今夜は日本キャリア・カウンセリング研究会(JCC)主催の
オンライン「1級キャリアコンサルティング技能士による事例指導講座」が開催されます。
講師は私(小林)です。
講座プログラムは、改めて事例指導の面接について、
大事な要点を整理して考えを深めていくコンテンツをご用意しています。
※ロールプレイではなく講義とグループワークになります。
来年2月に1級の受検を控えている方にとっても学びに繋がる内容にしています。
ご予約いただいた方、どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、今回の記事テーマですが、
「よかった点」と「できたこと」という内容です。
これは1級の面接試験にも出題される
「よかった点、改善点」「できたこと、できなかったこと」
これらを考える際にも参考になるかもしれません。
「よかった点」と「できたこと」は、自己振り返りにおいて異なる視点を持つ表現です。
これが口頭試問でごっちゃになっている場合もあるようなので、
それぞれの違いを考えてみたいところです。
「よかった点」= 主観的な満足感やポジティブな要素に注目する視点
「よかった点」といえば、
振り返る際に自分自身が「うまくできた」「この部分が特に良かった」と感じた要素を指しますよね。
具体的な行動や成果だけでなく、
自分自身の感覚や他者(事例相談者やオブザーバー等)からの評価も含まれることがあります。
一例として
「こちらの質問を通じて、事例相談者が、〜の場面で〜について深く考える機会を提供することができた」
「これによって事例相談者にとってどんな効果があったのか」
を言葉にできるといい感じです。
要するに、ロールプレイなどで自分の強みやよい部分に気づき、
それを今後の実践にも活かすことになります。
一方で、これが自己中心的な発想だけだと、
事例指導の営み自体が事例相談者の手柄でもある、といった認識が欠けているということにもなりかねません。
上記のように事例相談者がどのように変化したのか…
そういうところを取り入れたいですね。
そして
「できたこと」= 具体的な行動や成果に焦点を当てる視点
「できたこと」といえば、
振り返りにおいて、自分が実際に行った行動や達成できたことを明確に言語化することです。
主観的な感覚よりも客観的で具体的な行為や状況に焦点が当たりますよね。
「事例相談者が面談への想いを表現しやすいように沈黙を意図的に使うことができたので、事例指導の序盤で適切な指導関係性ができた」
「よって関係構築と事例相談者がケースに抱く支援意向を明確にすることまでができた」
つまり事例指導の目的として、
実際の自分の行動を振り返り、具体的なスキルや方法を評価、再現可能性を高めることが「できたこと」を考える際のポイントです。
両者の異なりをまとめてみると、
「よかった点」は、主観的な良さや価値に焦点を当てた振り返り。
「できたこと」は、具体的な行動や達成に基づく客観的な振り返り。
これらを分けて考えてみることで、
自己評価が感覚的な満足だけでなく、
具体的な行動や成果に基づくものになるため、
自己成長をより効果的に促すことができます。
そしてこのマインドやスキル等を口頭試問で確認していることも忘れないで、
表面的な準備に終わらないようにして臨みたいですね。
予め用意するのではなく、
その場で起こっていることをその場で考え言葉にすることが大事だと思うのです。