昨日に続き、本日も大阪会場にて、
1級キャリアコンサルティング技能検定実技面接試験対策講座を開催いたします。
講座を受講いただける皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
会場でお会いできることを心から楽しみにしています。
さて、今回の記事ですが、
1級キャリアコンサルティング技能検定試験の評価項目にもある
「具体的展開力」について、ひとつの視点から考えてみたいと思います。
事例指導の実践における「具体的展開力」というものは、
ただ単に事例相談者へ解決策を提案し実行することだけを指すわけではないと考えます。
例えば…
初対面の事例指導での場作りや事例相談者の状態等に合わせた微細な配慮、
そして事例指導の面接進行中の問いかけや態度等にも「具体的展開力」が深く関わってきます。
この力が向上することで事例相談者との信頼関係性が強化され、
より効果的な事例指導の面接支援(効果的な相互作用が生まれる等)が可能となるのだと思います。
多くの場合、「具体的展開力」という文字面をみて、その意味を
「行動としての解決策提示」や「目標設定から実行までの流れ」と理解しがちかもしれません。
一方、実践的に考えてみればわかりやすいことなのですが、
事例相談者の心理状態や考え方に寄り添った細かな対応や、
非言語的な気配り等も「具体的展開力」に含まれることは言うまでもありません。
一例を挙げれば、面接の初期にどれだけリラックスできる環境を創れる(提供できる)か、
また、事例相談者が不安や緊張を感じている際にどのように共感を示すことができるか、
等々、事例指導の面接の進行に大きく影響するはずです。
それは「基本的態度」ではないか、
「関係構築力」ではないか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
「具体的展開力」は、
「基本的態度」や「関係構築力」に密接に関わっていることはわかるかと思います。
人と人との間に信頼が築かれた関係性の中でこそ、
事例指導者からの問いかけや提案は受け入れられやすく、
事例相談者の変化を促進する力を持ちます。
二人の間の関係構築が進んでいると面接のやり取りもスムーズ・スマートになり、
より深い問題、課題の探求が可能となるはず。
事例指導の面接実践の中での「具体的展開力」を高めるためには、
実践的なアプローチを考えてみることが大事です。
「具体的展開力」は、その他の評価項目と区切りをつけることなどできず、
見た目で目標設定をしたり、ケースを使って何かをしたからといって、
それが「具体的展開力」というわけではないということを考えてみたいものです。
(目標設定を言葉にして、ケースを使って課題を達成できるよう実践イメージをして、より気づきを深めて…等)
この出来栄えがいいほど加点されるといった、自分中心のとらわれや思い込みがあると、
どうしてもロールプレイ後半で
(何がなんでも展開しなくちゃ!)というような思考になりそうです。
つまり、不自然且つ表面的な行動をとってしまうこともあるのかもしれません。
これは事例指導の実践からすれば「具体的展開」とはならないと考えます。
ロールプレイの演習やそのシミュレーションをとるときは、
事例指導の面接の初期段階から、
事例相談者に応じた適切な対応を意識して練習することが重要です。
決して、パターンや型にとらわれないことです。
そしてフィードバックの活用を大事にしてほしいと思います。
実際の事例指導面接の場面で、
例えば、どのように具体的展開を考えていたのかを振り返り、
善き点と改善点を共有し合うことが学びやその意義につながります。
その中には、微細な気配りを意識した点、非言語的なサイン等に気付けた点、
事例相談者の心理的な変化に敏感に反応した点などを振り返ることが効果的な演習となります。
「具体的展開力」とは、行動計画や解決策の提示を超え、事例相談者との関係性を深め、
指導プロセス全体を支える基盤となるということの理解を深めていきたいところです。
この力を自己内で育むことが、より効果的で温かな支援を提供するための鍵となるはず。
試験準備(対策)とその学習を重ねていく際、
この力を実践的に身につけることで、
1級キャリアコンサルティング技能士としての力量が大きく向上するのだと考えています。
私自身への戒めを踏まえ記事にしました。