いよいよ10日後には、

新たな1級キャリアコンサルティング技能士が誕生する日。

キャリアコンサルタントの業界における年に一度のひとつの一大イベントです。

たくさんの笑顔が咲くことを願っています。


さて、今回の記事では、

試験と実践のつながりについて考えてみたいと思います。


例えば、

試験と実践の「ズレ」みたいなものと向き合うということがどういうことなのか…

これは毎年1級対策講座を企画していて大切な課題になります。


「試験と実践は違う」

そう考える人は少なくありません。

むしろ多くの場面それが実際なのかもしれません。


どのような試験でも、

定められた条件の中で評価されるものであり、

実践のように流動的な状況や、細かなニュアンス、

レアケース等を含むものではない…

とも表現できるかと思います。


すると

「試験のための準備」と「実践のための準備」は別物だと考え、

試験を突破するためのテクニックや加点ポイントについて、

先回りした試験の対処方法を身につけようとする、

そんな考えが生まれることも自然なのかもしれません。


特に、難易度の高い試験では、

何度も何度も挑戦しながらも結果が出ずに苦しんでいる人もいらっしゃいます。


だからこそ「実践力を上げる努力だけではダメだ」と感じてしまい、

試験をクリアするためのハウツーに頼る気持ちが強くなるのも理解できるように思います。


合格という結果が伴わなければ学ぶ意味がない、

どれだけ本質的な力を磨いても報われないのではないか、

そんな焦りや不安を抱えることもあるのかもしれません。

ときには学習性無力感に近い状態になることもあるかも。


このようなとき自問自答してみることも必要なのだと思います。

私にとって試験は何のためにあるのか…。


例えば「1級合格」という結果を得るためということではなく、

これからの自身の諸活動において機能していくためにあるのではないかと思います。


試験と実践の間にズレがあるのは避けられないにしても、

「試験が求めるもの」は「実践に必要なもの」と何らかの形でつながっていることに、

真に向き合うことができているのかが大切なのだと感じます。


試験に「受かる」ことがゴールなのか…

これを自問自答してみることは意味深いことです。


合格後にそれまでの努力や知識、

技術を活かす場を創造していくのであれば、

試験準備の段階で「実践で使える力を身につける」という覚悟を持つことこそ、

本質的な準備になるのではないかと思います。


一例として、

試験のコツを押さえること自体の善し悪しについては人それぞれでの価値観があるかと思いますが、

一方でそれが「試験合格のためだけのスキル」に終わるのならば、

試験を通過した瞬間からその価値は空洞化してしまうかもしれません。


「試験の攻略法?」と「本質的な力を磨くこと」を両立させる視点が大切です。

※この資格試験に攻略と言えるものがあるのかわかりませんが…。


試験を乗り越える力と実践に活かせる力を伸ばすことは必ずしも相反するものではありません。


合格への道を進みつつ、

その先の未来で通用する自分の力を養う。

このように考えることで、

試験の準備そのものが、より価値あを生み出すものに変化していくのではないでしょうか。