1級キャリアコンサルティング技能検定実技面接試験を終え、
早い受検日だった方だと2週間が経っていることになりますね。
一方、15日と16日が試験調整日として設定されていたので、
諸々の事情等から、本日または明日、面接受検に臨む方がいらっしゃるのかもしれません。
※協議会HPに第14回のケースが公開されていないことからも色々想像しています。
さて、先日の論述問題の記事に続き、
第14回1級キャリアコンサルティング技能検定実技論述試験問題を活用して、
事例に登場している相談者Aが訴えた問題について考えてみたいと思います。
「問1」にあたるところです。
事例全体を読んでみると、
【相談事例】という項目の最初の文章の塊から感じることですが、
相談者Aの退職前の会社での出来事や状況、情緒面等が多く記されています。
最後の方で退職を選び現状について今が描かれていると思いきや、
すぐに前向きになれない事情から退職前の出来事等に記録が戻り、相談者Aの気持ちの揺れ方が伝わってきます。
【相談事例】の2番目にくる文章の塊では、
概ね、事例相談者B自身のアプローチや今後に向けての提案内容が示されているものになっています。
事例記録の最初に戻ってみても、
【相談者(A)の職場や家族等の状況】に示されている内容において、
ほとんどが退職する前の出来事等が記されていますよね。
ここらあたりを読んで考えてみるだけでも、
この事例相談者Bが相談者Aから話しを受けた際、
ふたりの関係性の中で、事例相談者Bにとってどこが印象深く残っているのか、
どんな相談であると認識しているのか、こうしたところを理解したいと感じました。
つまり、事例相談者Bとして事例指導の面接の中で、
事例指導者にわかってほしいところの要点にもなるのだと考えます。
※この事例が事例相談者Bが事例指導を受けるためにまとめた事例(記録)であることからこのような諸々の角度でケースを掴みます。(私の場合)
相談者Aが訴えた問題はこうしたところに詰まっている感じがします。
相談者Aはこれまで勤めていた会社で2年前にマネージャーとなり、
その際のメンバーはベテランが多かったことから、
自分の仕事に重点を置くことができていた(要するにプレイングマネージャーの役割みたいな感じ)こと、
その後、新人が入社して役割が変化(増加)、仕事の要求度や量と質等に影響があったこと、
それに伴い家庭での役割についてパートナーから心配されるようになったこと、
さらには担当していた新人1名が辞めてしまったという出来事。
こうした一連の話しを事例相談者Bは記録に残しているわけです。
つまり相談者Aは、辞めてしまった会社だけれど、
そこでやり残してしまっている、乗り越えられていない何かがある、
そういうことを訴えているという側面を、
事例相談者Bが俄かに感じ取れているということなのではないでしょうか。
「自己PRに対して強い苦手意識」があるという意味合いには、
自分が管理職として率先垂範しながらマネジメントしていくという任務の難しさはもちろんのこと、
家庭との両立を考えてみたとき、会社を辞めてしまうほどに、
責任のある仕事(役割)を担いながら、家庭の仕事(役割)を担い、
それらを両立する難しさなどを痛感していることもあるかもしれません。
自分ができもしなかったことを自己PR(強み)に転換するということは無責任さを感じる場合もあります。
自分の力に無力感を覚えてしまっている状態など、
その度合いは相談者Aのサインからあらゆることが想定されます。
現実(子どもたちのこと等)を考えると、
自分がどこか無力感を覚えている自己の状態に許せないのかもしれません。
この事例相談者Bの事例記録からは、
そうした相談者Aの思いや訴えが、事例相談者Bを通して感じられます。
今の私が事例をお預かりして、ケースを説明してもらった場合、
そのような要点を事例相談者Bと共に、改めて考えていくだろうと思いました。
次回の記事では、
相談者Aが問題解決するために取り組むべきことを考えてみます。