今朝の大阪も晴れてはいますが、やや雲が目立つ感じのお天気です。

予報によれば、今日一日、晴れから曇りに変わっていくようです。

週末の日曜日なので、お出掛けされている方も多く、

なんとかお天気がもってくれるといいのですが…。

 

昨日に引き続き、

本日も大阪にて1級キャリアコンサルティング技能検定実技(論述・面接)試験対策講座を開催いたします。

昨日と本日、両日ともに各6名様での学びの場となります。

その場での各自の様々な気づきや疑問が交わし合われ、

教科書やマニュアルにはない唯一この場にしかない学習がお互いに養われていきます。

 

本日ご参加の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

素敵な学びの場となるよう、精一杯務めてまいります。

会場までお気をつけてお越しください。

 

さて、第15回1級キャリアコンサルティング技能検定実技(論述)試験の受検において、

この試験は実践的思考力を問う重要な要素があり、それを測定する試験です。

 

単に知識を記述するだけでなく、事例を通じてキャリアコンサルタントとしての深い洞察力と問題解決能力を示すことが求められるはず。

 

訓練として重要なのは、

論述の過去問における各設問に対する思考プロセスを整理し、

指導者としての自分自身の見立てを深めることです。

 

こうした事前準備等の自学を通して、講座等への参加場面では、

例えば、グループワークでの気づきを促し、実践的な視点を養うことができるのだと思います。

 

論述試験の設問は、相談者Aの「問題」の記述、

相談者A自身が問題を解決するために取り組むべきこと、

活用可能な社会的ネットワーク、

事例相談者Bの相談者Aへの対応における問題点、

そして事例指導における具体的な指導内容に焦点を当てています。

 

これらの設問に取り組む際には、

論述が事例指導の実技であることを忘れずに、

事例相談者Bが相談者Aの訴えをどのように認識しているかを通して、

表面的な訴えだけでなく、文脈や背景にある相談者Aの価値観、葛藤、発達課題、

さらには直接表現されていないニーズや感情にまで着目することが不可欠です。

 

今回の記事は、先ず、直近過去問の問1と問2についてフォーカスして書きます。

 

問1で問われているのは相談者Aの訴え、つまりクライエント(CL)視点での問題です。

問2は相談者A自身が問題解決のために取り組むこと、

つまりキャリアコンサルタント(CC)視点での問題が考える際の起点になります。

 

しかしこれをそのまま直接的に考えてしまうと、

事例指導者(受検者)=相談者Aを担当するキャリアコンサルタントになってしまいます。

 

ここが興味深いところです。

 

1級技能検定は、事例指導の実技場面を前提に考える必要があります。

事例指導を実践的に進めていく上で外せないポイントが論述試験の設問になっています。

 

どの問いを考える際にも、

単に事例指導者の視点だけでの見立てに留まるようでは、

双方向的な事例指導にはなりません。

 

事例相談者Bが相談者Aの訴えをどのように理解しているかを読み解き、

その理解が一面的ではないか、あるいは過剰に問題志向的ではないか、

共感的すぎないかなどを吟味する視点が重要です。

 

相談者Aにとって意味のある問題として再構成する姿勢、

つまり相談者Aをイメージし直し、内的な枠組みに寄り添う姿勢を持つことが求められるでしょう。

 

事例指導の目的は、

事例相談者Bが自身の面談を振り返り、学びを深め、今後の成長に繋げることです。

それが今後における相談者へのよりよい支援を目指すことにもなります。

 

したがって、相談者Aの訴えを直接的に捉えるだけでなく、

事例相談者Bがそれをどのように捉え、どのような見立てを持っているのかを理解することが重要となるのです。

 

事例相談者Bの記述には、

面談を通して感じた相談者Aの問題、

考えられる背景要因、立てた仮説などが含まれており、

事例指導者はこれを丁寧に読み解く必要があります。

 

一方で「尊重する」というのは、

事例相談者Bの捉えをそのまま鵜呑みにするということではありません。

事例指導者は、事例相談者Bの捉え方の根拠や視点を理解した上で、

客観的な視点や知識に基づいて、その妥当性や補完すべき点を検討する姿勢が求められるはずです。

 

そして、相談者A自身が問題を解決するために取り組むべきことを検討する際には、

まず事例相談者Bの見立てを理解し評価することが出発点となります。

事例相談者Bが相談者Aの「問題」をどのように見立てているのか、どのような解決の方向性を見出しているのかを把握し、

その妥当性、深さ、広がりを評価してみる。

 

その上で、事例指導者として自身の見立てを構築し、事例相談者Bの良い点を活かしつつ、

不足している視点や新たな可能性を補完するような視点を意識することが重要です。

 

最終的に、相談者A自身が主体的に取り組めること、

現実的に実行可能な行動であること、

短期的な取り組みと長期的な視点の両方を示すこと、

そして事例指導者の見立てと整合性があることを考慮し、

具体的な取り組みを記述したいものです。

 

事例相談者Bにとってのロールモデル化を意識し、

事例相談者Bが解答を読むことで、

相談者Aへの具体的な支援策を考えるヒントを得られるように意識することも有益かもしれませんね。

 

次回は、問3の社会的ネットワークに関して改めて記事にしたいと思います。