本日、10月最終日となりました。

本当に一日一日が次々と過ぎていく感じがします。

 

さて、引き続き、先日アップいたしました「練習問題③」の事例を活用し、

1級キャリアコンサルティング技能検定実技論述試験について考えてみたいと思います。

 

今回の記事では1級論述問題の問4について取り上げます。

※先日アップした事例問題は以下のURLから確認いただけます。

https://ameblo.jp/cvclab/entry-12940651787.html

 

問4 事例相談者Bの相談者Aへの対応について問題だと思うことは何か。

事例に基づいて記述せよ。

 

上記の通り、

1級キャリアコンサルティング技能検定実技論述試験のこの問いを考えるとき、

いくつか留意すべき点があるように思います。

 

まず、頻繁にこのブログで記していることについて…

「次の文章は、事例相談者(B)が相談者(A)とのキャリアコンサルティングについて事例指導をうけるためにまとめたものである。この事例を読み、以下の問いに答えなさい。」

という前提です。

 

これを頭に入れておくだけでも、

単にBの対応問題箇所をキャリアコンサルティングマニュアル等に沿って原則的、

かつ論理的に記述すればいいのだ…とはならないと思います。

 

また、この設問は「問題点の指摘」に焦点を当てている質問です。

事例相談者Bへの過剰な是認・承認説明等は不要なのかもしれませんし、

それは問5の事例指導方法の具体に取り入れてみる方がいいのかもしれません。

 

さらに、問4で問われていない、Bに対する未来の提案や理論の説明等は、

特段求められていない可能性もあります。

そもそも試験の趣旨からすると、

学科試験で問われている理論や学者名を実技試験でわざわざ記載することは、

かえって貴重な文字表現スペースを奪うことにもなり得るのです。

※理論名、学者名を記述してはいけないということではありません。

理論の実際・実践内容を実技として記述する方が適切でしょうし、

わざわざその理論の説明を記述すること自体、意味がないように感じます。

 

記述されている事例にある語りやそのまとめ方を丁寧に扱い、

事例記録に基づいて、成長支援のための課題が見出せる問題点を、

具体的に示すことが重視されるのでしょう。

 

そして「断定的な表現」「理論や学者名の記述」「具体のない抽象的な言葉」といった点は、

実技の本質に沿って考えてみると、ナンセンスにもなるのかも。

 

例えば、上記の3つ目に記した「抽象的な言葉」という点では、

キャリアコンサルタントが頻発して使用する「内面理解が不足」「掘り下げが足りない」といった言葉。

こうした表現も該当するでしょう。表現が神聖化され過ぎているのです。

何をどう確認すべきだったのかが不明確になりやすい感じです。

 

キャリアコンサルタント同士のあるある的な言葉を安易に使わず、

そこで何を確認すべきだったのかを明確にすること、

そしてその問題点が面談全体の中で概念化するとどういうことになるのか、

これを具体的に説明する訓練を行うことも大切かもしれません。

 

さらに加えて、

問4での問題点の中には、事例相談者B自身の学びにダイレクトにつながる視点、

つまり事例相談者Bが一番気にしている、この支援でこだわっている、等々、

これらを指導者が理解して含めることが、

事例指導面接の効果を高めるうえで欠かせないと考えられます。

 

避けたい表現としても、いくつか挙げられるかもしれません。

例えば、根拠もなく「〜ができていない」といった断定的な言い方は、

事例指導関係性に影響を与えることがあります。

 

この1級論述試験では、

事例に基づく記述を丁寧に拾い、問題がどの段階で生じたのか、課題は何かを示しながら、

その現象が起こった理由や本質を具体的に記述することが求められているように思います。

 

事例相談者が自身の支援スタイルを丁寧に振り返り、

学びにつなげられるような視点を含めることが、

事例指導者としての質を高める鍵になるのではないでしょうか。

 

偉そうに記事を書いていますが、

ちょっぴりだけでも上記のことに触れた表現で考えてみると、

一例として、

 

「『会社に愛想が尽きた』『社長の独断で決まる』という言葉を、失望感や不満として受け止め、そこに含まれるAにとっての意味を確認する働きかけが不足していたことが問題だと考えられる。これは面談の中で相談者が真に伝えたかった思いや認識に近づく過程が弱いのかもしれない。また『家族には余計な心配をかけたくない』と語った点は、A自身の転職や現職継続の意思や決断に関わる要素になることもあり、Bの対応記録にはこの意味合いを共有する場面がなく、家族との関係や経済的な優先順位等を確認することは、背景を尋ねる対応がないことも問題となり得る。これらから相談者が求めていることの理解が乏しく、面談の深まりを妨げた可能性がある。なお、Bが『求人情報を見ながら整理』という方法に進もうとしたこと自体が、その後のAの語りを広げる質問や確認の機会が狭まった可能性もあり、それが面談中断の一因とも考えられる。」

 

といった感じにも記述できるかもしれません。

次回は、この事例を活用して問5を考えてみたいと思います。