ニューヨークにやってきて本日で早くも3日目となりました。

現在、こちらの時間では2月24日(月)の朝8時です。

 

日本を発つ前の天気予報に反して、

ここ数日間、こちらでは晴れマークになっています。

本日以降、最高気温も明日くらいには10℃近くなるような予報もチラホラ。

今のところ毎日快晴のニューヨーク街を味わっております。

 

昨日通りかかった「カーネギーホール」。

大掛かりな外壁工事をしているそうで、

外観はカーネギーホールの絵になっています^ ^

 
それにしても、
ニューヨークのマンハッタンを歩いていると最初に気づくことに
「異様な臭い」があります。
最初、その臭い源はあちこちに点在するマンホールの穴から
吹き出している湯気からのものかと思っていたのですが…。
実は違っていました。
 
どこにいっても同様の臭みが時折鼻をつきます。
 
歩いていて徐々に…
この独特な臭いの正体が「ひと」から漂っていることがわかったのです。
ニューヨーク州で合法となっている嗜好品「〇〇」でした。
そもそも以前から暗黙のルール??みたいなものが蔓延していたとか。
特に合法化されここ数年で顕著になったとこと。
 
ここではこれ以上話題にはしませんが、
衝撃的なことに、ある年齢以上になると上限があれど、
多くの方が嗜好品として手にしている様子。
調査上ではすでにアルコールを摂取する人数を上回っているそうです。
州の税収事情などを含め、行政的な取り組みの一環でもあるとか。。。
まだ知らないことだらけですが、驚きが隠せないのが本音でもあり、
ある意味色々とバイアスがかかってしまうことも改めて自覚いたしました。
 
さて、今回の記事ですが、
キャリアコンサルタント同士でのスーパービジョンや事例指導において、
実際に重要(最優先)だと考えられることを2つに絞ってみた場合、
どんなことが挙げられそうか、ここで少し触れてみたいと思います。
 
なお、この記事では、
私自身の体験等を通して学びを重ねていることを文字にしています。
いろんな考え方があると思いますので、
この記事に何か刺激を覚えることがあれば、
読者の皆様それぞれに考えてみてもらえたら嬉しく思います。
 
最初に挙げられるものに、
多くのキャリアコンサルタントのベテラン勢の方達が
「倫理観」だとか「門番」のような機能を優先するケースがあるかと思います。
その根底には「すべてはクラエイントのためなのだ」
といった支援職が備える使命感や正義感から発せられることが散見されます。
 

倫理観の重要性を強調する討議場面等では、

確かに「倫理観を最初に教えるべきだ」といった訴えが強くなることがあります。

一方、こうした専門家同士での教育管理等につながる指導者側に偏るアプローチは、

バイジーや事例相談者を萎縮させたり、

また、その人の自己反省に対し、消極的にしてしまうリスクがあること、

これらを知っておくこともとても重要です。

 

1級キャリアコンサルティング技能士を目指す方も、

無意識的にこうした影響を受けているのかもしれません。

指導者という立場、その意味合いにどこかで不自然な昂りを感じたりしていることもあるのだと思います。

 

偏りのある、押し付けている、突きつけているような倫理観、

これはひとを育てるという立場にいる方には多様な視点から考えてみてほしいところです。

 

仮に、事例指導者が倫理観を最初に伝えた場合、

事例相談者にしてみれば「突きつけ」によるプレッシャーや、

不安感の増加を生み出すことだってあるでしょう。

 

業界だけの世界ではなく、

倫理観に関する議論が過度に強調される傾向にあることも確かです。

キャリア形成支援者の中では、

特に経験が浅い事例相談者やバイジーは自己批判的になったり、

常に「間違いを犯さないようにしなければならない」

というプレッシャーを感じてしまうことだってあります。

このような状態では自己表現が抑制されて、

自己肯定感や自己効力感の低下を招く可能性も考えられます。

 

倫理観の問題を考えてもらう場面というものは、

養成講座等で最初の学習場面等でもあります。

それで十分とはここで書くつもりはありませんが、

例えば、事例指導をうけるためにきた事例相談者からすれば、

それは常に頭のどこかで自然に発動していて、

その上でクライエントへの支援を考えていることだっていくらでもあると考えられます。

 

本来、倫理的な判断等は現場実践の中でなるべく自然体で育てていくものでもあり、

過度に強調されると、事例相談者が自信を失い、

日々の業務において直面すべき現実的な問題解決や、

その対応に必要なエネルギーを奪われてしまうかもしれません。

事例相談者が自分の実践に対して過剰に疑問を持ちすぎてしまい、

逆に、成長や学びが滞る恐れもあることを、

事例指導者側が特に学んでほしいことでもあります。

 

こうしたことは、

1級キャリアコンサルティング技能士を目指す場合にも、

置き換えることができます。

他者の失敗、そのやり方や考えを疑うことに焦点が当たり過ぎるということは、

事例相談者のキャリア形成支援者としての自己成長を信じられていない、

指導者として育成的な態度がとれていないことにもなるかもしれません。

 

バイジーや事例相談者が自己肯定感を感じ、

安心して実践に取り組めるように関わることが何より大切です。

倫理的な視点や課題については、実際のケースを通じて学びながら、

少しずつ意識が高まっていく方が事例相談者の成長にとってより効果的です。

最初から倫理観を「教え込む」というのではなく、

事例相談者が自分の行動や決定に対する意識を高められるよう、

関わりの中で少しずつ倫理的な側面を一緒に考えるようなアプローチが望ましいはず。

 
というわけで、本題に触れたいのですが…
(本題までが長かったですがつながることなので)
なんといっても傾聴の態度と姿勢というものは、
ひとと対話を醸成していくうえで最優先に取り上げたいところ。
 
事例指導者は事例相談者の話をしっかりと傾聴することが基本。
 
勿論、ただ話を聞くだけでなく、
受容的、共感的な理解に努めともに感じ、考えていく過程を経て、
お互いに安心感や信頼感を築きます。
事例相談者が自身の課題やモヤモヤ、悩み等をオープンに共有できる環境を作り、
質の高い事例指導の場面を実現していくことにつながるのだと思います。
 

そのためにはフィードバックのバランスを保つ
ことも意識が必要です。

事例指導者は、具体的で肯定的、且つ建設的なフィードバックを提供すること、

これが求められることは言うまでもありません。

 

意外と忘れがちなのは、

フィードバックは「批判的」「評価的」ではなく、

「支持的」にかかわり、そして伝えることが重要であること。

 

改善点ばかりのボリューム感が多い方がいらっしゃいますが、

ポジティブな側面と改善点をバランスよく伝えられる力は育成的かかわりの絶対要素です。

改善の道筋を一緒に考えることができて、

初めて事例相談者が成長可能となる環境を創り出すことだと思います。

事例相談者の自己肯定感や自己効力感を高めること、

これはまず不可欠なのだと実感しています。

 

ここがしっかりと根付くことで、事例相談者は自己反省や成長に向け、

自身で積極的に取り組むことができ、

結果としてキャリア支援職としての質も向上します。

事例相談者が安心して自分の課題に向き合えるようになり、

自己肯定感が高まることによって、

自身の能力を信じて実践に取り組むことができるようになり、

この基盤があるからこそ、より深いフィードバックや倫理的な問題についても、

効果的に伝えることが可能になるということです。

キャリア支援職として、事例相談者が自身の価値を感じられるような関わりが、

長期的な成長支援にダイレクトに響くのだと考えています。

 

倫理観の教育も一貫して進めるべきという声があるのですが、

その前にやることがあるのではないかと思います。

それはキャリア形成支援者自身が、

自己の内面からわきでてくるエネルギーを持って、

自己を表現できる場を提供すること、

ここが結果的に倫理観を深める一歩になるということを、

指導者自身がいつも体験していることです。

 

それが事例相談者の自己成長できる環境を提供できることになり、

この諸活動における倫理観の内面化を促進するのだ…

という点を、業界全体が認識していくことが大切だと感じています。