昨夜に続き、
今夜は2日目のオンライン1級キャリアコンサルティング技能検定実技面接試験直前対策講座を開催いたします。
2024年度CVCLAB主催1級対策のオンライン講座は本日最終日となります。
今夜、講座にご予約いただいた方、どうぞよろしくお願いいたします。
明日は平日ですが、東京と大阪で1級面接試験が実施されます。
キャリアコンサルティング協議会の技能検定ホームページに、
本日2月6日現在の情報として
「雪の影響に伴う、今週末の1級面接試験について」
というタイトルのメッセージが掲載されています。
https://www.career-kentei.org/info/26498/
※キャリアコンサルティング協議会ホームページより
上記情報は今後の天候等によって随時更新されることがあるかもしれません。
7日、8日、9日に受検される方は、
特に注意深く確認されることをお勧めいたします。
さて、今回の記事の内容ですが、
探索的な問いかけについて触れます。
事例指導のロールプレイの中で事例相談者の方に自己のケースを通じ、
適切な振り返りをしてもらえるように促したい、働きかけたい、
このように考えていらっしゃる方は多いと思います。
なぜか、問いかけても期待しているような返事がもらえない
なにを言っても、抵抗的な反応しか返ってこない
事例指導の実践や、
事例指導のロールプレイ等でこうした場面を体験したことはありませんか?
練習でもこの現象が多いという方は、
1級面接試験においても同じ類の体験をしていることが割と多いのかもしれません。
この記事の中で、
何かしら納得できるような手がかりみたいなものが少しでもあれば、
ぜひご自身の事例指導の考え方などを見直してみる機会につなげてみてください。
まず、あまりおすすめできないこととして、
事例指導面接のロールプレイに臨む前から、
事例指導者(受検者)が事例相談者の担当しているケースへの見立てをしていることです。
事例相談者のクラエイントへのかかわりの弱いところを見立てることも含みます。
事例相談者の話を聞く前から先にそのようなことをしていることは、
あまりよくない…というか、
実践においてもそのような準備をしているスーパーバイザーや事例指導者は、
どこか相手に対して誘導的な傾向が出ることが多い気がします。
つまり、事例相談者にフォーカスしているようで、
していないことにもなるのかもしれません。
事例指導の場面を
「クライエントにより善き支援をするために正解を求める場」
と考えている事例指導者は、
事例相談者のクライエントへの関わりから問題を探ろうとしてしまいがち。
それでは事例指導の面接にはならないと考えます。
「正解を求める場」「正解らしきものを求める場」
ではないのです。
「事例相談者自身が探索できる場」「主観を大切にする場」
なのだと考えます。
つまり、事例相談者に対して、
事例指導者は「探索するための問い」をその場でデザインしていく必要があります。
こうしたことを心がけている態度が、
事例指導者に備わっていることが重要だと考えています。
探索的質問とは、相手の考えや感情、価値観を深く理解するための問いかけになります。
これらの質問は、事柄の確認にとどまらず、
相手の視点や背景、理由を深く理解していくことができるきっかけになります。
「〇〇さん(事例相談者)はどうしてこの場面でそのように感じたのですか?」
「〇〇さんは今お話しいただいた経験から何を感じられたのですか?」
といった問いかけが典型なのかも。
相手を理解しようと努めている探索的な質問は、
相手との対話がより醸成されて、
豊かなコミュニケーションが生まれるはずです。
あくまで一例ですが、
「〇〇さんがこのクライエント支援で最も重視しているところはどんなところですか?」
「このケースにおいて〇〇さんの中でやろうと思ってできたのはどんなところですか?」
等々、
事例相談者がキャリアコンサルタントとして自身の理解を促す問いかけを、
事例指導者が事例相談者との固有の間の中で、
いつどのように導入するかを工夫することが大切です。
これは、事例相談者に対し、自分のキャリア支援に関する意識を深めるための質問にもなります。
事例相談者が自分が担当したクライエントの様子や行動をどのように感じ意味づけているのか、
そこに付随する感情、価値観等を理解していく質問も効果的なことがあります。
例えば、
「クライエントに提案を試みた際、〇〇さんの中にどんな期待感がありましたか?」
「今お話しいただいた提案が〇〇さんにとってどれだけ重要に感じられたのですか?」
というように、事例相談者の感情面や価値観に焦点を当てた質問を工夫し、
事例相談者への深層の理解を促すことも大切なことかもしれません。
これらは、事例相談者が改めて思い返すことにも繋がり、
この機会が例えば、
「クラエイントのことを時期尚早にわかったつもりになっていたのかも…」
といったような気づきの糸口になる可能性もあります。
事例指導の中では、
事例相談者が自身の思考を整理する手助けとなるような探索的なフィードバックの方法と、そのフィードバックに付随する質問をどう展開するかを日頃から訓練しておくことは大切です。
事例相談者に気づきが生まれた際には、
「今の気づきは今後の〇〇さんの面談にどのような影響があると感じられますか?」
といったように、
常に事例相談者の自己探索を促すことが事例指導には重要ではないかと思います。
一方で、同じような探索的質問でも、
事例相談者の状態が思考活性の段階にないまま、
事例指導者から、無理やり仮説を立てる質問をしたり、
事例相談者の表現を促したりすることがあり、これは逆効果になると感じます。
具体的な場面の例として、
「もしこの問題が解決できるとしたら、他にどのような方法が考えられますか?」
「こうした場面で何か異なるアプローチを考えてみたことはありますか?」
などの問いかけです。
些か強引に、事例相談者の新たな視点やアイデアを引き出そうとしていることがあります。
また、
「もしこの選択肢を選んだ場合、どんな結果が予測されますか?」
「もし他の方法を試したら、どのような変化が見込まれると思いますか?」
といった質問で仮説を押し付けるようなシーン。
「この場面で他に何か考えが浮かびましたか?」
「他に何か考えられることはありませんか?」
という質問を使って、
事例相談者の考えを言葉にさせようとしている場面などもあります。
上記のような問いかけは多くの場合、
事例指導者の誘導的ともとれる、
事例指導の面接方向づけ、そこに期待を込めた質問になることがあります。
事例指導者にとって都合の良い方向等に導くような問いかけは、
傲慢にも感じてしまうことがあるので注意したいところです。
今回は「探索的な質問が気づきを得る」というテーマで、
対話のあり方をみていくような記事を書きました。
明日から受検される方、
皆様の1級合格を心から応援しています!!!
踏ん張ってください!