本日と明日、東京でのお仕事があるため、
朝一番の飛行機で羽田へ移動し、今朝10時頃、有楽町付近にやってきました。
どこを歩いても外国の方が多くて、
なんとなく海外に来ているみたいな感覚にもなります。
そして都内で仕事をするときは時間があればランチはここ。
知る人ぞ知る「ジャポネ」さん。
※この光景…午前10時40分頃です(苦笑)
平日は10時30分から営業されているのですが、
午前中は常にサラリーマンやOLさんがずらっと並んでいるのです。
まだ11時前ですが皆さんお仕事休憩中?なのでしょうか。
私も人のことは言えませんね…汗
このお店で人気のメニュー「ジャリコ」が私のいつもの定番。
お腹がいっぱいになってしまうと午後からお仕事にならないので、
私はいつもレギュラーサイズです。
これがとっても癖になる味わいなのですよ!
さて、今回の記事では、
昨日までの記事に連動した内容を少し掘り下げてみます。
1級キャリアコンサルティング技能士を目指す方の内面を想像しながら描いていきたいと思います。少しでも寄り添えるような記事にしたいです。
1級キャリアコンサルティング技能検定実技試験には論述と面接の試験があり、
中でもわりと論述が苦手だとおっしゃる方は多いと思います。
また、時折論述の解答を添削?されることを望まれる方もいらっしゃる実態があります。
これは添削する側もされる側も、
本来大切にするべきことに意識が向けられていない可能性もあるのかもしれません。
人のキャリア形成支援に携わるうえで、
心理的支援には「唯一の正解がない」「個別性を尊重する」ことを前提としています。
試験という一般的な性質上から
「模範解答」や「添削」といった言葉が当然のように使われる場面もあります。
しかし、それらの考え方が疑いなく正当なものとして受け入れられてしまうと、
指導レベルキャリアコンサルタントを目指す人たちが本来大切にしたい柔軟性や自律性を損ねてしまう可能性があるように思います。
特に論述試験のような場面では、
模範解答に「正しさ」を求めすぎることで、
自分の視点や経験を引っ込めてしまったり、
書くことが「再現」になり深まりや主体性を欠くことにもつながります。
特に危惧することは、他者の価値観に従って自分を評価するようになるといったリスクが生じ得ます。
「さまざまな視点に触れ自分の考えを相対化する」
「表現の幅や構成の工夫を学ぶ材料として書籍を読む」
「自身の言葉で語るためのきっかけをつくる」
といった行動をとるための意識を持つことがキャリアコンサルタントとしての成長や自律性を支えることになるかと思います。
これは模範解答や添削を行う講師に立つ側、
そして受講する方も心得ておかなければならないことになると考えます。
キャリア形成支援者として実践を積み、次なるステップとして、
指導レベルキャリアコンサルタント(1級技能士)を目指す道を選ぶ方、
年々少しずつではありますが増えているのだと思います。
これは受検者数だけで把握できるものではありません。
※まだまだ足りないところだと思うのですが…。
実務経験や専門性に加え、
他者を支える姿勢や人間的な成熟が求められる指導レベルキャリアコンサルタントという役割。
この1級試験には学科試験は勿論、
事例指導の場面における実技(論述・面接)試験がこのライセンス取得への重要なポイントにもなります。
なかでも「論述試験」に対して強い苦手意識を抱く方は少なくありません。
「話すのはわりと大丈夫だけれど文章を書くとなるとどうしていいか分からない」
「自分の考えに自信が持てない」「時間内に書ききれない」
こうした声は、
例年のように受講者様から聞かれます。
それは単に文章力の問題や課題にとどまらず、
キャリアコンサルタントならではの感性や姿勢が影響していることも少なくないと思います。
ここでは論述試験に苦手意識を持つ場合の背景にある要因のいくつかを想像し、
それぞれがどのような経験や思考パターンに根ざしているのかを探ってみます。
例えば、評価されることへの過剰な緊張が考えられるかもしれない…
といった視点があります。
キャリア形成支援者は、日頃からクライエントの語りに寄り添い、
評価することよりも「受けとめること」を重視して活動しているのだと思います。
そうした態度や姿勢を大切にしている方ほど、
論述試験のように「自分が評価される側」に立つことに大きな不安を感じやすくなるかもしれません。
「正解があるはずだ」「採点者の意図を読み取らなければ」といった思いが先行し、
本来自由に展開できるはずの論述が硬直してしまうということです。
また、自分の考えを文章として表すことに抵抗感を持つこともあるのかもしれません。
これは、自分の内面を他者に見せることへの恐れとも言えます。
「こんなことを書いていいのかな」「浅いと思われないかな」と不安になり、
書く手が止まってしまうのです。
これは、自己効力感の低さや過去の否定的な経験の影響が少なくとも関係している場合も考えられます。
そのような考えや気持ち等は、
もしかすると「正しい答え」へのこだわりということもあると想像します。
キャリアコンサルタント同士での訓練では、
個別性やその背景、文脈を大切にし、「唯一の正解はない」という姿勢を重んじます。
にもかかわらず、論述試験の場面では「正しい答えがあるのでは」と思い込んでしまうこともあり、
自身の考えを自由に展開することが難しくなることがあるように思います。
これまで積み重ねてきた実践的な知見や内的な基準よりも、
外部の評価軸に頼ろうとする心の動きともいえるのかもしれないのです。
日常の業務や諸活動では、通常の報告書や記録は書くものの、
手書きも少なくなってきているかもしれませんし、
また、パソコンのキーボードでないと文字を生み出すリズムが掴めない、
発想が豊かに発動しないという現象もあるはずです。
そもそも論理的に展開するような長文を書く機会は少ない方も多いでしょう。
そのため、頭の中ではなんとなく考えがあるのに、
いざ言葉と文章にしようとすると
「何から書けばいいのか分からない」
「論点が散らかってしまう」と感じることがあります。
特に、事例指導やスーパービジョンの理論や立場、
自身のあり方の軸が整理できていない段階では構成も曖昧になりがちになると感じます。
事例指導者としての自分のあり方や価値観がまだ形成途上である場合、
それを言語化することは難しく感じられるはずです。
ぜひ原点ともなる
「何を大切にしているか」
「自分が事例相談者やクライエントをどう見ているか」
が整理されていくことで、
書くべき核が見えてくることがあります。
スーパービジョンや事例指導の実践経験があっても、
上記のような原点的なところがみえていない場合、
自覚的に真に振り返る機会が少ないのかもしれません。
つまり、決して「能力が足りないから」ではなく、
むしろ丁寧に他者を思い、誠実に向き合ってきたからこそ生じる、
感性の裏返しとも言えるのだと考えます。
よくいわれることでもありますが、
大切なのは、こうした自分の傾向等に気づき、善きところを伸ばすこと、
そしてそれを伸ばしていくことで改善点が補完されていくことを実感できるように工夫を重ねることだと思うのです。
できることから一歩ずつ取り組むことをおすすめします。
一例ですが、
小さな文章作成の練習から始める(記録の整理、短いエッセイなど)ことや、
学び仲間の考えや表現等を「自分との違いを見つける材料」として捉え、
自分の認識を見直すきっかけとしてみるとか、
グループワークなどを通じ複数の表現スタイルに触れ、自分のスタイルを育てていくことが大事です。
そしてスーパービジョンや事例指導面接の経験を語り、
言語化する場(グループワーク等)を持つことも、試験対策に有益なアクションです。
過去から今を振り返り「今の自分」の変化や「これからの自己の期待」に目を向けることは、自分一人よりも学び仲間と共に行うことがより効果的です。
論述について誰かの書き方を模倣するのではなく、
他者の表現に出会っても、「自分はどう考えるのか」「自分ならどう書くか」に立ち返ることが必須です。
論述試験は、単なる「知識を問う試験」ではなく、
自己の中にあるスーパービジョン観・事例指導観、クライエントへのまなざしが表れる場ではないかと感じます。
間違えなくご自身の言葉とその記述には、これまでの経験の積み重ねが宿っているはず。
その価値を信じ、意味付け、少しずつ表現の手段を磨いていくことで、
論述はきっと「苦手」から「伝える手段」へと変わっていくはずではないでしょうか。
特に、4月19日の大阪、昨夜のオンラインの講座を受講いただいた方、
今一度、講座での体験と資料を振り返っていただき上記のことを考えてみてほしいと思うのです。