!
このようなチラシが^ ^
1級の論述試験では、与えられた事例問題を通し、自分の考えを記述します。
それは単なる「答え合わせ」や「指摘」ではなく、
事例相談者の立場を通し、背景や文脈を推測・理解しながら、
複数の可能性を検討して仮説を立てていくある意味高次で複雑なプロセスです。
ここにこそ、事例指導者としての役割があらわれるのではないかと思います。
短絡的に「型に当てはめればよい」「合格者の真似をすればいい」
と考えてしまうことは相当危ういのです。
試験本番でよく起きることとして想像できるのですが、
「焦ってしまって、事例問題を表面的にしか読めなかった」
と感じることです。
しかし、一部の方は、
結果的に要点をしっかりと捉えた解答になっているという現象があるのです。
実はこれは偶然ではないと考えます。
日頃から事例記録を立体的・深層的に読む習慣が身についている場合、
無意識レベルでの処理が働くといわれます。
普段の訓練から形成された認知的なプロセスが自動化されて、
「それほどわかっているつもりはなかったのに結果的に本質を押さえていた」
という状態が生まれることがあります。
学習というものは「宣言的な知識」から始まって、
「手続き的な知識」へと移行しながら、最終的には「自動化」に至ることがあります。
※公認心理士の試験でも出題されていますよね。
最初は頭で考えながら処理していたことが、
反復した訓練によって無意識にできるようになる。
さらに経験を通じ形成されるスキーマ(情報を整理する枠組み)は、
複雑な事例に直面したときでも、
脳が効率的に情報を抽出し、短時間で本質的な構造を掴む助けになることもあるのです。
試験本番では、確かに緊張によって認知負荷が高まりますが、
自動化されたスキルというものは、認知負荷をそれほど必要としないはず。
ですから、試験という特別な場面、焦りの中でも、
日頃の本質的な訓練が無意識に滲み出るように働くのです。
単なる「型の暗記」ではそうはいきません。
深い理解を積み重ねてきた結果として起きる現象なのだと実感しています。
こうした訓練のポイントは、
過去問などの事例記録を読むときに「立体的な視点」を持つことです。
これはブログを書き始めた当初から記事にしていることです。
事例相談者がとらえた相談者の語りを多面的に理解しながら、
さらに事例相談者の関わり等に注目していく。
こうした読み取り方は事例相談者の認識や推論の枠組みを意識でき、
さらに相談者との関係性の動的な変化にも敏感になれます。
こうした視点を繰り返し訓練し磨くことで、
試験本番の時間制限や緊張の中でも、自然と深い読みができるようになります。
1級を目指すということは、
キャリアコンサルタントとして「相談者への実践的支援力」をさらに高めることもありますが、
事例指導の実践場面(実技)においては、目の前にいる事例相談者を育成する視点を持つことが不可欠となります。
試験でも平面的・短絡的な処理を神聖化する風潮に流されず、
それぞれの方が「事例を立体的、ある意味、複眼的・複層的に読む力」を強みにしてほしいです。
答案の出来栄えではなく、そのプロセスにこそ専門性の特性や持ち味が醸し出されていくのではないかと考えます。
ぜひ、受検対策・試験勉強、そして実践を通し、
そうした本質を自己の中に豊かに育んでほしいと思います。
