昨夜21時頃、CVCLAB主催1級キャリアコンサルティング技能検定試験対策講座(8月開催分)の予約開始のご案内を行なっています。

※講座受講および講座ご案内をご希望の方対象にメールをお送りしています。

 

おかげさまで、大阪会場および横浜会場で土曜日に開催予定の講座は満席となりました。

ご予約いただいた方々、どうもありがとうございます。

なお、本日現在、下記会場と日程について、それぞれ1席〜3席のご用意できます。

受講をご希望の方は、昨夜ご案内の講座予約URLからお手続きをお願いいたします。

 

※下記は6月24日(火)午前現在の情報です。

6月25日AM6時現在更新

【大阪会場】8月24日(日)1席

【横浜会場】8月30日(土)1席

【Zoom・論述前編】8月12日(火)19時〜1席

 

そして、今夜はオンラインでCVCLAB1級実技面接対策講座後編を開催いたします。

この6月での後編のプログラムは、

事例指導の面接基礎を考え深めていく今年度における最初で最後の内容となります。

講師が選択した言葉や表現、語気等が、各節目において、

受講者様それぞれにとっての内的な認知や感情への呼び水ともなるかと思います。

グループメンバーでの話し合いが色んな意味で活性化されることを願っています。

 

なお、今月の講座は、

来月からプログラムしているロールプレイや口頭試問の実践練習について、

より多角的な視点から考えられる場面をつくっていくための諸準備にあたると考えています。

 

画面越しではございますが、

今夜、皆様にお会いできることを心から楽しみにしています。

 

さて、今回の記事では、

1級キャリアコンサルティング技能検定実技論述試験の問4について考えてみたいと思います。

 

問4 事例相談者Bの相談者Aへの対応について問題だと思うことは何か。

事例に基づいて記述せよ。 

 

上記の問いは直近過去問の問4です。

 

事例相談者Bの対応についての問題を記述する際は、

まず、事例相談者Bが面談でどのような対応(質問、助言、共感など)を行っているか、

改めて整理してみたいものです。

 

その上で、それが相談者Aの感情・思考・行動にどう影響したかを味わいながら理解を深め、

関係構築や維持、行動変容への動機づけの観点等から評価してみることです。

 

現実的な対応について、相談者Aの状況とニーズの多角的な理解が必要です。

 

例えば、

 

相談者Aが、どのような経緯で今の出来事に直面しているのか、

現在の具体的な状況(職歴や職場からの要求、その認識、経済的な状況、家族との関係性など)を深く理解していくことができているか、

それが表面的な情報だけでなく、背後にある相談者Aが抱く価値観等に耳を傾けることができていそうか。

 

また相談者Aが言葉にしている不安、恐れ、怒り、喪失感など、

相談するきっかけになった出来事に伴う様々な感情や価値観を表現できるよう促しているか、

さらにそれを否定せずに受け止め、共感する対応ができているか。

つまり、相談者Aが安心して気持ちや訴えを表出できる安全な場の提供になっているか。

 

相談者Aが困難な状況にあると感じていても、

多くの場合、ひとは何らかの強みや活用できそうな資源(相談者Aが持つスキルや経験、人的なネットワーク等)を持っています。

※自覚されているか否かは別として…。

 

本人自らが語ることができる強み発見の場面の創造、その経験の意味づけ等の側面的なサポート対応は、

本人の自己肯定感や自己効力感を高め、問題解決への(未来を切り拓く)意欲を引き出すことがあります。

それはまた、相談者A自身が本当に何を大切にしたいのか、

どのような働き方や生き方を望んでいるのかを共有することにもつながるかもしれません。

 

事例相談者Bが、そうした対応ができている場面がありそうか、

なければ、どうしてそうした対応をしていないのか、

ぜひ、事例から背景にあるものを見立てながら対応の問題を考えてみてほしいと思います。

 

そして事例相談者Bのやっていることが、短期的な解決を目指したものだけでなく、

中長期的なキャリアビジョンや人生の目標を一緒に描くことができているか、

具体的な行動に繋がりやすくなるように配慮しているかなども重要です。

 

さらに、事例内容によっては、

心理的なサポートとレジリエンスの向上をテーマにすることも必要です。

 

例えば、転機においては、これまでのキャリアや自分自身を否定的に捉えがちです。

相談者Aの大小なりの努力や成果を理解し、ポジティブな側面を強調することで、自己肯定感を高めることにつながることも多いものです。

 

事例相談者Bがそうした対応をしていないとすればどうしてなのか。

 

本来、不安やプレッシャーに対する具体的な対処法(リラクセーション、マインドフルネス、運動、休息の取り方など)を提案し実践を促すこともあります。

必要に応じ、産業保健スタッフ等との連携も視野に入れることもあります。

場合によって、相談者Aが精神的に孤立しないよう、

家族、友人、上司、同僚、専門家、支援団体等、利用可能なソーシャルサポートを特定し、

その活用を促すための方法を具体的に考えます。

時には、相談者A自身がサポートネットワークを構築できるよう手助けすることも必要です。

困難な状況から立ち直る力であるレジリエンスを高めるためにも、

過去の逆境を乗り越えた経験を一緒にリフレクション作業をしたり、

ポジティブな思考パターンを促したりすることも対応として重要かもしれません。

 

色々書きましたが、事例相談者Bがキャリア形成支援をどのように考えているのかによって、

そのアクションが異なるはずです。

 

ですから、事例相談者B自身がこの事例の支援でこだわっている点や、

認知的な不協和が生じている点などに理解を寄せつつ、

相談者Aが訴えたことや取り組むべきことと、事例相談者Bの対応がどこまですり合わせできているかを確認することが、この問4での解答の深みにつながるのではないでしょうか。

 

事例の記述から問題点の仮説を形成し、

事例相談者Bの自己評価と比較検討することで、より客観的かつ深い問題点の抽出を目指したいものです。

 

こうした観点を総合的に用いることで、

職業人生の転機に直面する相談者Aに対し、単なる情報提供や時期尚早の解決志向に留まらない、

その人固有の複雑な状況に寄り添った、実りある対応(支援)を提供することが可能になるのだとイメージします。

 

次回は、今回の問4での考え方をもとにして、問5について記事にしたいと思います。