今回の記事から、
第14回1級キャリアコンサルティング技能検定実技論述試験問題(過去問)を活用して、
事例指導の実際を検討してみたいと思います。
先日の1級面接試験を終え、
ひと息ついていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
試験結果が出るまでのこの期間、
じっくりと振り返りながら自己評価してみることも、
事例指導の本質を深めていく機会にもなると思います。
大変な作業ではありますが、
指導レベルキャリアコンサルタントを目指す者(すでにそうした立場にある方も含めて)として、
自己に向き合う時間をこのような機会に意識してみることは重要なのだと実感いたします。
内発的なものをジワジワとわかせながらお取り組みください。
さて、昨年12月8日に実施された第14回実技論述試験から、
すでに2ヶ月強という月日が経っています。
その間に論述事例問題を使ってロールプレイをおこなってみるなど、
事例指導実践に置き換えながら能動的な振り返りをされている方もいらっしゃいます。
こうした諸活動も、より深い学びとして重要にもなるのだと考えます。
唯一の解がない営みだからこそ、
自己の自律性を育む善き機会になるのかもしれません。
少し話題がそれますが、来月(3月末頃)には、
オンラインで事例指導の面接実践を公開するイベントを企画しています。
事例指導者は私(小林)が担当し、実際の事例指導面接と同様、リアルに実施します。
※1級技能検定試験と同様、30分間で展開されていく面接を味わっていただく予定です。
詳細や予約方法等は後日このブログでお知らせいたします。
※今月末から来月初旬にお知らせできるように準備中です。
※イベント進行上、定員数がございます。予めご了承願います。
お話しは戻り、このブログ記事は、
1級の試験についての模範的なことを書いているわけではなく、
私の今現在の感じ方や考え方、捉え方等、
実際のスーパービジョン等での実践水準で記事にしているものです。
このブログ記事内容を読んでいただき、
ご自身の試験解答との異なりなどがあれば、
そんなところを中心に味わっていただけたら嬉しく思います。
まず、第14回の論述問題の事例について、
おおまかに、事例指導の面接で私が支援上で大切にしたいな…
と思うポイントにつながる点に少し触れてみます。
この事例相談者B(以下Bと記す)は、
相談者A(以下Aと記す)の経験から強みを整理していく方策を大事にしている様子があります。
Aが面接で自分のことが上手く話せないことが不安であるということや、
マネージャーの経験は面接で話せるような内容ではないと思っていることなど、
Aの状態を理解し、自己開示をしつつ励ましながら方策を提示しています。
BはAの「それなら、もう一度やってみようかな」という言葉を受け取って、
次回の約束をしているようです。
ポイントとして、この「やってみようかな」という反応の際にも、
Aの不安そうな表情は消えなかったとしています。
Bの所感にも記されている通り、
(強い苦手意識に焦点を当て)という点もBが支援で大事にしているところだと思います。
「自己PRの整理」という点を、BはAへの支援の要にしているケースなのですから、
事例指導者(受検者)は、まず自分の時期尚早な解釈を入れずに、
Bの支援方針の要となるところを、
最も優先的にして各問を考えていくことが重要ではないでしょうか。
これが実技になるのだと感じます。
「自己PRが苦手な人は多い」
「整理することで自信を持って面接に臨める」
「実は、私も苦手で就活には苦労した、練習をして克服した」
これらのBのAへのアプローチは、
とにかくAの自己PRを改善させたいという表れでもあるのかもしれません。
なのに、
Bがこれを一般化し過ぎているだとか、
ショックだった気持ちが語られているにもかかわらず、Bはそこに寄り添えていない等、
Bのやり方や考えを頭ごなしに指摘するような考え方になっているとすれば、
指導者として残念な感じもします。(あくまで私の感じ方です)
どうかすると、
「家計を支えるために早く再就職したい」
というAに対して、
Bがライフプラン等にかかわる支援ができていない等々、
キャリアコンサルタント「あるある」の考え方を、
ケースに単に当てはめるにとどまってしまうことは実に勿体無いと思います。
キャリアコンサルタントが同じ類の解答を揃えているような状態…
これは実践家として本当によろしくない感じがします。
次回の記事では、引き続き第14回の論述事例を活用して、
ケースを概念化していく過程を書いてみたいと思います。
特に、BはAが不安を抱えている状態を、
このケースを起こす上で何度も振り返っているようなので、
そんな不安と期待の関係性に触れながら、
Bの支援のあり方とそのバランス、
そこにつながる大切な要点を整理していきたいと考えています。