昨日から九州では、

エリアによって雨が土砂降りのところがあり被害が出ていると報道されています。

予測し難い「線状降水帯」の発生等によって想定外の災害が発生することもあります。

最新の情報をこまめに確認して、その時々での対応等を心がけてくださいね。

 

さて、今夜はオンラインで1級キャリアコンサルティング技能検定論述試験対策講座を開催いたします。

ご予約いただいた方、どうぞよろしくお願いいたします。

 

この6月の前編(論述講座)は、

4月と5月に学んできたことをアウトプットしていく内容です。

1級論述過去問事例を使い、

皆様とご一緒に短時間でアウトプットしていく体験をいたします。

事例指導の実技として各問で問われていることを改めて深めていき、

各5問について多様な意見を交わし合う場は、

まさにダイナミックで教科書やマニュアルでは得られない価値があります。

 

そして今回の体験からそれぞれに課題を見つけていただき、

来月7月からは、再び、じっくり時間を使い、論述の各問について、

各自での考えを深めていくプログラムをご提供していく予定です。

 

今夜、皆様とお会いできることを心から楽しみにしています。

 

今回のブログ記事ですが、昨日に続き、

第13回1級キャリアコンサルティング技能検定実技論述事例問題を使って、

直近過去問(第14回)の各問に置き換えて【問2】について考えてみます。

 

問2 あなたが考える見立てに基づき、相談者A自身が問題を解決するために取り組むべき

ことは何か、記述せよ。

 

この問2は 「相談者Aが自ら取り組むべきこと」にフォーカスする設問です。

 

この問いにおいて勘違いしやすいこととして、

事例相談者Bやキャリアコンサルタントが相談者Aに対して何をするかを直接的に表現している…

といった設問からズレた解答になっていることもあるようです。

 

勿論、この事例自体は、事例相談者Bが事例指導をうけるためにまとめた事例ですから、

事例相談者Bが相談者Aに対してどのようなキャリアコンサルティングを行うことが適切そうかを考えることも必要な思考プロセスになるはずです。

ただ、「相談者A自身が問題を解決するために取り組むべきこと」と問われているわけですから、その問いに答えていることが重要です。

 

また、「あなたが考える見立てに基づき」という問いかけに対して、

事例指導者としての見立てというものを勘違いしてしまう場合もあります。

 

事例指導の面接の場面における事例指導者の見立ての実践というものは、

なんといっても、目の前に居る事例相談者Bの見立てを包含するものになるのではないでしょうか。

 

つまり、事例指導の実践場面における「あなたが考える見立て」という言葉の意味は、

単に、事例相談者や事例指導者が行う個人的な判断ではなく、

事例指導者が事例相談者の理解や捉え方を丁寧に含んだうえで、

両者の認識を重ね合わせて形成される、ある種の共同的な理解の枠組みなのだと考えます。

 

お話が少しそれますが…

 

事例相談者や事例指導者のそれぞれが持つ「視点」は、

あくまで主観的・個別的な見え方に留まるわけです。

 

要するにこの問いで、「あなたの視点に基づき」と問われれば、

「あなたが何に気づいたか」「どう感じたか」という段階にあります。

 

「あなたの見立てに基づき」は、そこに事例指導者の補助線が引かれ、

構造化された見解としての『見立て』に昇華されているというイメージです。

 

事例指導の目的が「事例相談者の成長と専門性の向上」にある以上、

事例指導者は、事例相談者の見立てにも耳を傾けながら、

それを「あなたの見立て」へと発展させる支援者でもあるのだということ。

この過程において事例指導者自身の視点や見立ても開示されて、

一方向的ではない相互参与的なプロセスが生まれるのではないでしょうか。

 

お話を戻し…

「相談者A自身が主体的に取り組むこと」をしっかり主軸に据えつつ、

事例相談者やキャリアコンサルタントの余計な行動(支援)描写を加えない、

これを解答する際は意識したいところです。

 

一方、問2の解答表現の中では、

「相談者A自身がどう取り組むか」に焦点を当てつつ、

事例相談者Bがどう寄り添いながらキャリア形成支援をするかの「含み」が全体にあることも大事なのです。

直接的に事例相談者Bの言動や支援行動を記していなくても、

「支援関係の枠組み」が見える構成が重要だと考えます。

 

そして、相談者A自身の具体的な行動としては、

机上の空論ではなく相談者Aの現場に即していること。

リアルな職業生活設計(仕事面だけではありません)支援が文面から何気に伝わること。

 

一例で第13回の事例を取りあげてみると、

支援プロセスの広がりという面を想像した際、

相談者Aの心理的な負担、価値観の点検、職場での役割認識の理解深化、

将来的な役割の予測と折り合い、家庭との調整という時間軸と関係軸にわたる展開、

このようにある程度構造的に描かれていることも必要です。

これは、キャリアコンサルタントとしての力量が伝わる内容にもなると思います。

 

気をつけて欲しいのは、相談者A自身の行動視点で書かれているかということ、

そこに直接的ではなくても、事例相談者Bの側面支援が必要であることが伝わること、

こうした微妙な感覚が文字に表れるようにしたいところです。

 

すべて主語はA自身の行動になっており、

事例相談者Bやキャリアコンサルタントの介入が描かれていないこと、

これは問2で問われていることにつながります。

 

最後に、よくあるのが理論や抽象表現に依存していること。

キャリアコンサルタントの「あるある」理論的解釈としてではないことが大切です。

 

次回は問3について考えてみたいと思います。