昨日、1級キャリアコンサルティング技能検定実技面接試験を受検された方、
おつかれさまでした!
いろんな思いがあふれているのではないかと想像しています。
この資格試験の受検は、1級を目指している人にとって、
重要な人生のイベントのひとつになります。
受検後における緊張感の抜け方によっては、
ご自身の体調に影響を及ぼすこともあります。
先ずはご自身の頑張りを労っていただき、
ひと時でもゆっくりできる「間」を取り戻し、大切にしてほしいと願っています。
ご自身についての受検感想をメールでお寄せいただいた方、
どうもありがとうございました。
2月11日の試験最終日の後にお返事できたらと思っています。
しばらく時間を要してしまい誠に申し訳ございませんが、
よろしくお願いいたします。
本日は福岡で1級キャリアコンサルティング技能検定実技面接試験直前対策講座を実施いたします。
一昨日は大阪、昨日は横浜、そして本日は福岡と3日間連日開催しています。
少しでも1級を目指している方の力を支えることができたらと思い、
最後の追い込みをかけております。
今日は平日。
お仕事等を調整し、会場に集まってくださる受講者の皆様、
どうぞよろしくお願いいたします。
お会いできることを楽しみにしています。
さて、今回の記事では、
事例指導のロールプレイなどでも時折観察される
「堂々めぐりになる」「噛み合わない」現象について記事にします。
どうしてそのようなボタンのかけ違いのようになるのか…
どうして空中戦が始まってしまうのか…
そんなことを考えながら文字にしてみます。
なお「こうすればいい」といった記事を書くつもりはありません。
例えば、実際の対話トレーニングにおいて、
相手と噛み合わない要因はいくつかあるのだと思います。
読者の皆様も様々な学習の場で
「話しのペース」
について話題にしたり、
お互いのペースに関しての学びを体験したこともあるかと想像いたします。
これはカウンセラーだけの話ではなく、
例えば、営業マンの営業トークや接客シーン等でも、
このようなトレーニングは常に意識していることが多いです。
一方の人が話しを速く進めよう
(本人は決して早く進めているつもりはない)としている場合、
相手がそのペースに追いつけないことがあります。
これでは噛み合わないですよね。
一例ですが、
自身の意見をわりと早目に強く主張する人の場合、
または、
自分の意見に気づかせようと前のめりな質問をすることが多い場合、
相手は反応する余裕がなくなってしまうでしょう。
囲われる側は嫌な感じがする、居心地が悪いと思う場合が多いと思います。
これでは理解が追い付かないことにもなり対話とならないかもしれません。
また、お互いに異なる前提や期待を持っている場合、
話が噛み合わないことがあります。
「結果を早く出すことが重要だ」
と考えている人に対し、もう一方の人は
「過程を丁寧に進めることが大事だ」
と考えている場合など、
同じテーマについて考えてみたとしても、
まるで異なる方向で話を進めたくなってしまうことがあります。
少し話がそれますが、
オブザーバーの役割からするとこうしたことがリアルに観察できます。
オブザーバーもこれを伝えるべく相手にフィードバックしていく責任があることを理解しておく必要があるように思います。
だからこそ限られた時間でのフィードバックの工夫が必要になるのだと思います。
ここまで記したことは、事例指導の場で、
事例相談者と事例指導者の関係性の中でもよく起こることです。
事例指導者は「こうすべき」という価値観があり、
事例相談者も「こうした方がいい」と思っているわけですから、
そもそもお互いに相容れないわけです。
これを試験でやっていたらもったいない…と思います。
こうした噛み合わなさがお互いの感情を刺激していくことも多いですよね。
一方が感情的になっている場合、
冷静なやり取りが難しくなることがあります。
感情が先行しすぎると話の内容が伝わりにくくなります。
何故なら、相手もその感情に反応することが精一杯になり、
建設的な対話ができなくなるからです。
この現象、事例指導のロールプレイでもわりと観察されます。
お互いに大人のひとであり、キャリアコンサルタントなのですから、
露骨に感情を表出することはないと思います。
しかし…お互いの関係性を観察していると、
ヒシヒシとその悪循環な空気感が漂っているやり取りを観察することがあります。
さらに、話し合いが熱き議論に発展してくると、
知識や理解の差にものを言わせたくなる事例指導者が出てきます。
この状態はすでに事例相談者をみていることにはなりません。
これではお互いに相手が何を言っているのかを正確に理解できない場合もあります。
要するに全く噛み合わない状態となります。
そもそも実技の世界で専門用語や前提知識など、
あえて表現しない方がいい…ということをわかっていながら、
つい指導者側が説得モードに入る際の道具として語り出す。
マウントを取ろうとすることに近いと思います。
その知識や考え方がお互いに共有されているのかどうかもないままに、
そのようなことをしていると対話にならず一方通行になりやすいです。
結局のところ、
こうしたことは全て相手の言うことをしっかりと心で聴いていないと、
誤解を生みやすい感じがします。
そして話をしている最中に、次に何を言うかを考えてしまうことが多いと、
相手が言っていることの本質を捉え損ねることもあります。
よく私たちの業界では、
CL視点とかCC視点、
若しくは事例相談者視点とか事例指導者視点と表現して分けがちですが、
同じ事柄や感性を異なる視点から捉えることで、
意見が全く異なってしまうことがあるのだということを知っていないと、
噛み合わない現象を修正できないと思います。
例えば、一方が問題を「改善すべき点」と捉え、
他方がそれを「現状を守るべき点」と捉えていると、
まるで違う目的を持って話しているかのように感じることがあります。
視点の異なりが悪いわけではないと思いますが、
その認識や意味の異なりをどちらかが先ず味わうという役割に徹することができないと、
対話は成り立たないのではないでしょうか?
こういった要因を意識して対話を進めると、
充実したコミュニケーションが成立するように思います。
噛み合わない対話を改善するためには、
相手の認知的な負荷や感情の状態を理解して、共通のペースや価値観にできる限り合わせようとする努力が重要なのだと考えます。
何はともあれ、積極的に相手の意図を汲み取ろうとする態度、
これが事例指導者に備わっていることが事例指導の場を充実させるひとつの要点にもつながると思います。